自由インド太平洋連盟がめざすものとは?石井英俊副会長に聞く

平成30(2018)年10月26日に東京で結成された「自由インド太平洋連盟」が注目を集めている。中国共産党による覇権主義が国際社会を脅かす中で、これに対抗すべく各国の民間団体が初めて統一組織をつくったからだ。

結成大会にはウイグル(東トルキスタン)、チベット、南モンゴル、台湾、インド、ベトナム、そして日本の代表者が集結。連盟結成にあたってのキーパーソンの一人であり、副会長に就任した石井英俊氏に独占インタビューを行った。

聞き手:選報日本 編集主幹 本山貴春

初めての国際的統一組織

Q.自由インド太平洋連盟が発足に至った経緯を教えてください。

石井英俊:実は、ウイグルのラビア・カーディルさん(世界ウイグル会議元議長)と、南モンゴルのショブチョード・テムチルトさん (クリルタイ=世界南モンゴル会議会長)の間で、10年ほど前から構想が練られていました。

それまで、ウイグル、南モンゴル、それからチベットの各運動団体は、交流はあったものの、運動の上で共闘することができていませんでした。例えば、共同記者会見を行う、といったこともできていなかったわけです。

これが初めて国際的統一組織をつくったわけですから、極めて画期的です。

平成28年にクリルタイ(世界南モンゴル会議)が東京の参院議員会館で結成されたのですが、その際、会場の手配や参加者のビザ取得などを私がお手伝いさせていただく機会がありました。

去年はクリルタイ主催の「文化大革命時代のモンゴル人ジェノサイドのユネスコ記憶遺産を目指すシンポジウム」がやはり参院議員会館で開催され、その時もお手伝いしました。

その縁があって今年の4月に、南モンゴルのテムチルトさんなどから、新しい国際組織の立ち上げに関する相談と、日本代表の就任依頼をいただき、今回の結成大会に至りました。

この国際組織「自由インド太平洋連盟」の拠点を東京に置くにあたり、私がふだん福岡にいる関係もあって、東京在住で経験豊富な小島孝之さんにも日本代表をお願いし、結成大会では会場の準備やメディア対応を担っていただきました。

関東の支援者含め、非常に多くの方のご協力により新組織の発足にこぎつけることができ、心から感謝しております。

大々的に報道される

Q.当日、結成大会の雰囲気はいかがでしたか?

テレビ局や新聞社など大手メディアが20社以上詰めかけ、会場は熱気に包まれていました。結成大会の参加者は各国代表とその随行者、日本人支援者など全体で100名以上です。

そして約半数が海外からの参加です。大会の前日には内部会議を行ったのですが、そこでは議論が白熱しました。議論したのは規約に明記される組織の目的や、今後の活動方針についてです。

そこで苦労したのが言語の壁です。というのも、全員が英語を話せるわけではないからです。連盟としての共通言語がないという問題は、今後も課題ですね。

ちなみに大会後には国会議員との懇談会を設定したのですが、代理出席を含めて10名の議員さんが来てくださいました。今回初めてお会いできた方もおり、このご縁を大切にしたいと思います。

結成大会の模様は全国的に大きく報道されましたので、非常に反響がありました。各国の参加メンバーも喜んでいましたよ。

中国の拡張主義や人権弾圧に反対

Q.今後の展望などお聞かせください

各国の代表者とも確認したことですが、この結成大会はあくまでスタートラインに過ぎません。現在の正式な参加国は日本を含め6カ国ですが、まずはこれを増やして行きます。

参加単位は「国」に限りません。民族や地域としての参加もあります。すでに複数の国や地域と調整に入っています。インドから太平洋にわたる全域が、われわれの連携対象です。

今回は公表していませんが、意外な国からの参加もありました。さらに、米国からも参加を見込んでいます。

その上で、連盟として国際社会にアピールしていきます。これまでのように各個バラバラにアピールするよりもインパクトがある筈です。

誤解しないでいただきたいのは、「自由インド太平洋連盟」はこれまでの各国各民族の運動を代替するものではない、ということです。既存の各団体に干渉することもありません。

「自由インド太平洋連盟」はこれまでの運動とはステージの異なる、全く新しい運動体です。国際的な連携のための組織として、中国の拡張主義や人権弾圧に反対していきます。

中国の拡張主義と人権弾圧を止めるためには国際社会の圧力が必要です。「自由インド太平洋連盟」はそれを民間団体として発信します。

取り急ぎ、ウェブサイトを複数言語化し、具体的な事例や実態について情報発信を行っていきます。例えば国連にレポートを出すということもあるでしょう。日本国民への世論喚起も重要です。

そして全世界で、運動への支援を呼びかけていきます。

日本はあくまで「調整役」

Q.連盟の副会長としての抱負をお願いします

私が副会長に就任したことは全くの予定外でした。結成大会前日の内部会議で、海外メンバーから「なぜ石井は役員に入っていないのか」との声が挙がったのです。

日本からは小島さんが事務局長として入っていましたので、2人だとバランスが良くない、と断りました。しかし「石井を副会長に」という声が次々に挙がり、最後には「そんなに嫌か」とまで言われ、押し切られました(笑)

個人的には、そこまで信頼していただけたことに感動しています。

今回の国際組織の構想は、あくまでウイグル人とモンゴル人が考えたものです。拠点は日本に置きますが、日本人はあくまで調整役に過ぎません。

大会に参加した支援者のお一人が「戦前の大東亜会議は日本人が言い出したので無理があったが、今回はアジアからの要望で開かれたのが画期的」と仰っていたのが印象的でした。

私はすでにこれまでの運動で北京政府には睨まれており、連盟の発足でますます危険視されると思いますが、あくまで調整役であるということを強調しておきたいと思います。

Q.今回、通訳など裏方として参加されたランダム・ヨーコさんからも一言お願いします。

ランダム・ヨーコ:とても意義深い結成大会でした。文化や言語、国籍が違っても、問題意識が同じなので、会った瞬間に「仲間」になれたように思います。

自由インド太平洋連盟の目的は中国への内政干渉ではなく、当たり前のルールを中国政府に守らせよう、ということ。このことを共通認識にできたのは良かったですね。(了)

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