「北朝鮮による日本人拉致」を忘れてはならない理由

拉致問題
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天災は時・場所・人を選びません。なぜこのような時、このような場所でこのような方々が厄災に襲われなければならないのか。大きな自然災害報道に接する度に、私は天の不条理を嘆きます。

しかし、人災はどうでしょうか、天災はやってくるのを防ぐことが出来ないが、人災は防ぐことが出来ます。だから、私たちはこれ以上の悲しみに打ちひしがれることがないよう、人災を根絶して行かなければならないのだと思います。

拉致事件は言うまでも無く人災です。ただし、このような言い方は回りくどいだけでしょう。拉致は国家犯罪です。そして、犯罪は裁かれなければならない、それだけなのです。これは紛争ではありません。我々が不当に奪われたものを取り返すだけの話です。

このような、極めて簡単な問題が何故ここまで未解決のままなのか、拉致被害者のご家族の方が「本当に不思議だ」と慨嘆がいたんするのも当然です。

イスラエル人拉致被害者家族「普通ではありえない」

拉致は国家犯罪の中でも、最も悪質なものの一つであり、国家・国民への武力攻撃と同等のテロ行為です。昨年起きたイスラエルへのテロ攻撃と、それに対するイスラエルの報復行為を思い出して下さい。

テロ報復により、パレスチナ自治区住民の死者がテロによる死者数を大幅に上回ってきて、さすがに過剰報復でないのかとの意見も出てくるようになりました。しかし、イスラエルは攻撃の手を緩めません、その理由は、拉致された人質が奪還できていないからです。

拉致被害者を取り戻すことは、それだけの重大事であり、現にイスラエルではデモ活動が起こっています。(イスラエルで「人質解放の優先」求めるデモ行進 家族ら首相公邸前でも抗議 – BBCニュース

この記事の中で、

子供たちが43日間も誘拐されたままなんて、普通ではありえない。政府が何をしているのかわからないし、情報もない」と、レヴィさんはAFP通信に語った。

https://www.bbc.com/japanese/67466160

とあります。43日間の拉致が「普通ではありえない」のならば、40年以上拉致されている横田めぐみさん達の状況は何なのでしょうか? 言葉が追いつかないとは正にこのことです。

平和を求めるなら、拉致問題から逃げてはならない

繰り返しになるようですが、拉致は我々が戦後掲げた国家体制の根幹である「国民主権・人権尊重・平和主義」を踏みにじるものです。国家・国民に対する脅威そのものです。

拉致問題を解決することは人権問題の一丁目一番地であり、全国民を上げて取り組まなければならないものであり、英知を振り絞り、解決の手立てを模索しなければならないものです。

拉致を決して忘れてはならない。我々が真に国民主権の意識のもと人権を重んじ、平和を希求するならば、この問題から目をそらすことは許されない筈です。

世界情勢は増々混迷の度を深めています。武力による現状変更の試みは否定するというのが国連を中心とした各国間の基本合意であった筈なのですが、その試みを外ならぬロシアという国連の中心国の一つが堂々と破っているのです。

時代は第二次世界大戦後という状態から、新しい段階に入って来ていると思います。これまでの考え方が通用しなくなって来たことは誰の目にも明らかではないでしょうか。この国の拉致問題も、新しい考えによる取り組みが必要になると思いますが、これは稿を変え論じたいと思います。

石原志乃武

(いしはら・しのぶ)昭和34年生、福岡在住。心育研究家。現在の知識偏重の教育に警鐘を鳴らし、心を育てる教育(心育)の確立を目指す。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会幹事。福岡黎明社会員。

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