維新県議候補者が選挙ポスターで自著を宣伝 問われる「税金の使い道」

政治
日本維新の会 福岡県総支部公式Twitterより
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令和5年4月に実施された福岡県議会議員選挙で、福岡市城南区から立候補した日本維新の会公認候補者が選挙ポスターで自著の宣伝を行なっていたことがわかった。

選挙ポスターに自著の宣伝を掲載したのは伊藤博文いとうひろふみ氏(54歳)。県議選では7,032票獲得したが、最下位で落選している。

伊藤博文氏の選挙ポスター

選挙ポスターには本人の顔写真、氏名の他に【祖父伊藤半次「戦地からの絵手紙」】とキャプションのついた絵葉書の写真が掲載されている。同氏には『伊藤半次の絵手紙』という表題の著書があり、同書の表紙にも同じ絵葉書が掲載されている。

『伊藤半次の絵手紙』表紙(集広舎公式サイトより)

著書表紙との類似性やキャプションから、選挙ポスターで自著の宣伝を図ったことは明らかだ。状況的に公職選挙への立候補自体が、宣伝目的だったと見られてもおかしくはない。

日本維新の会は「身を切る改革」を掲げて躍進している(伊藤氏Instagramより)

同著の版元である集広舎の川端幸夫氏は選報日本の取材に対し「(選挙ポスターへの掲載は)選挙が終わってから聞いた」と答え、事前に知らされていなかったと明かした。伊藤氏に対して「せめて100冊くらい買い取って欲しい」と求めているという。

公職選挙法上、選挙ポスターのサイズは厳格に規制されているが、内容については審査されず、規制はない。そのため、近年では候補者ではない者の顔写真や氏名を記載したり、半裸の写真を掲載するなどの問題が指摘されている。

その中でも、自著の宣伝を行なった例は殆どない。公職選挙法では政見放送及び選挙公報において「特定の商品の広告その他営業に関する宣伝」を禁じているが、選挙ポスターについては規定されていないため、明らかに違法ということはできない。

しかし選挙ポスターの掲示板は公費で設置され、選挙ポスターの印刷を含む制作費は原則税金で賄われる。そのような公費で行われる選挙運動を通じて「特定の商品の広告宣伝」が行われたことは、重く受け止めるべきだろう。

5月18日 一部削除

記事の一部に不正確な箇所がありましたので、当該箇所を削除しました。(編集部)

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