令和4年1月27日、立憲民主党の菅直人最高顧問(衆院議員・元首相)が自身のTwitterに日本維新の会について「低所得者層の人達が共鳴し、支持を広げた」などと投稿し、波紋を広げている。
菅直人氏を巡っては、維新の創業者である橋下徹氏らを「ヒットラーを思い起こす」などと中傷したことについて、維新が立民に正式抗議していた。
維新からの抗議を受け、菅直人氏は「的外れな謝罪要求に応ずるつもりはない」と開き直る姿勢を見せた。重ねて維新支持者を「低所得者層」と揶揄したことで、維新側は一層反発を強めている。
背景に野党第一党陥落の危機感
民主党政権時代の首相であり、現在の立民幹部である菅直人氏が「ヒトラー」「低所得者層」などと際どい表現を用いて維新を攻撃し始めた背景には、「維新に野党第一党の地位を奪われる」という危機感がある。
令和3年の衆院選では維新が議席数を4倍に伸ばしたのに対し、立民は13議席も減らした。立民は小選挙区で日本共産党などと選挙協力することで基礎票増を狙ったが、それが日共を嫌う支持層から反発を受けたと見られている。
立民は党内部で「共産党との連携が選挙結果に影響を与えた」とする分析を衆院選総括に盛り込むことを検討していたが、27日に公表した総括文書には記載されず、「戦略の見直しが必要」との表現に留めた。
立民・泉執行部に失望する声
立民の泉健太代表(衆院議員)は28日に記者会見し、「ヒトラー発言」を巡る維新からの抗議について党として対応しないことを明らかにした。
泉氏は平成29年の衆院選では立民ではなく希望の党から立候補して当選。旧国民民主党を経て令和2年から立民に合流し、令和3年の立民代表選に出馬して新代表に就任している。
その経歴から、枝野幸男前代表時代の「追求一辺倒」から「提案型野党」「中道路線」へ転換することも期待されていたが、旧民主党政権で中枢を担った党内左派を制御できておらず、失望の声が広がっている。
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