「業者版ゴミ屋敷」改善命令から1年、撤去は進まず(京都)

政治
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京都府久御山町で起こっている有限会社広村商店(事実上廃業)による産業廃棄物放置問題が再度テレビで取り上げられたので、近況を報告する。

改善命令後に5度撤去されているが、極めて少量

この問題は、筆者が久御山町議会の一般質問で取り上げ、ネットで記事にしたことにより「火」がつき、今年1月に毎日放送『Newsミント』(現在は放送終了)の憤懣本舗というコーナーで放送された。そして今回、11月15日に後継番組である『よんちゃんTV』で続報が報道された。

▽山積みの”ゴミ”はどうなった?改善命令出た京都の『業者版ゴミ屋敷』10か月たち社長を再直撃「いつまでに片付けられるかはわからない」
www.mbs.jp

京都府は昨年12月24日付けで廃棄物全量撤去の改善命令を発出したが、履行期限である2月4日にトラック1台分が撤去されたのみであることは前回の記事で述べたとおりだ。

その後は、6月16日に4tトラック1台分、7月8日に軽トラック1台分、同月17日に2tトラック1台分、10月28日に4tトラック1台分がそれぞれ撤去されている。改善命令発出から5回撤去されたことになるが、全体量から見ると「雀の涙」ほどの量しか撤去されていない。

10月28日の撤去作業

『よんちゃんTV』では、毎日放送の大吉洋平アナウンサーが広村商店の代表者に「正義の鉄槌」を下す直撃取材をおこなっているが、代表者の身勝手な言い分は、見ていて非常に腹立たしい。

知事の政治決断が必要では

京都府は、行政代執行については多額の税金を投入することになり、事実上廃業している広村商店からは回収可能性が低いため消極的な姿勢である。

改善命令の強制力を担保するために、命令違反には罰則がある。罰則を適用するには、捜査機関への告発が必要である。しかしながら、仮に代表者が有罪判決を受けたとしても放置産廃が撤去されるわけではない。代表者の身柄が拘束されれば撤去作業が止まってしまう恐れがあるとして、現時点において告発する意思もないようである。

筆者が保健所に取材をおこなったところ「あらゆる選択肢を考え、最善の手段を講じていく」としたが、これでは打つ手なしといっても過言ではない。

すでに広村商店が事実上廃業して2年半近くが経過している。期限を区切った上で、行政代執行と捜査機関への告発を検討するべきであろう。

行政代執行には税金が投入されるわけであるから、府議会で補正予算を議決する必要がある。広村商店からの回収可能性は低く、役人が判断できるレベルを超えているといえる。京都府の西脇知事が政治決断をするべきときに来ているのではないだろうか。

(あしだ・ゆうすけ)昭和58年生まれ。京都府久御山町議会議員(1期目)。平成23年行政書士試験合格。平成31年4月初当選。

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