竹田恒泰氏「北朝鮮核ミサイル開発で、米国による日本の核の傘は失われた」

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旧皇族の子孫で、憲法学者の竹田恒泰氏は平成29年8月30日に福岡市で講演し、「北朝鮮の核ミサイル開発によって、米国による日本への核抑止力は失われたと考えるべき」と警告した。

平成29年2月の「ミサイル発射実験」で、北朝鮮は固体燃料の実用化に成功し、その後金正恩は「量産体制」に入るよう指示したとされている。これまでの液体燃料に比べ、固体燃料によるミサイルは「即時発射」が可能となる。

仮に米軍が北朝鮮に対し先制攻撃を加えたとしても、北朝鮮は瞬時にミサイルを発射して反撃することが可能となった。北朝鮮の保有する核爆弾がICBM(大陸間弾道弾)に搭載可能なまでに小型化されたか否かについては専門家でも意見が別れている。

もし北朝鮮が米国本土に到達する核ミサイルを保有しており、しかもそれが固体燃料型であった場合、米軍が北朝鮮を核攻撃することで、米国本土が北朝鮮の核攻撃を受ける可能性があり、米国民はそのような事態を容認しない。

以上の状況から判断すると、仮にわが国へ北朝鮮が核攻撃を行なったとしても、米軍が報復核攻撃を行う可能性は低くなるというわけだ。核戦争を防ぐのは「相互確証破壊」という、核兵器による反撃能力だけだ。

米軍はTHAADと呼ばれる弾道ミサイル迎撃システムを保有しているが、このシステムの迎撃率は3/4とされる。つまり4発撃たれれば1発は被弾する計算だ。それが核弾頭であった場合の被害は計り知れない。

「北朝鮮の固体燃料開発成功は日本の安全を揺るがす大ニュースだったのに、マスコミはほとんど報道せず森友学園問題に明け暮れていた」と竹田氏はマスコミを一刀両断。これで米国が日本を「守りにくくなった」(同氏)ことは間違いない。

竹田恒泰氏

今後わが国が進む道としては、米軍に依存する現状を維持するか、独自の防衛力を持つか、2択しかない。前者に留まれば、日本の安全性は低くなるばかりだ。最終的に自分の国は自分たちで守るしかない、ということだ。

竹田氏は、「今こそ日本人の国を守る意志が問われている」と喝破。国際情勢を見誤り敗戦に至った先の大戦の轍を踏んではならないと警告を発した。

3時間に及んだ講演会は「竹田研究会」が主催し、福岡県護国神社で開催された。同研究会はボランティアによって運営され、古事記を始めとする日本の文化を学ぶことや青少年の育成を目的としている。会場は数百人の市民が詰めかけ熱気に包まれていた。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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