国内の酒販業者に対して内閣官房と国税庁が出した令和3年7月8日付け文書について、法的根拠なく出されたことがわかった。山尾志桜里衆院議員(国民民主党)が自身のTwitterで明らかにした。
内閣官房と国税庁は「酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じない飲食店との酒類の取引停止について(依頼)」と題する文書を、酒販業者に対して送付。
その中で、「飲食店が同要請等に応じていないことを把握した場合には(中略)そうした行為を助長しないよう、(中略)当該飲食店と酒類の取引を停止するようお願いします」と明記している。
この要請文について、山尾議員が法的根拠を内閣官房と国税庁に確認したところ、「可能な範囲で協力できればしてください」という趣旨であり、特に法的根拠の無い「要請」であったことが明らかになった。
その上で山尾議員は「(酒販業者にとって)むしろ判断の余地がないかのように書かれています」と指摘。また、飲食店に対する措置としては行政手続法に違反する可能性があるという。
行政手続法 第三十二条 2
行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
同条文違反の可能性について、山尾議員が内閣官房と国税庁に問い質したところ、いずれも「検討していない」と回答したという。
山尾議員は酒販業者への要請について「根本的には、この取引停止依頼、実効性を重視すれば違憲違法に振れるし、違憲違法を払拭しようとすれば効果なくなるという関係に立つ悪手なので、これ以上混乱を広げないうちに素早く撤回すべきです」との見解を示した。
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