れ新・大石共同代表「国民民主党は極悪、醜悪、狡猾」街頭演説で異例の罵倒

政治
れ新・大石あきこ共同代表(Youtubeよりキャプチャ)
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令和5年9月24日、れいわ新選組(山本太郎代表)の大石晃子あきこ共同代表は阪急十三駅前で街頭演説し、「国民民主党は極悪」「(支持基盤の)労働組合を巻き込んで、戦争で儲ける国にしようとしている」などと述べた。

大石共同代表は演説をYoutubeで生配信。その中で、「維新とか、国民民主党とかあんなん野党ちゃいますよ」などと、「建設的提案型」を目指す2党を批判。また、国民民主党が民間労組の支援を受けていることを踏まえ、「労働組合が先頭を切って『戦争に協力します』ってなった時に、この世は戦争に突き進む」と自論を展開した。

さらに、政府が「防衛装備移転三原則」やその運用指針の見直しを進めていることに絡めて、「国民民主党もグルで、そして連合の幹部もグルで、労働組合を抱き込む形で、この国で防衛費を増大させて、そして武器輸出を加速させる」などと主張した。

令和5年4月7日に衆院本会議において、「防衛装備品生産基盤強化法」(6月成立)に関し国民民主党の鈴木あつし衆院議員が、「防衛装備移転、技術協力の新たな国家戦略の策定と政府主導による積極的な輸出拡大が喫緊の課題」などと述べたことについて、大石共同代表は「戦争やって賃上げするのか」などと筋違いの罵倒を行なっている。

国民民主党が「緊急事態における衆院議員の任期延長を可能とする憲法改正」を提案していることについては、「国民民主党は本当に狡猾」「(緊急時には)参議院が補足する条文があるのだからデマ」「論破されたんなら言うこと聞けよ」などと、戦闘的な護憲姿勢を見せた。

野党の代表者が、他の野党についてここまで執拗かつ過激に痛罵することは極めて異例。大石共同代表は今月26日、維新の音喜多おときた駿政調会長に対しSNSで「なんやこのちんちくりんは」などと投稿。現時点でも撤回していない。

今回の街頭演説でも、NHKの日曜討論に出演した他党議員らを「スーツを着たじじいども」と表現しており、主張の内容以前に、国会議員としての資質が問われそうだ。

れ新・大石共同代表による演説書き起こし(一部)

もう維新とか、国民民主党とかあんなん野党ちゃいますよ。一刻も早く庶民のこの暮らしの窮状、物価上がっているのに、16カ月連続実質賃金が下がっている。そして食料品が10か月連続で買い控えされている。この状況を変えるために早急に対策を打たなきゃいけない。なのに(NHKの)日曜討論では、そんなムードでは全然なかったんですよ。(中略)

(NHKの日曜討論に)自民党とか公明、維新とか国民民主とか共産とか、そういう人達が出ると。(中略)れいわ新選組の発言回数が少ないので、あと一回あればこれを話したかったんですけど、国民民主っていうのも今、無茶苦茶悪い役割をしているなと。

私、本当に日本が戦争に巻き込まれるなっていう危機感でいっぱいなんですよ。過去の戦争を考えた時に過去とか今の戦争もそうですけど、皆さん戦争ってどうやって可能になると思います? 労働者が戦争に協力した時なんですよ。というのも、この社会を動かしているのって誰ですか? 労働者じゃないですか。ラーメン製造して加工して、こうやって作って提供してくれる。

今、この世にある全てのものを考えてみてください。労働というものなしに成り立つものは一つもありません。戦争も同じです。だから労働者が戦争に協力したり、戦争の仕事をすることによって戦争というのは実現するんですよ。だから、その労働者のための組織、労働組合が先頭を切って「戦争に協力します」ってなった時に、この世は戦争に突き進むんですよ。

それは日本の過去の戦争でもそうなんですね。産業報国会みたいな形で、その生産側も労使協調して戦争に向かっていきます。それで戦争の需要ですね。爆弾作ったり、何か人殺しの兵器作ったり装備作ったり、そこで特需っていう短期的な儲けも一部の産業にはあると。そういう形で労働組合が腐らされ、他国の人との殺し合い、そのための生産、それで自分たちは儲けていく。

そこに思考停止して足を踏み込んだ時に、戦争というのは起きます。私、今、それが非常に危険な状況だと思っているんですよ。じじいどもの日曜討論に今日行ったんですけどね。で麻生副総裁は来てなかったけど、麻生副総裁なんかは台湾で「血を流す覚悟」とか「本気出す」みたいなこと言ってて。いやいや「お前は戦争に行かないだろう」と。若い人達ですよ、行くのは。自衛隊員でしょう。

そういう人たちに、そのスーツを着たじじいどもがね。血を流さない、むしろそいつらは儲かる、みたいな構図の中で、労働組合が腐らされ、労働組合の幹部の一部も儲かるような形で、この日本が、国民経済が、戦争経済化していくっていうのが本当に最悪なことです。

この日本は元々モノづくり国家でしたから。「人殺しの兵器を作って、賃金上げてもらうんだ」。そんな誇りのない話じゃなくて、世界中の人々に感謝される製品とかサービス、それを生み出せるのがこの国であったし、これからもそうでなければならない。それが30年間、間違った国策によって実体経済がスカスカにされ、「戦争経済でもいいから欲しい」みたいな、そういう政治とはお別れしなきゃいけない。

この国の足りない分野。医療、介護、保育。そして家電とか、酪農家とか、私たちの国民生活に必要なモノ・サービスを国内で作っていける。そのような生産体制に大きく変えていく時なんですよ。それを怠って、戦争経済で、アメリカの言いなりで、儲けていこう、みたいなこと絶対やっちゃいけないし、それをあろうことか、労働組合が加担するというのが最も恐ろしいことだと思っています。

首相補佐官に矢田わか子氏決定」ということで、この方、もともと国民民主党の方でね。9月8日まで国民民主党の顧問という役員をやってて、急に9月8日に辞めているんですよ。んで、その何日後かの15日に内閣に入ったんですね。

もともとパナソニック系の労働組合の幹部やってた方でした。そういう人が、国民民主党が最近「自民党入りするのか」みたいな、マスコミでも宣伝されてきましたけど、マスコミもグルで、自民党もグルで、国民民主党もグルで、そして連合の幹部もグルで、労働組合を抱き込む形で、この国で防衛費を増大させて、そして武器輸出を加速させる法律、この5月に通ってしまいましたから。(中略)

本当に国民民主党というのは極悪だなと。これも言いたかったけど、今のような話(日曜討論の)1分ではなかなか言えないですね。言いそびれましたけれども、重大なこと起こってます。これは4月7日、衆議院本会議で、もう私の脳がこの日から「ちょっとイカれてしまったな」って思ってるんですけど、国民民主党の鈴木(あつし)議員というのが本会議で「我が国の防衛産業の強靱化」ということを言ってたんですよ。

ドイツでは人を殺せる武器ですね、「大砲とかを輸出して儲けている」と。なのに日本はできていない。「違いは何か」と。違いは、平和憲法に基づいた「武器輸出3原則の存在だ」と。他国との武力紛争は、国際紛争の解決手段にしてはならないと。

だから人殺しの兵器とかを、この国で作って、それで儲けるとか、他国に移転するとか、やっちゃいけないよっていう。そういう平和憲法による縛りがあるが故に、この国では武器輸出の産業が発展しなくて、儲からないっていうことを、連合という労働組合の組織支援を得た、この議員が言っているというのが、非常に醜悪だなって。恐ろしいなって。

本当に、この本会議を聞いていて、頭がおかしくなりました。「だから、武器輸出3原則は変えなきゃいけないんだ」と。実際にそのような武器輸出をする法律が通り、そしてこの武器輸出3原則っていうのが今、まさに壊されようとしています。

それも国会で審議するわけではなくて、内閣だけで閣議決定だけで、今までは殺傷、人殺せる能力のある兵器は輸出してはいけない。移転してはいけないというものだったのが、それが外されていくと言う方向になってます。もう本当に恐ろしいことですよ。

この国が、どこか他の国で戦争が起きてる。そうしたら、そこがビジネスチャンスやなって。ああ、ウクライナでの戦争長引けば長引くほど日本は儲かるよねって。そういう国になるっていう布陣が引かれたと、そういう法律が通り、そして武器輸出3原則というタガが、まさに外されようとしてる。

私たちの国、そんな国になりたいですか? なっていいですか? 私は絶対に許せないんですよ。他国が戦争していたら、ビジネスチャンスや。ふざけるなと。それを労働組合が加担しようとしているのは、私は絶対に許せない。絶対変えなきゃいけないです。

戦争やって賃金賃上げするのか。失われた30年を取り戻すためにはそうじゃないだろう。戦う野党と、戦う労働組合の再生が必要だ、ということですね。(中略)

いま通り掛かった方の質問を受けてます。ご質問では、国民民主党も改憲を狙ってて。で、「自民党の改憲草案とは違うよ」と言ってるけれども、狙いとしてはそういった、まずは(憲法を)崩していくというところにあるんじゃないか、という御質問で、(私も)同じ考えです。

実際、通常国会っていうのが2023年1月から6月までありましたが、毎週のように(憲法審査)会を開いていて。そこの議論で本当に奇妙というか、もうそういうレールなんだなって思うのが、自民党と公明党に加えて、国民民主と維新が、こぞって「緊急事態条項、災害のために要るよね」というのを、そこの穴から突いていこう、みたいなのをやるんですよ。

だから彼らは、自民党じゃないフリをして、国民民主党は本当に狡猾ですよね。「自分は自民党とは違います」と称しながら、実は裏ですごく手をつないでて。だから突破口として。「憲法9条を変える」って言ったら、やはり日本国民がすごいアレルギーがありますから。「違うんですよ、違うんですよ」と。

「災害なんです。または戦争を中国に起こされちゃったときとか」みたいな。「そういうときに緊急事態条項がないとあかんでしょう」とか、「衆議院の解散があって、大事な大事な国会なのに、衆議院の任期終了して、そのときに災害とか起きてたら、国会が停止してしまうやん」みたいな。

もう「停止しとけ」ぐらいの国会なのに、全然やる気のない国会運営してるのに、あたかも「国会がむっちゃ大事だから、だから緊急事態条項はそのために要るんですよ」みたいな。

「9条とかじゃないんです」みたいなことに、示し合わせた議論をやっているんですよ。れいわ新選組の山本太郎は「違うでしょう」と。参議院の集会権(緊急集会)、参議院がそれを補足するという趣旨の条文があるんだから、「そもそも、あんたたち言ってんのは、デマで、デタラメや。終わりや」っていう話なんですけど、何かその党は示し合わせて、すでに論破済みのことを、何回も何回もやるわけです。

国会って、「論破されたんなら言うこと聞けよ」って思うじゃないですか。あの人ら、いくら論破しても関係ないんですよ。論破したって、最後多数決で全部決められてきましたから。ただ、少なくとも論破した。「ああ、あっちが悪いんだな。自民党が間違っているんだな」っていう、その構図を皆さんに見ていただくことだけが、状況を変える展望なんですよね。

というわけで、その憲法審査会において完全論破済みの、馬鹿らしい理屈をあえて国民民主党が言い続けていたというのは、お兄さん(質問者)がおっしゃるような、改憲狙いの突破口っていうのに、自民、公明、維新、国民民主が団結していってるっていう、そういう危うさだと思います。

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