朝鮮学校のイベントに自民党市議が出席した背景とは

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 平成二十三年五月、「北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会(救う会福岡)」の会員によって構成された原告団が、福岡県及び福岡県知事を相手取り、「朝鮮学校への補助金支出取り消し」を求めて福岡地裁に提訴した。県はこれまで年間八百万円もの公費を県内の朝鮮学校へ補助金として交付してきた。朝鮮学校への補助金を巡っては県内の北九州市からも同じ名目で受給していたことなども露見し問題となった。原告団は「政治教育や政治活動を禁じた教育基本法に違反している」「公の支配に属さない教育事業への公金支出を禁止した憲法にも違反する」という理由により、県による朝鮮学校への補助金支出は違法であるとして、支出の取消と全額返還を求めたのである。

 私は同年八月、福岡朝鮮初級学校で開催された「福岡ふれあい納涼祭」という夏祭りに「参加」した。朝鮮学校を訪れたのはこの日が初めてであった。前述の訴訟において原告団の末席を汚す私が、当の朝鮮学校を訪問するには抵抗があったが、そこがどういう場所なのか、また夏祭りで何が行われているのか見ておきたかったのだ。福岡朝鮮初級学校へは、福岡市の中心部から電車を乗り継いで一時間弱、さらに住宅街の中を十数分歩いた先の小高い丘を登って漸く着く。意外、というべきか、初級学校(小学校)の広大な校庭には屋台が立ち並び、本格的なステージや音響設備まで整えられ、大勢の来客者がひしめいていた。一般の小学校でも校区の夏祭りは行われるが、朝鮮学校のそれは明らかに規模が大きく、来客者も桁違いに多い印象を受けた。ステージでは朝鮮衣裳をまとった女性たちによる踊りや、プロの歌手による歌唱も披露され、祭りの終盤では盛大な打ち上げ花火まで行われた。実に金のかかった祭りであった

 朝鮮学校の夏祭りは、児童やその保護者のためというよりも、地元住民との交流に重きを置いているように思われる。来客者には抽選により豪華景品が贈られ、帰りには全員に有名店のロールケーキが一箱ずつ配られるほどの念の入れようであった。同年で十回目を数えた夏祭りは、おそらく学校側が地域住民などを「懐柔」するべく開催しているのであろう。九州朝鮮中高級学校(北九州市)では県から「市民交流」のために支出された補助金が、支援者を飲食接待するために使われていたことも情報公開請求によって明らかになった。市民交流にせよ飲食接待にせよ、朝鮮学校の宣伝のために公費が支出されてきたのである。教育目的の補助金も、書類上パソコンを買ったことにして実は買っていなかったなど、実に杜撰な監査であったことが露見している。

 在日外国人に対するわが国政府の諸政策を見るにつけ、いかにわが国政府がわが国民を重要視していないかがよく判る。これほど国や自治体の財政が逼迫しているというのに、来日間もない外国人に生活保護を支給するなど、枚挙に暇がない。その最たるものが朝鮮学校への補助金支出であろう。そして朝鮮学校へ渡った「国民の税金」は、そのまま「北の独裁者」を肥え太らせたであろうことは想像に難くない。この日本国内にある朝鮮学校では「拉致問題」を認めず、金一族を礼賛崇拝させる教育を今日も行っているのである。犯罪者に金を渡すのは犯罪ではないのか?

 ところで福岡朝鮮初級学校での夏祭り終盤において、多数の「来賓」が紹介された。そこで只一人、福岡市会議員が紹介された。自民党所属の同市議は別の選挙区であるにも関わらず、その夏祭りに浴衣姿で駆け付けた。私たちはこの事実をどう考えるべきだろうか。おそらく朝鮮学校、いや朝鮮総連などの北朝鮮機関は長年、日本国内で利益を得るために多大な努力を行って来たのだろう。拉致犯罪が露見して当初、政府の動きが鈍かったのは、それだけ北朝鮮の影響力が日本の権力中枢に及んでいたことの証左だろう。

 国民の生命財産を守ることのできない政府は敵である。犯罪者に血税を渡す地方政府も国民の敵である。日本国民は反撃すべきだ。われわれは武器を持たずとも、敵を斃すことができる。拉致被害者奪還は、その先にしかないだろう。

※この文章は、『国体文化』平成24年9月号(平成24年9月1日発行)に掲載されたものです。

本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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