習近平を国賓として招いてはならない3つの理由 国際戦略家・石井英俊氏に聞く

アジアの人権問題などで活躍している石井英俊さんに、どのような思いで活動を続けているのかお聞きしたいと思います。何はさておき、習近平の国賓来日問題ですね。石井さんは国賓招聘に反対していますが、その理由を教えてください。

石井:中国とは国と国の関係があるので、首脳会談の必要性はあると思うんですよね。だから習近平が来日することには反対するつもりはありません。しかし国賓にすることが適当か、ということは別なんです。

国賓ということは、日本であれば天皇陛下のお客様としてお迎えし、宮中晩餐会も行われる。そのお返しとして今度は天皇陛下が招かれ、訪中される。そういう流れになっていくので、いま国賓として迎えるべきではないと訴えています。

論点は三つあって、1つ目は日本の問題。2つ目は中国の人権問題。3つ目が日米安保体制の問題です。

論点1 日本の問題

1つ目の日本の問題ですが、尖閣諸島領海や接続水域に対する中国公船の侵入です。尖閣諸島でのスクランブル発進もほぼ毎日です。先方はわが国の領土を自分のものだと言って事実上の侵略行為をやっているわけですよね。

それが「日中関係が正常な状態」なのか。

明らかな敵対行為が行われている状態であり、とてもお客様として迎える状況ではありません。安倍首相は昨年末の日中首脳会談でそれらの問題に触れ、「強い懸念を表明し自制を求めた」そうですが、会談の前日も中国公船は接続海域に侵入しているし、翌日も侵入しています。先方に自制を求めたが、行動が変わっていない。

なのになぜこちらだけが譲歩して国賓として迎えなければならないのか。首相の言ってきたことと矛盾するのではないか。

論点2 中国の人権問題

2つ目の人権問題。チベット、ウイグル、香港だけじゃなくて中国国内の宗教弾圧、民主化弾圧などいっぱいあるんですけど、いま世界的に注目されているのがウイグルと香港です。

ウイグルの強制収容所に300万人ともいわれるウイグル人が収容されて、多くの人が亡くなっているということが各所の証言から明らかになっています。人権問題どころか、民族虐殺と言っても良いような状況があるわけです。

香港においても一国二制度とは名ばかりの、警察が高校生を撃ち殺し、非武装の市民に向かって発砲して死者まで出ているような状況の中で、世界的に注目されている人権蹂躙状況を、自由と民主主義と人権を重んじる国として見過ごして良いのか。

論点3 日米安保体制の問題

3つ目が日米安保の問題。現在、アメリカが「ウイグル人権法」「香港人権法」という法律を作って、中国に対して人権問題で注文をつけているわけです。それだけではなく、経済問題でも貿易戦争を仕掛けている。

とくに今年11月の大統領選に向けて米中関係はさらに緊張を増していくだろうと想定される中で、日本は米中の仲介役をする立場ではない筈です。

自由と民主主義の国、自由経済のルールを守るという立場に日本はいるわけですから、米中が争っている時に真ん中で行事役をする立場ではない。習近平を国賓で招く時にアメリカに対して誤ったメッセージを発信するという懸念があります。

どの論点から言っても国賓招聘は適当ではない、というのが私の考えです。

石井さん学生時代から政治運動を始め、過去には選挙にも出馬し、様々な活動を展開してこられました。その原点にはどのような思いがあるのでしょうか?

石井:学生時代から数えると20年にわたって運動を続けてきたわけですが、一言でいうと・・・

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石井英俊(いしい・ひでとし)国際戦略家。自由インド太平洋連盟副会長。九州大学卒業後、塾講師、経済団体職員、選挙出馬を経て、現在、アジア問題専門家として情報発信している。平成29年10月、月刊「正論」に『香港にも慰安婦像が建っている理由』発表。

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