「女性にひどいことをした野蛮な国」と誤解されている日本

戦後70年、日本は外交的敗北を重ねてきた。要求されるままに賠償金を払いつづけ、国連からは女性差別禁止条約の批准を迫られた。日本という類いまれな国家が世界から誤解を受け正しく認識されないままになっていることに、甚だしい国益と人類の叡智の毀損を見る。日本人が自国を正しく認識できていないことがその一因だ。

自分自身の体験や学びをふまえながら、日本という国の国家像、近現代史の正しい認識の共有と、日本の未来を担う子供たちへ向けた教育に関する提言を行いたい。

ポーランド人も信じた、韓国による反日宣伝

私はある大学医学部の教授秘書として研究室に勤務している。そこに、ポーランド人の大学院生がやってきた。大変嬉しく思った。卒業以来、大学で一生懸命勉強してきたポーランド語を職務に間接的にではあるが、初めて活かせる機会に恵まれたのだ。

彼はポーランド大使館の推薦を受けて、日本の文部科学省の奨学金でロボット手術の技術を学びに来た、博士課程入学を希望する工学部系の研究生だった。日本語に対する意欲も高かった。

私がかつてポーランド語を勉強していたことを伝えると、大変喜んでくれた。その彼と、私の大学のときの卒論のテーマとも関係する、第二次大戦頃のポーランドの歴史に関して話していると、気にかかることを言われた。

「ドイツだけではない。日本も悪いことをした。」

私は驚いて、日本とドイツが戦時中行ったことは全然違うので両国を比べることはナンセンスであることを指摘したが、聞き入れられなかった。

「日本政府は韓国の慰安婦に対して十分に賠償をしていない。」

とも言われ、耳を疑った。まるで韓国政府の意見そのものだった。彼曰く、インターネット上にそう書かれているし、ドイツでの修士課程時代に韓国人の女子学生からたくさん話を聞かされたのだという。

私は反論した。大戦中、売春は合法で彼らは給料をもらっていて、日本軍が強制的に連れていったのではない。そのことに関してはねつ造記事として朝日新聞社が日本で謝罪会見を行ったではないかと。彼は朝日新聞の謝罪会見のことを知らなかった。日本では当たり前のことが、海外ではまったく知られていないことに衝撃が走った。

韓国人によって建てられた「慰安婦像」

彼は日本の国費で奨学金をもらい日本に来た。日本の先端技術だけでなく、文化にも高い関心を持ち、日本語学習にも並々ならぬ意欲を持っていた。その彼が日本のことを誤解して、女性にひどいことをした野蛮な国だと思っていることが、残念でならなかった。

後日、comfort womanを検索してみると、Wikipediaに冒頭一文でSexual slavery(性奴隷)と書かれていた。日本語のページはバランスをとって書かれているのに比べ、英語やほかの言語の記事は韓国側の言説に基づいて書かれていた。日本人が書きなおしてもすぐに消されるようだ。

▽Comfort women(英語版Wikipedia)
en.wikipedia.org/wiki/Comfort_women

それからは彼と2、3通のプライベートのメールでのやり取りで歴史論争をつづけた。これがきっかけで慰安婦問題についてよく調べるようになった。父から教えてもらった、藤井厳喜氏の英語によるYouTube動画をメールで送ったときは、

「もしかしたら日本が正しいかもしれないが、国際社会に認められるまでには長い道のりだ。」

と言われた。

▽The Comfort Women Controversy : Sex Slaves or Prostitutes(藤井厳喜氏)
youtu.be/aqvMNKWOW7g

認識の差が少し縮まったように感じ、さらなる説得を試みた。

しかしIWG報告(日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や女性の組織的な奴隷化の主張を裏づける文書は発見されなかったという米政府報告書)を送ったときは逆に、

「もしIWG報告を信じるなら・・・」

という出だしで、報告の信憑性自体に疑いをかけてきた。また、元慰安婦の証言についてしきりに引用し、韓国側の主張に立ち続けた。

私は、彼との論争をあきらめた。私たちの所属する部署には東アジアからの留学生や研究者も多数在籍しており、問題なく仲良く働いていたので、論争をつづけることで、何らかの形でこの件が露見して、協力関係を崩しかねないと危惧したためだった。仕事への悪影響は避ける必要があった。

このポーランド人研究者が特別な反日というわけではない。ほかにも日本の戦時中の動きをナチスと同列に並べて批判するヨーロッパ人たちの言説を知っていた。これが現実である。自虐史観を植えつけられた日本人と同様、彼らも事実を知らないだけだが、文化的背景が異なるぶん、説得するのは余計に難しそうだ。

イギリス人の大学教授も驚いた、GHQ占領政策

しかしその後、私は大学の別の部署の、日頃身近な話題を英語で語り合うことで仲良くさせてもらっている、年配のイギリス人の大学教授ともお昼休みにこの話題について話し合う機会を得た。

彼も慰安婦の証言のことを持ちだし、韓国だけでなく、フィリピン人もそう言っていると言って当初は聞く耳を持たなかったが、元慰安婦の証言が証拠によって裏付けられていないことや、韓国は三権分立できていない不完全な民主主義国家で、政府が統治や外交の手段としてこの問題を使っていることや外国でのロビー活動を指摘すると、驚いてはいたが、黙って話に耳を傾けてくれた。

彼は日本政府が謝り続けて賠償請求にも応じていることから完全な同意を控えていたので、なぜ日本政府は戦後謝り続けてきたかという日本人の国民性からくる戦後の精神構造上の理由まで、GHQの占領政策に絡めて説明すると、さらなる関心を持ってくれた。

大きな前進に感じられた。黙っていて理解が得られることはないが、しっかり話せばわかってくれる可能性は十分あるように感じた。

主張しない日本人が問題の原因

この経験から弱い外交の原因は、日本人自身にあるように思えた。自分のことをきちんと知らずして、世界に自国はこういう国だと主張できないし、主張できなければ、誤解されたままだ。

元国会議員(当時)の杉田水脈さんが、こうした誤解を解くために国連へ赴き、それがきっかけとなり国連からの問い合わせがあり、日本政府としての公式見解を送ることができた。しかし、それでも日本の置かれた状況はいまだ少ししか改善されていない。

国連で発言する杉田水脈氏

日本国内でしっかり報道されないまま、英語圏で慰安婦像は立ち続け、クマラスワミ報告の訂正は為されず、そしてWikipediaには間違った情報が載せられたままだ。外務省はこの問題に対し、日韓合意以降、手と足を縛られている。外務省と政府だけに任せてはおけないのだ。

日本人として生まれてきた以上、この問題を他人任せにせず、自分のこととして捉える姿勢を多くの日本人が共有し、日本全体が協力しながら中国や韓国が世界中に撒き散らしている嘘を食い止めなければならない。

それができなければ、嘘がいつのまにか事実となり、為すべき施策を打たなかったことが過去と未来の自国への背信となり、自国の名誉と歴史上の「真実」の両方を失うのだから、日本にとって外交上、これほど重要な事柄がほかにあろうか。

自分には関係ないと思い、知らぬふりをするマスコミや日本人を少しでも減らして各省庁や大学、民間企業など日本人同士が連携・協力していかなければ解決することは無理ではなかろうか。

貧しさゆえに売られた日本人女性

また同時に、秀吉の時代から遊郭という楼に閉じ込められ、奴隷のような境遇を受けてきた女性たちが日本に多数いたこともまた事実である。彼女たちのなかには武士階級の出身の者もいたが、ほとんどが土地を持たない小作人、水呑み百姓の家から経済的困窮を理由に親から売られてきたのであった。

彼女たち自身に罪はないのに、借金を背負わされ、自由もなく、病気とは常に隣り合わせで、その境遇から抜け出せる幸運な例はごく一部であった。この公娼制は明治以降、各地で盛んになった廃娼運動など様々な要因から廃れつつあったものの、近代日本でもかたちを変えて存続した。

大戦間期に「慰安婦」と呼ばれた人たちのほとんどは、日本人であり、制度のルーツが近世からきているものである以上、本人の意思に依らずにその職業に就いた場合が多くを占めたのではないかと推察される。

日本が国としてもしこれからも謝り続ける必要があるとするならば、乞われるがままにある特定の国籍の女性に対してそうするのではなく、疲弊した貧しい農村から遊郭や貸座敷、慰安所にやむなく連れて来られた日本人女性たちに対し、まず、憐憫の意を表明すべきである。

志道名桜(しじ・なお)/ポーランド語を大学時代に専攻。ロンドン大学にて江戸時代の儒学者、陽明学者について学ぶ。現在は働きながら、教職科目、フランス語、ドイツ語、日本の歴史について勉強中。

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