米朝開戦前に観ておくべき日本の傑作映画『シン・ゴジラ』と『宣戦布告』

安全保障
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大野城市(福岡県)の現職市議会議員からの緊急寄稿!議員だからこそ肌身で感じる日本に迫る危機、現在進行形の「事実は小説より奇なり」とは。

時代を反映し、左から右に急カーブした『ゴジラ』

なんという皮肉だろうか。1954年、その1作目はただの特撮映画ではなく、反核のメッセージが込められた社外派のドラマとして産み出されたはずだった。事実、ことあるごとに「反核のシンボル」として、ときには「反体制の破壊神」として、サヨクの文化人たちはゴジラ・シリーズを得意気にコメンタリーしてきた。

しかし、今回、シリーズ29作目『シン・ゴジラ』(平成28年公開・東宝)にして、『エヴァンゲリオン』の庵野監督が我が国の「国防・安全保障の脆弱性と強化の必要性」を等身大のままスクリーンに映し出してくれた。

行政の中枢を極限までリアルに描くことで、「法整備の甘さ」、「縦割り行政の鈍さ」、「先例無しでの即決力のなさ」、など、有事に際して、いかに今の日本の危機対応力が危ういかを、切りとってみせてくれた。

現在の朝鮮半島情勢、尖閣諸島近海での日中対立やスプラトリー諸島における中国の軍事施設建設問題などを思うとき、奇しくも、この怪獣ゴジラを、今、東アジアを恐怖に陥れている「テロ国家北朝鮮」、そして極東の海を荒らし回っている「中国海軍という凶悪なモンスター」に投影しながらポップコーンをほおばったのは、私だけではないだろう。

第3形態のゴジラへの攻撃は土壇場で中止

劇中、法整備の甘さと、縦割り行政での初動の遅れ、先例無しでの決断力の無さが災いし、第1形態から第3形態(幼体)時に攻撃ができずに、ゴジラを海中に逃してしまう。そのせいで、ゴジラはミサイル攻撃をも跳ね返す第4形態(成体)となって関東に再上陸し、都心は灰塵に帰すことになる。

廃墟となった東京。東日本大震災に似ている。

そんな中、残された少ない手持ちの装備で必死に任務を遂行しようとする自衛隊員たちや、現場の役人たちなども描かれていて、福島での原子炉建屋への放水シーンがオーバーラップした。

必死に戦う一部の政治家と官僚たち

そして、傲慢なアメリカの思惑に翻弄されながらも、「ほんの一部」の優秀な政治家と役人と軍人(敢えて軍人と表記)たちが最後まで日本が日本であるためにもがく姿もまた、リアルだった。

「軍人」として戦う自衛官

庵野監督は徹底した「リアリズム」と、怪獣という「虚構」の矛盾した2つの成分をカプセル配合し、現代日本人の心の白紙の部分に、ストンと投薬してみせた。

壊滅する首都・東京

北朝鮮と戦うリアルな日本の『宣戦布告』

そして、映画『宣戦布告』(平成14年公開・東映)についてだが、消化不良なシーンもあるものの、怪獣ではなく、「そのまま北朝鮮」というダイレクトなタイムリーさが必見だろう。

『宣戦布告』

北朝鮮の武装ゲリラが、潜水艦で「福井県の敦賀半島」に上陸することで物語が始まるのだが、ここ連日、日本海沿岸に漂着している北朝鮮籍の船とシンクロするのは言うを及ばず、以後、続々とタイムリー過ぎるほどの映像が目に飛び込んで来るはずである。まさに「北朝鮮と我が国のいま」なのだ。

「国籍不明」の潜水艦が座礁

いくつか挙げるならば、警察の特殊部隊SATが北朝鮮部隊と交戦しようとした瞬間、新聞に「上陸ゲリラに射殺命令」とスクープされ、総理が射撃中止を決定し、SATがやられてしまうシーンは、今の愚かな新聞メディアがいかに日本を危機に陥れているかがわかるし、また、国家公安委員会の官僚が、北朝鮮の女エージェントの数年越しのハニートラップに引っかかり、機密を漏洩してしまうくだりなどは、国民が知っておくべき北朝鮮のやり口だろう。

まとめ

米朝開戦前夜と言われている今、そして我が国で憲法9条改正が発議されようとしている今こそ、観ておくべき2作品ではないだろうか?

大野城市議 井福大昌氏

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井福大昌(いふく・だいすけ)大野城市議会議員、自民党会派所属。平成27年の統一地方選挙で初当選。サラリーマン時代の経験を活かし、地元活性化に尽力するとともに、北朝鮮による拉致被害者の救出運動や憲法改正運動にも熱心に取り組む。無類の愛猫家。

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