世代別世論調査が我々に指し示すもの
私は最近、NHK世論調査の中の、世代別支持政党を興味深く見ています。下に示すのは、令和6年8月5日更新のものです。
見てお分かりの通り、60代を境目として、それより上の世代と下の世代では、全く異なる政治風景が広がっています。
具体的にいえば、与党の自由民主党も野党第一党の立憲民主党も支持率を大きく下げています。そして、大きく膨れ上がり、過半数を超え“第一党”となっているのが、いわゆる無党派層と呼ばれる「支持政党を特に持たない層」なのです。
これは推移的な現象(推移関係)ではない、と私は見ています。つまり、今の50代が、あと30年経ち80代になった時、現在の80代のようなグラフの分布になることは、私には考えにくいのです。ここに見られる世代間の意識差は不可逆的なものだでしょう。
推移関係
weblio辞書
数学における二項関係の一種。集合 X の二項関係 R が推移的であるとは、Xの任意の元 a、b、c について、a と b に R が成り立ち、b と c に R が成り立つとき、a と c にも R が成り立つことをいう。
脱昭和の刻印は、ここにも押されています。
これから先の政治状況は-新しい政党が出現する可能性への期待
では、これから先はどのような状況になって行く可能性があるのでしょうか。
一つはどの世代でも、「支持政党なし」が過半数を超える状況になるという可能性。もう一つは、この無党派層のニーズに応える政党が現れ、現在の与党と拮抗する政治状況になるという可能性です。
そして、私が現在の日本の政治に期待するのは、後者、つまり数的に政権を担えるほど、無党派層から支持を得られる政党が現れるということです。
無党派層の思いを叶える政党出現のための行動を
無党派層とは何か。一つは政治に無関心な層でしょう。無党派というよりは非政治層というべきものです。
あるいは求めていても「いまの自分たちの要望に応えてくれる政党がない」というものです。
この、「政治に無関心な層」と、「現行の政治に満足できない層」は、区別して考えなければなりません。
彼らの満たされない思いは、蓄積されて行き、大きな「集団的無意識」を形成します。これは、危険な状態です。
集団 (集合)的無意識:
コトバンク
個人の経験による無意識より深く、同じ種族や民族あるいは人類などに共通して伝えられている無意識。
お分かりと思いますが、独裁者が現れる時、あるいは革命が起こる時、彼らが利用するがこのエネルギーなのです。この膨大な心的エネルギーを、良い方向に世を動かすエネルギーとして活用して行く、つまりエネルギーに方向性を持たせることは、新しい時代へ向けての大きな課題だと思います。
複数の小政党が合従連衡を繰り返し、政党間のバランスで政策が決定され、内容の一貫性を保つことが難しい状況のままでは、それは達成困難です。
やはり一つの確定した党是・政策を有する、大きな政党が必要なのです。
出でよ、新しい日本を体現する政党。そのための議論が、これから広範に巻き起こることを期待しています。
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