選挙中に使われる専門用語をいくつかピックアップして解説。
【3バン】(さんばん)
地盤、看板、鞄のこと。地盤とは、選挙区内の支援組織、後援会組織などのこと。看板とは候補者の知名度。鞄とは、選挙や政治運動の資金のことを指す。選挙に勝つのに必要な3つの「バン」として挙げられることが多い。
【選車】(せんしゃ)
選挙カーのことを、選挙事務所内では端的に「選車」と呼ぶことが多い。通常、立候補者の名前の看板とスピーカーが搭載されている。これに対し、「比例車」「政党車」などという、主に政党名を大きく記載した選挙カーもあるので、区別する。「戦車」ではない。
【候補】(こうほ)
立候補者のことを選挙事務所では端的に「候補」と呼ぶことが多い。「うちの候補は云々」というふうに使う。候補者に呼びかける時も名前は呼ばず、「候補!」と呼んだりする。
【朝立ち】(あさだち)
朝の通勤時間帯に、駅前などの交通量の多い場所に立って、チラシを配ったり挨拶したりすること。駅立ち、とも言う。夕方に行う場合は、夕立ち。拡声器を使った選挙運動は午前8時から午後8時までに制限されているが、拡声器を使わなければ、それ以外の時間も可能。
【選管】(せんかん)
選挙管理委員会の略称。戦艦ではない。立候補の届出をする前に、届出書類などの
事前審査を行うため、陣営スタッフは何度も選管に行くことになる。選挙運動に関して選管に問い合わせることも多い。なお、選挙が近づくと、選管の職員は休日返上で働く。
【証紙貼り】(しょうしはり)
選挙期間中に配布できるチラシには、枚数に制限がある。そのため、配布するチラシには選管にもらった「証紙」というシールを貼らなくてはならない。選挙によって枚数上限は異なるが、数万枚のチラシに切手大くらいのシールを貼ることになる。実に地味で、気の遠くなる作業だ。
【調査書】(ちょうさしょ)
候補者の経歴を詳しく記載する書類で、報道機関が候補者陣営に記入を依頼する。候補者の住所や家族構成、特技や趣味を書く欄もある。報道各社書式が異なり、同じような内容だが1社ずつ記入する必要がある。誤記があってはいけないので、全ての調査書に記入するのも大仕事である。報道各社はこの調査書に基づいて、候補者を紹介する。
【来る看板】(きたる・かんばん)
「◯◯党首、◯月◯日、◯◯駅前に来る!」などと書かれた看板。捨て看板、捨てカン」などと呼ぶこともある。有名な政治家が応援演説に来る際に、集客のために電柱や街路樹に一時的に設置する。最近は需要が減って、制作できる工場が減っているらしい。