令和5年6月16日、参院でLGBT理解増進法が賛成多数により可決され、成立した。衆院同様、自公維国が賛成し、立共社れが反対。また、自民党保守派の青山繁晴氏・和田政宗氏と、前参院議長の山東昭子氏が採決を棄権した。同法は30日以内に公布施行される。
自民党の和田政宗参院議員は自身のTwitterで「退席は、数多くの国民の声、自民党員の声、自民党支持者の声を受け止めた結果です。国民のこと、そして、自民党のことを考え行動いたしました」とコメントしている。衆院では高鳥修一氏と杉田水脈氏が同じく棄権した。
LGBT法を巡っては自民を支持する保守層が激しく反発しており、作家の百田尚樹氏は「もし法案が成立したら、保守新党を立ち上げる」と述べていた。棄権した自民党の一部保守派は、これら保守層の反発を踏まえたものだ。
同16日、立民は衆院に内閣不信任案を提出。しかし岸田首相は「今国会では衆院解散は行わない」と断言している。解散総選挙は来年9月の自民党総裁選前に実施される公算が高く、今秋の臨時国会と来年の通常国会で総選挙へ向けた駆け引きが激化しそうだ。
岸田首相は就任時に任期中の憲法改正を公約しており、保守派とのしこりを解消すべく改憲の国会発議へ向けて一気に舵を切る可能性もある。
追記
LGBT法案に懸念を表明していた自民党の小野田紀美参院議員は16日、自身のTwitterで「酷すぎるやり方とはいえ党内審査を通ってしまった。止めるだけの力が私になかった。それはどう言い訳しようが事実であり、採決においては、負けたという事実と罪を背負って採決に応じる。罪から逃げない。というのが私の筋の通し方です」とコメントした。
14日には「ほいほい造反していたら政党の体をなしません。万が一通った場合はその後決めるガイドライン等でキャップかけるように引き続き党内で戦うしか無いです」と述べ、採決では賛成する意向を示していた。
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