【寄稿】タリバン復権後も必要なアフガン支援とは

タリバン政権の復権により、アフガニスタンが頻繁にニュースで取り上げられるようになった。そこで、アフガニスタンの現状と支援について述べる。

タリバンとは何か

アフガニスタンは1979年末のソ連侵攻以降、混乱状況にある。タリバンがアフガニスタンを支配したのは1990年代後半であり以降アフガニスタンで影響力を保持し続けた。

そもそも、タリバン結成の目的は「内戦の終結」「治安の回復とイスラム法に基づいたイスラム体制の確立」とされている。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロをもって、アフガニスタンという国は有名になったのだが、長年にわたって国際テロ組織であるアルカイダを匿っていた背景があった。

米国家テロ対策センター(NCTC)は、「タリバンはアルカイダがテロリストを訓練したりできる拠点を提供していた」とし、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領の主導のもと、有志連合軍がアルカイダの撲滅を目的に同年10月にアフガニスタンへ攻撃を開始し、同時にタリバンを権力の座から追放した。

以降米軍はアフガニスタンに駐留し続け、同時にアフガニスタンに対する支援も注目されるようになった。しかしアメリカによる攻撃はタリバンの反米意識を過剰に高め、今回の米軍の撤退と同時にタリバン政権の「復活」につながった。

荒廃するアフガニスタン

アフガニスタンは1979年から今日まで安定することなく、またアフガン難民の帰還の動きは大方の予想で2002年には約180万人、2003年の終わりまでの二年間で国内避難民をあわせて約300万人が故郷へ帰ったといわれている。

紛争で荒れ果て、紛争中に地雷で使えなくなった田畑、紛争中に毒がもられ破壊された水路、泥と土だけになった家屋、という悲惨な状況であった。どう援助するかが課題であり、ここ20年以上の間、各国は人道支援に重きを置いていた。

とにかく現地のニーズにあった適切な支援をしなくてはならないといえる。アフガニスタンでは、目に見えるインフラよりも、人間の技術、維持管理能力、社会の統治制度や機能など、目に見えないものの破壊も大きいとされている。

さらに、アフガニスタンの保健状況を示す指標は悲惨であり、平均寿命は43歳である。

アフガニスタン保健省、国連児童基金(ユニセフ)と米国厚生省疾病管理・予防センター(Center for Disease Control:CDC)が2002年夏共同で行った調査によれば、妊産婦死亡率の平均は出生10万人あたり約1600人であったそうである。

CDCは、2020年以降のCOVID-19に関連してよく耳にした機関でもある。

子どもや女性に皺寄せ

また、アフガニスタンでは毎日約800人の子どもが予防・治療可能な病気によって亡くなっている。

アフガニスタンの保健状況は世界的に最も悪い水準である。紛争によって、保健医療サービス、教育、その他社会システムが崩壊してしまった。農村部ではさらに環境は劣悪である。

NGOの役割も大きく、例えば、故・中村哲さんの「ペシャワール会」はパキスタン・アフガニスタン現地事業体(診察所・農業・灌漑・PMS方式取水技術の普及活動)の支援をしていた。

2002年のユニセフ発表では男女ともに非識字率は90%、国連本部発表では93%となっていた。初等教育への就学も男児が39%、女子が3%と低い。幼稚園の教師が非識字者であることも多い状況であった。

親たちが子どもたちを学校に通わせない理由として「安全への不安」「学校への距離」「学校施設の未整備」などが挙げられている。

また、インフラ、教育、保健以外に「女性の地位の向上と国家建設への参画」も重要な復興・開発支援であるとされる。

特に知的障がいに関する教育は進んでいない状況で、良い教育のためのカリキュラム制定も欠かせない。

国際社会の責務

アフガニスタンを「銃治国家」から「法治国家」にするために、平和構築、貧困問題、教育の改善、経済開発、衛生、地雷の除去、難民の帰還促進をする必要があり、解決すべき課題は多い。

加えて、アフガニスタンという国自体がタリバン政権によって「過激派のための隠れ場所」とならないためにも、これまでの社会課題、とりわけ人権及び人道的危機の悪化を防ぐべく、「国際支援」について見直す必要がありそうだ。

Deacon/大学院(国際開発)にて紛争と教育、インクルーシブ教育、国際比較教育について学ぶ。現在は国際協力系の仕事に携わる。

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