福岡県知事選挙、前副知事の服部氏に当確 問われる手腕

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令和3年4月11日、福岡県知事選挙が実施され、即日開票された。NHKが出口調査などに基づき、前副知事の服部誠太郎氏を当選確実とした。

服部氏は福岡県北九州市出身。県立小倉高校、中央大学法学部を卒業後、昭和52年に福岡県庁に入庁した。平成23年に副知事に就任。令和3年3月に副知事を辞任して県知事選に立候補した。

これまで福岡県知事選挙は統一地方選挙に合わせて実施されてきた。今回の県知事選の本命は服部候補であり、対抗馬は日本共産党が支持する候補者しかおらず、低投票率が見込まれた。

服部候補は自民党、立憲民主党、公明党、社民党が推薦、国民民主党も支援を表明。共産党を除く与野党相乗り候補だった。自民党内には別の候補者を擁立する動きもあったが、最終的に分裂選挙は回避された。

福岡県に限らず、地方の知事は地方行政を管轄する旧自治省(現在の総務省)など、中央官庁出身者が就任するケースが多い。現職の小川洋知事は通産省(現在の経産省)出身だった。

今回、県庁生え抜きの元職員が県知事になったことは、地方分権を推進する上で大きな意味を持つといって良いだろう。実際、自民党の一部国会議員が推した官僚OBの候補者を地方議員らが拒絶し、「地元の意地」を示したといえる。

しかし一般の福岡県民にとっては、これまで顔も名前も知らなかった県庁職員が突如「福岡の顔」になることに戸惑いが隠せない、というのが実情だ。

驚くべきことに服部氏は選挙までに公式サイトを開設せず、公約は選挙広報のみでしか示されていない。その選挙広報の内容も、いかにも総花的で個性がない。おそらくは小川県政で既に決定していることを羅列しただけだろう。

共産を除く与野党相乗りで県議らが服部氏を推した事実は、議会側が副知事としての実績を評価したということに他ならない。その能力が県知事としても発揮できるのか、今後の手腕が問われる。

服部新知事に一つ注文するとすれば、2年後の統一地方選挙に合わせて一旦辞任して選挙にかかる公費を節約するとともに、投票率アップを図るべき、ということだ。

追記

令和3年4月に実施された福岡県知事選挙の投票率は29・61%で、過去最低だった。

本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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