今年、Twitterで「#もともと残酷で有名だった」というキーワードがトレンド1位になった。このバズワードを生み出したのは人気ブロガーとしても著名な小坪慎也市議(行橋市)である。
過去にも左翼から市議会に名指しでテロ予告を受けたり、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の自治体庁舎内押し売り問題を告発して全国に波及するなど、何かと話題が尽きない議員だ。
この人のパワーの源はいったい何なのかを探るべく、単独インタビューに臨んだ。
小坪慎也市議(行橋市)インタビュー
聞き手:『選報日本』編集主幹 本山貴春
Q.Twitterトレンド1位、おめでとうございます。きっかけは何だったのですか?
ありがとうございます。トレンド1位は正直嬉しかったです。
発端は「余命三年時事日記」というブログです。このブログ運営者(以下、余命さん)が左派色の強い弁護士などへの懲戒請求を弁護士会に行い、大騒動になっておりました。
そこで、「義を見てせざるは勇なきなり」では無いのですが、応援したいと思いました。活動方法や考え方には差異もあると思いますが、同じ保守陣営であるとの認識ゆえです。
私はこの余命さんと個人的に付き合いがあるわけではありませんし、懲戒請求を複数名で行うという手法に賛同しているわけではありませんが、保守系ブロガーどうし助け合うべきだと。しかし余命さんのことが嫌いな保守系ネットユーザーも存在し、彼らから攻撃を受けるようになりました。
どうやら、私が議員だから、良い子ちゃんだと思ってる方々がいる。
それは誤解です。経歴を隠しておらず、元走り屋。70台を誇るチームの頭で、基本的に組織戦闘を好む。圧倒的な戦力で、敵対勢力を焼き払う。譲歩はない、躊躇もない、示談も許しもない。
もともと「残酷」で有名だった。
— 小坪慎也@トレンド1位 (@kotsubo48) 2018年4月27日
私は将来のネット選挙において、著名な保守系インフルエンサー(ブロガーなど)の連携を図って行きたいという考えを持っていて、余命さんにもその一環で挨拶に行っただけなのです。
それだけで、勘違いしたアンチ余命の人々から私が「懲戒請求」の主犯格に祭り上げられてしまいました。実際には、懲戒請求が実際に呼びかけれた際に、私が賛同したり拡散協力などした事実はありません。
猛攻と言いますか、ネット上でもアンチ余命の方々(主に左派と、アンチ余命の保守)らに非常に粘着されました。その際にTwitterにて「もともと残酷で有名だった」と書き込んだらたちまち「ネタ化」して、大手企業や著名人のアカウントまで悪ノリしてくるお祭り騒ぎになってしまいました。
嘘偽りのない体重を表示するマシーン
— 株式会社タニタ (@TANITAofficial) 2018年4月30日
風邪で休んだ子の家にプリントと給食のパンを届けに行くとき、パンは自分で食べてしまった。#もともと残酷で有名だった
— 香山リカ (@rkayama) 2018年4月29日
Q.その後、余命さんの「懲戒請求」はどうなったのですか?
その頃、余命さんに賛同して一緒に懲戒請求を行った人々の個人情報を、懲戒対象の弁護士が日本弁護士連合会(日弁連)から得て、かつ訴訟に流用するという事件が起こりました。
懲戒請求は、弁護士会という組織に対して行われるもので、懲戒請求を行った方は懲戒請求を目的に個人情報を「会という組織」に提供しているのです。弁護士個人に提供したものではなく、懲戒請求者に対し、弁護士個人が訴訟を起こすとなれば、(会に提供された)個人情報の目的外利用であり、問題があると感じました。
市長のリコールに署名したら、市長が署名者に訴訟を起こすようなもので、公権力である三権の一つを構成する弁護士の振舞いとして、道義的な問題も感じました。そこで私は、日弁連に対してそのような個人情報の提供を行っているのか問い合わせを行ったのです。
実は弁護士会以外の士業会にも懲戒請求制度があり、同様の質問を行いました。ほとんど全ての士業会では「守秘義務があるので個人情報の提供は行わない」という回答だったのですが、驚くべきことに日弁連は「個人情報を提供している」と回答してきたのです。
懲戒請求を受けた弁護士は、余命さんが呼びかけた懲戒請求を「濫請求」と呼び、これを業務妨害であるとして請求者を逆に裁判所に訴えるとし、そのための寄付金まで集めています。しかし何故か未だに訴訟は提起されていません。
おそらく、業務妨害を受けたといえるほどの実際的負担は無かったのだと思われます。また、他の士業会が「提供を行っていない」とか「訴訟への流用について否定的な考え」を公式に回答したことで、形勢が不利になったからではないでしょうか。
とはいえ、寄付金を集めた手前、訴訟を起こさねば詐欺という指摘も可能かと思います。一般市民ではなく、弁護士という訴訟のプロが、訴訟を目的に金銭を集めて、実際に訴訟を起こさないのであれば問題でしょう。今回の騒動はここで止まっていますが、私としてやることはここまでかな、と考えています。
当該個々人、弁護士それぞれに言及することは政治家としてはつつしんできましたが、全体の組織運用や法解釈などの疑問を質していくのは政治家の責務であると考えるためです。
業会全体の議論は可能ですが、一社一社の利益追求に近い部分となれば、政治家は介入すべきではないと考えています。ゆえに、組織論全般の結論を優先して、実務対応を行いました。
(全3回/つづく)
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小坪慎也(こつぼ・しんや)/昭和53年福岡県生まれ。九州工業大学工学部卒。平成24年、行橋市議会議員に初当選し現職。全国区の保守活動家として活躍。ブロガーとしても著名で、最大値で年間アクセス2億PVを稼ぎだす。ロビイストとして、国会議員への陳情は最大時で70事務所以上。持ち前のフットワークの軽さと実行力から、全国に活動家仲間・地方議員仲間が多い。平成30年から救う会福岡副代表。