【詳報】行橋市議による市有地不法占拠を巡る議会答弁

政治
この記事は約4分で読めます。

令和元年9月11日に行われた行橋市議会における「行橋市議による市有地の不法占拠」に関する一般質疑の模様を一部掲載する。なお、正式な議事録は後日同市により公開される。

質問者(下記枠内)は小坪慎也議員。

行橋市議による私有地の不法占拠はあったのか?

小森総務部長「平成27年の区画整理完了後から畑として使われている。顧問弁護士は不法な占有と」
松本副市長「顧問弁護士の判断で現場においては不法占拠という見解」

市議による占有か?

小森総務部長「市議かは答弁できないが、個人によって占有されている」
田中市長「近隣の市民より通報があった。公有地に肥料が撒かれて異臭がするというクレーム。(畑の)所有者を探したところ市議だった。市有地として近隣住民に迷惑を及ぼす行為を放置できない」

市が管理すべきものを放置しているのは問題。個人情報の問題もあるが、市の責任を問うのが議会の役割。市は市民の方を向いているのか。これまでの経緯を問う。

和田都市整備部長「20−27年度まで土地区画整備事業を行った。その中に問題の土地がある。道路河川を整備し、宅地の整備を図るもの。売却予定地としていたが、隣接地の所有者と売買交渉が不調。平成23年以降で、いつから不法占有が始まったかは不明」

公有地の管理はどうなっているのか。税金は市民が執行部に託しているもの。議会は執行部の仕事をチェックしている。区画整理は市民に負担を強いる事業。いつから占有されているかわからないのはおかしい。特定の議員に忖度しているように見えたら市民の信頼は得られない。行政は議員に弱いと見られて良いのか。徴税権はすごい強制力で重たい権利。今後も調査するのか?

和田都市整備部長「引き続き調査する」

いまだに公有地なので税金がかからず、追徴課税できない。本来の課税額はいくらになるのか。仮定としての賃借料はいくらか

穴繁市民部長「民有地として本来課税すべきだった税額は、平成31年度は14,800円程度」
池永総務部参事「賃借契約を行っていれば44,400円」

人口増の起爆剤となる重要な地域の割には安い。評価額が低いのは袋地になっているからでは。課税する思いはあるのか?

穴繁市民部長「あくまで公有地なので税金はかけられない」

課税から除外されてしまう。畑として使用されている。市民の理解は得られない。こんなことを議会で問うのは恥ずかしい。市民からそういう目で見られる。行政は誇りと威厳を持て。行政財産をちゃんと管理せよ。市長は謝罪を。

田中市長「まことにごもっとも。異論はない。市民の通報で知ったことも職務怠慢で失態。管理不行届。市民に陳謝する」

結果として課税を免れている。チェック機能は機能していたのか。市長の謝罪は重い。区画整理で土地を供出した市民は損失。出て行ってもらった住民もいる。区画整理は痛みを伴う。

和田都市整備部長「今でも保留地はいくつか残っている。事業は終了しているが、土地の処分は終わっていない。不法占有の認識不足については申し訳なかった」

市民はお金を払って行政に協力した。謝罪だけでは済まない。市長自らの処分は?

市長「自ら処分する方向で検討する」

議会に調査委員会を設置したい。今後の業務は?

鶴市長公室長「不適切な公有地管理について地域住民にお詫びする。市長の処分についても事実関係を精査して対応していく」

職員を罰するのではなく、市民の信頼回復を図ってほしい。

鶴市長公室長「今後このようなことがないようにしていく」

議会の賛否は市民の意思と同義。当局には提案権と執行権しかない。決定するのは議会。二元代表制の誇りを持ってこの場にいる。議員としてもきっちりとした仕事をしたい。(市と議会は)敵ではなくパートナーであるべき。癒着も、行き過ぎた忖度もあってはいけない。区画整備は20年前の事業。いつ終わるのか。(執行部提案の)議案は税金の塊。税を納めていない者が議決をやっていると市民は思う。だから厳しく言った。

(文責・『選報日本』編集部)

▽行橋市議会によって動画が公開された

[clink url=”https://www.sejp.net/archives/3983″]
[clink url=”https://www.sejp.net/archives/4042″]

タイトルとURLをコピーしました