まもなく開始される衆議院議員総選挙の最大の意義は、「保守2大政党」の時代が到来することだ。わが国は長らく「55年体制」という「自民党対社会党」の2大政党体制下にあった。
55年体制が終焉するかに見えた細川政権時代、日本新党から新進党に至る政党の離合集散はコップの中の嵐に過ぎず、自社さ連立世間という異様な政権を誕生させ、その後に民主党が誕生して政権を握るも、期待倒れに終わる。
野に下った民主党(民進党)は「かつての社会党」化して、55年体制が終わっていなかったことを明らかにした。
そのような中、国際情勢はわが国の「惰眠」を許さなかった。
三代目の独裁者に引き継がれた北朝鮮はますます暴走し、日本列島に住む平和の民を脅かした。そんな時代の空気をつかんだ小池都知事は新党を結成し、新しい民進党代表の前原氏に革新派の一掃を持ちかける。
その結果、誕生したのが「希望の党」だ。
希望の党の最大の公約が「消費増税凍結」であることは偶然では無い。そもそも、増税したくなかった安倍政権がなぜ増税を飲まざるを得なかったのか。要するに、金融緩和したく無い財務官僚に押し切られたのだ。
二度にわたって増税延期した安倍政権を潰すために、財務官僚は「モリカケ騒動」を惹起し、世論頼みの安倍政権を足元から揺さぶった。北朝鮮危機が迫っている中、世論の「信任」を得て野党や官僚を抑えるために、安倍政権は解散に踏み切る。
官僚支配に従属していた民進党の存在こそが最大の「国難」だった。小池都知事が新党を結成し、民進党を飲み込み、しかも民進党左派という日本の癌を切除するという大技が成功するかどうかは、国民の審判にかかっている。
希望の党の躍進によって、戦後体制打破に道が拓ける。変節した個々の民進党系議員の問題は本質では無い。日本政治をより高次元の位置に引き上げ、日本を「世界から頼りにされる国」にできるかどうか、国民の意思にかかっているのだ。
大手マスメディアは小池旋風の「失速」を伝えるが、彼らこそ戦後体制の擁護者であることを忘れてはならない。
本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。