ウイグル問題を小坪慎也市議に聞く【前編】21世紀版「命のビザ」

ウイグル人の人権問題に取り組む「ウイグルを応援する全国地方議員の会」が目覚ましい成果を挙げている。

先の国会において対中非難決議が見送られた中、全国各地の地方議会では意見書などが次々に採択され、さらに地方議員の会として上川法務大臣に対し在日ウイグル人の保護を求め、前向きなコメントを引き出した。

今回は、同会幹事長である小坪慎也氏(福岡県行橋市議)にオンライン・インタビューを行い、日本におけるウイグル運動の展望を聞いた。

▽インタビューの模様は動画でもご覧いただけます。
youtu.be/TYf1i_8mAE8

文責:選報日本/編集主幹 本山貴春

Q.ウイグルを応援する全国地方議員の会について教えてください

この会は、主に地方議会における正副議長経験者など、実力派の地方議員をスカウトして構成している。だからこそ意見書採択なども通しやすい。保守系の運動では珍しいが、国会議員連盟に付属するのではなく、協力しつつ独立して運動している。

この運動に参加することについて、地方議員としてのメリットは無い。私自身、人間関係があって参加した。もともと丸山治章会長(逗子市議会議長)が長くウイグル運動に取り組んでいた。私が参加したのは丸山会長への恩返しだった。

丸山会長と私の運動目的は違っていて、私は「対中国牽制」の一環と考えている。このことは日本ウイグル協会にも明確に伝えている。一方、丸山会長は「憲法第1条に基づく行為」と言っている。アジアの平和と安定を願う陛下の大御心に沿うため、ということだ。

5年くらい前から丸山会長が一人の地方議員として在日ウイグル人の「証言集会」を始め、続けてきた。当時はウイグル問題が全く注目されておらず、国会議員連盟も活動休止していた。そんな中、続けたからこそ日本ウイグル協会とも信頼関係ができている。

Q.在日ウイグル人が抱えている問題は?

一つは、日本国内でウイグル問題が知られていないこと。この背景には、在日ウイグル人がなかなか身分(ウイグル人であること)を明かせないという事情があった。

また、在日ウイグル人内部にも問題があって、一部で下克上のようなことが起こった。組織に変遷があり、現在は民主的な手続きに基づいて国内最大のウイグル人団体である日本ウイグル協会が運営されている。

在日ウイグル人は日本国内でも身の危険を感じている。勤務先(日本企業)から中国への出向を命じられることもあった。その結果、日本に戻れなくなり、音信不通になったウイグル人もいる。

企業や行政に働きかけるためにも、証言集会は議員が行う必要があった。さらに、在日ウイグル人の様々な生活相談も受けている。就職相談や、ご近所トラブルにも対応している。

特にコロナ禍での就職相談が深刻だった。ウイグル人留学生は留学ビザで日本に滞在している。留学生の親としては、子供を中国国外に逃す目的があった。しかし留学ビザは卒業とともに失効する。就職できないと不法滞在となり、強制送還の対象になる。

コロナ禍で日本人すら就職先がないのに、ウイグル人の就職先を見つけるのは大変だった。しかも、専門学校生などは学んだ分野での就職でしか就労ビザを得られない。しかし帰国させれば処刑される。

そんなことになれば国際社会に非難され、日本の国益を害することになる。

そこで地方行政に様々な働きかけを行なったが、ウイグル人は中国国籍であり、難民指定も受けていないので行政側は判別できない。そこで、ウイグル出身者を行政が判別できるようにする必要がある。

Q.上川陽子法務大臣に要請を行った際の反応は?

ウイグル出身者をガザ地区(イスラエルのパレスチナ人)出身者のように在留カードで判別できるよう、入管難民法の政令改正を行うことを現職の法務大臣に要請した。直ちに改正するという回答は得られなかったが、一定の成果はあった。

法務省としては、「帰国後ただちに不利益となる場合は弾力的に対応している」との見解。しかし、当の在日ウイグル人が「弾力的対応をとってもらえる」ことを知らない場合も多い。専門学校を出ただけのウイグル人は漢字も読めない場合がある。

救済策があると言っても、実態が伴っていない。そのことを示す事例を複数、大臣に提示した。すると大臣から「各学校や就職活動の場において、救済策があることの周知徹底を行いたい」とのコメントを引き出すことができた。

私たちは在日ウイグル人から直接話を聞き、彼らの人生を預かっているからこそ、こんかい国を動かすことができた。

入管難民法の政令改正については、国会議員連盟に協力をお願いして、引き続き働きかけを行なっていく。

(後編に続く)

▽インタビューの模様は動画でもご覧いただけます。
youtu.be/TYf1i_8mAE8

▽ウイグルを応援する全国地方議員の会
for-uyghur.jp

小坪慎也(こつぼ・しんや)/昭和53年福岡県生まれ。九州工業大学工学部卒。平成24年、行橋市議会議員に初当選し現職。全国区の保守活動家として活躍。ブロガーとしても著名で、最大値で年間アクセス2億PVを稼ぎだす。ロビイストとして、国会議員への陳情は最大時で70事務所以上。持ち前のフットワークの軽さと実行力から、全国に活動家仲間・地方議員仲間が多い。救う会福岡副代表。ウイグルを応援する全国地方議員の会幹事長。



コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 石井英俊名誉編集長の辞任について
  2. 「コロナ不況を生き残れ」フリーランス向け支援【動画あり】

公式SNSで配信情報をお届け!

twitter

facebook

Instagram

youtube
PAGE TOP