令和7年6月27日、「ニュースサイトハンター」と称するウェブメディアによって私および私が代表社員を務める会社(合同会社独立社パブリック・リレーションズ、以下弊社)がいわれなき批判を受けました。
記事は「国民民主党福岡県連の複数陣営、同じ出納責任者の会社に選挙公営対象物を発注|問われる選挙ビジネスの是非」(以下、本件記事)と題するものですが、記者からの質問に対しては当日中に回答したにも関わらず、弊社からの回答内容は一切本件記事に反映されていない点、会社として厳重に抗議し、謝罪を求めたところです。
本稿は本件記事の論旨につき、言論によって逐次反駁するものです。
ハンターが取材対象にしたのは、昨年10月に行われた衆議院選挙で福岡4区から立候補して落選し比例復活で初当選した許斐亮太郎議員、23年の福岡市議会議員選挙で西区選挙区から立候補し落選した松本玲子氏、今年1月の北九州市議選で小倉北区選挙区から立候補し初当選した宇都宮亮氏ら3人に対する選挙公営の実態。三つの選挙では、福岡市内に本社を置く会社の代表者であるM氏が「出納責任者」を務めていた。
ニュースサイトハンター
上記で「福岡市内に本社を置く会社」とあるのは「合同会社独立社パブリック・リレーションズ」であり、「代表者であるM氏」は私のことを指します。なぜ名前を伏せて記事にしたのか不明ですが、政治団体や選挙の収支報告は公開されており、弊社と私を名指ししているも同然です。
また、すでにメールで指摘しましたが、私は許斐亮太郎衆院議員(当時、候補者)の出納責任者は務めておりません。さらに、松本怜子氏の氏名表記も間違っていることを指摘しましたが、反映されておらず、記者がメールの確認を待たずに記事を公開したことは明らかです。「ニュースサイト」としては非常に杜撰であることがわかります。
通常は、それぞれの陣営の関係者が就任する「出納責任者」を、外部の、しかも同一人物が務めるというのは異例。それだけでも興味を引くが、候補者側が、出納責任者の会社に選挙公営の対象となっている陣営の印刷物等を満額発注しているとすれば、「発注金額は妥当なのか?」「公金利用の選挙ビジネスか?」といった疑念を抱かれるのは当然だ。出納責任者が発注権限を有していれば、疑念はさらに増す。
ニュースサイトハンター
何をもって「異例」とするのか不明です。また、出納責任者が発注権限を持っているということはありません。選挙公営に関する契約は業者と候補者の間で締結します。出納責任者ではありません。なお、私が候補者2名の出納責任者を務めたのは個人的な政治心情に基づく純然たる無償奉仕であり、経営する会社との選挙公営にかかる取引とは無関係です。「疑念はさらに増す」とは、憶測に基づく単なる邪推です。
選挙公営における満額請求が、ただちに違法というわけではない。しかし、不必要な金額を水増ししたり、後援会活動に使用した他の印刷物の代金をポスターなどの公営対象の中に紛れ込ませて詐取するなど悪質なケースが存在するのも事実。そうした場合の大半が「満額請求」となっている。
ニュースサイトハンター
通常、立候補届出に際しては選挙管理委員会に書類を提出する「事前審査」を受けます。その際、契約金額の内訳を含む見積書の提示を求められる場合があり、弊社は自社の基準に従って積算し、見積書を作成しております。その際、減額することはあっても「水増し」することはありません。
「後援会活動に使用した他の印刷物の代金をポスターなどの公営対象の中に紛れ込ませて詐取するなど悪質なケースが存在する」とありますが、後援会活動における印刷物等の請求は別途適正に行っており、弊社については該当しません。これらは政治団体の収支についても公開されております。
選挙ポスターやビラなどが対象となる公費助成を巡るトラブルは後を絶たず、全国各地で住民監査請求や訴訟が相次いできた。制度の抜け穴を利用した手法は一見合法ともとれるが、水増し請求が認められれば公金を詐取したとして詐欺罪で立件される場合もある。
ニュースサイトハンター
選挙公営制度は、「お金のかからない選挙のため、また、候補者間の選挙運動の機会均等を図るために採用されている制度」(総務省)です。弊社及び候補者が選挙公営制度を利用することは「制度の抜け穴を利用した手法」でもなければ、「公金詐取」でもありません。一般論のように見せかけて、悪印象を流布するのは卑劣な筆法です。
本稿における国民民主党福岡県連の候補者たちのポスター代などは、いずれも「満額請求」。褒められた話ではあるまい。「103万円の壁の引き上げ」――つまりは減税――を訴えて躍進した政党の候補者が、公費支出を抑える努力をしていない点も矛盾していると言うしかない。
ニュースサイトハンター
繰り返しますが、弊社は選挙公営に関わらず、いずれも適正に価格を提示し、各クライアントと契約を締結しております。それが公費支出を伴うものであっても、値引きすることはあれ、「水増し」するということは断じてありません。
「減税――を訴えて躍進した政党の候補者が、公費支出を抑える努力をしていない点も矛盾」とありますが、候補者が業者に対して過剰に減額を要求するようなことがあれば、むしろその方が問題です。
取材を進める中、ある同党の関係者から次のような証言を得た。
ニュースサイトハンター
「私は、Mさんから『自分を出納責任者にしてポスターなどの発注を任せてくれれば、ただで選挙を手伝ってあげる』と誘われました。ですが、胡散臭いと感じて断りました。Mさんの動きに異を唱えるのは難しい状況でしたが……。(後略)」
本件記事において最も問題のある文章です。
私は候補予定者に対し『自分を出納責任者にしてポスターなどの発注を任せてくれれば、ただで選挙を手伝ってあげる』などと発言したことは一度もありません。特に「出納責任者にしてくれ」などと発言することは絶対にあり得ません。
「…と誘われました。ですが、胡散臭いと感じて断りました」という箇所も、この「証言」の信憑性を低下させる記述です。私は、だれかれ構わず仕事を申し出ることはしません。弊社の場合、同時期の選挙で複数の選挙を受け持つのは困難ですから、弊社から断ることはあっても、断られたことは過去ありません。
出納責任者就任と選挙公営の対象物発注がセットになっているとすれば、“選挙ビジネス”を疑わざるを得ない。
ニュースサイトハンター
許斐代議士の例が示す通り、出納責任者就任と発注はセットではありません。繰り返しますが、私が市議選の2陣営で出納責任者を務めたのは個人的な善意によるものであり、選挙公営に関する会社との契約とは無関係です。新人の2陣営にはスタッフが不足していたため、義侠心から買って出たのです。
証言を基に政治資金収支報告書を確認したところ、同党県連は2022年と23年に、M氏の会社に以下の印刷物を発注していた。県連自体が、M氏の会社と関係を有してる証左だ。
ニュースサイトハンター
弊社は確かにご指摘のクライアントと取引を行っておりますが、全て適法適切に処理しており、批判される謂れはありません。
26日、M氏に三つの選挙で出納責任者を務めていたことの確認を求めたところ、「覚えてはないですけど」。公営対象物の発注先について“M氏の会社で間違いないか”と聞いたところで「口頭で聞かれても困ります。詳細は確認しないと分からない。メールで質問内容を送らなければ答えない」として即答を避けた。「明日配信予定」との通告には憤然とし、「知ったこっちゃない」と返された。衆院選は昨年の10月、北九州市議選は今年の1月だ。本当に出納責任者に就任したことや、自身の会社が受けた仕事についての記憶が定かでないないというのか?(後略)
ニュースサイトハンター
これは会社からの抗議文でも指摘しましたが、私がハンターの中願寺純則氏と電話で話したのが6月26日の16時31分、メールを受信したのが同日17時1分、返信したのが同日23時3分です。にも関わらず、質問内容についての誤りは記事に一切反映されないまま翌朝公開されました。
実際、私が許斐亮太郎代議士の出納責任者を務めたという記憶はなく、当時の選対関係者に確認する必要がありました。その結果、中願寺純則氏の質問に誤りがあることが判明しております。
中願寺純則氏の電話での質問は非常に暴力的で威圧的なものに感じました。自社の一方的な都合で「明日配信するからいま口頭で答えろ」というのはあまりにも乱暴です。この「取材」姿勢も強く批判させていただきます。
弊社はクライアントに広報代行サービスを提供する事業者です。クライアントに関わる問題を、確認もせずに口頭で答えるということはあり得ません。中願寺純則氏は電話で「公費に関わる問題なんだから丁寧に対応しろ」と言ってきましたが、「丁寧に回答するのでメールをくれ」と答えました。そのメールを無視するとはどういう魂胆ですか?(この点は、後に中願寺氏からメールを確認できていなかったと申し出がありましたので、信じます)
以上、お読みいただけば分かるとおり、「ハンター」はニュースサイトと呼ぶにも値しないウェブメディアです。このような、虚構を交えた誹謗中傷記事を発信した目的は不明ですが、参院選に絡んでインプレッションを稼ぎたいのだと思われてもおかしくありません。まさにインプレゾンビです。
以上、ここに言論によって明確に反駁いたします。
▽参考:合同会社独立社パブリック・リレーションズから株式会社ハンターへの抗議文
https://dokuritsusha.sejp.net/r70627/
6/27 21:50 追記
株式会社ハンターより、記事の一部について「お詫びと訂正」を行う申し出があり、本件記事に追記されました。但し、その他の論旨については引き続き対処を検討して参ります。
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