和歌山市議会で会派要件変更、少数派排除が目的か

和歌山市議会が会派の結成要件を変更する方針を固めたことが関係者への取材で明らかとなった。これまでは2人以上の議員で会派を結成することができたが、6月定例会から会派要件を4人以上の議員にするというのである。

会派とは議会内で活動をともにする議員グループのことをいう。国会では衆議院・参議院ともに2人以上の議員で会派を結成することができる。

他の地方議会においても、国会と同様に2人以上の議員で会派を結成することができることが多い。1人会派の結成を認めている地方議会も存在する。

和歌山市議会の定数は38人である。衆議院議員の定数(465人)の12分の1だ。この議員定数で4人以上を会派要件とすることは、議会少数派にとっては極めて厳しいものとなる。

会派に所属しない無会派議員には、さまざまな制約が存在する。和歌山市議会では、代表質問をおこなうことができない、各会派の代表者が集まる「幹事長会」に出席できない、特別委員会に所属できないなどの不利益があるという。

会派要件を変更するのは(1)少数会派が多数できてしまうと議論がまとまりにくくなること、(2)職員が各議員へ説明をおこなう際に、会派数が多ければ、手間がかかること、(3)会派ごとに控え室を用意する必要があるため、会派が多ければ控え室の維持費が増大することなどが理由という。

議会というのは多様な層の住民が参画することが予定されている。そのため(1)と(2)は議会制民主主義においては受け入れざるを得ないものである。

(3)については控え室の維持費などは、それほど大きなものではないため、民主主義の必要コストといえる。ある議会関係者は「会派要件を変更するための強引な理屈」だと指摘する。

会派要件を厳しくすると、例えば代表質問に立つ議員が減ることを意味する。議員の質問と執行部による答弁は市民の知る権利に資するものである。つまり市民が市政について知る機会が減ることを意味するのだ。

議会は多数決の原理によって、ものごとが決まる。議会のルールも議会多数派が事実上、決定権を握っているため、少数派にとっては不利なルールがつくられる恐れが強いわけである。

今回の方針決定により日本維新の会単独会派は消滅することとなった。同会に所属する中庄谷孝次郎(なかしょうや・こうじろう)和歌山市議(冒頭写真)は、筆者の取材に対して「会派に所属しているか否かだけで、同じように選挙で当選した議員を差別することは許されない」と会派要件変更に反対姿勢を示した。

筆者も無会派議員として活動しており、一定の制約は存在している。他の議会では無会派議員の活動にもっと強い制約をかけているところもあると聞く。

和歌山市議会の会派要件変更は、議会多数派にとって有利なものとなっており、少数派議員を排除することが目的だと見るべきである。

芦田祐介(あしだ・ゆうすけ) 昭和58年生まれ。京都府久御山町議会議員(1期目)。平成23年行政書士試験合格。平成31年4月初当選。

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