13の民族団体が会見「中国の人権侵害止める国会決議を」

西暦2021年4月12日、インド太平洋人権問題連絡協議会(石井英俊事務局長)は国会内で記者会見を開き、今国会会期中に中国の人権侵害を非難する国会決議を成立させるよう求める声明を発表した。

現在、公明党を除く与野党が一致して国会決議採択へ向けて協議を進めている。当初は菅義偉首相訪米前の決議を計画していたが、公明党の申し入れにより延期された。

日本国内に拠点を置く民族団体などが参加するインド太平洋人権問題連絡協議会は、今回の国会決議を後押しするための時限的連絡組織として結成された。連絡協議会に参加する各団体代表者の発言要旨は以下の通り。

在日チベット人コミュニティー 小原カルデン代表

私は日本に住んで25年になるが、日本では中国の人権侵害に関する報道が少ないと感じている。

チベットは中国の侵略により国を奪われて60年以上になる。かつてチベットでは約120万人が虐待、虐殺、弾圧され、寺院が破壊された。それにより2008年以降、157人の若いチベット人が人権侵害に対して焼身抗議を行った。

また、尼僧が拷問やレイプを受けているという情報もある。これは中国共産党が仏教寺院の影響力を弱めることを意図しているものと思われる。

チベット人が中国国旗の掲揚を強制されることに抗議しただけで、懲役21年の刑を宣告された。いまも罪のないチベット人が暴行されたり殺害されたりしていることを思うと、いてもたってもいられない。

多くの中国人は「中国が社会インフラ整備のため、チベットへ多額の投資を行ってきたのに、なぜチベット人は満足しないのか」と考えているかも知れないが、それらは本当にチベット人のことを思って投資されたのか。

もし中国がチベット人のことを思うなら、なぜチベット人が尊敬してやまないダライ・ラマ法王の写真を持つだけで逮捕されなければならないのか。どうして自分たちの住む土地が中国人に支配されなければならないのか。どうして平和的なデモをやっただけで殺されたり、家族を拘束されたりしなければならないのか。どうしてチベットで深刻な環境破壊が行われているのか。

これら全て中国がチベット人の社会や文化、自然環境などをまったく尊重していないことによるものだ。チベットにおいてチベット人は完全に二等市民としての扱いを受けている。日本や世界の人々にとっても人権侵害は対岸の火事ではない。

中国はチベットを侵略したように、多くの国境紛争を起こし、侵略を目論んでいる。日本の尖閣諸島も同様の問題だ。中国の拡大主義は人権問題のみならず、新型コロナウイルスの問題にも及んでいる。

人権侵害をわがこととして、反対の声を挙げて欲しい。日本政府も中国政府に厳しい反対の声を挙げて欲しい。前回の北京夏季五輪に際して、中国での開催に反対する声に対し、中国は人権侵害状況の改善を約束した。それは口約束で終わった。

ほんらい五輪は人権を守り、他国との平和と調和を心がける国で行われるべき。しかしIOCは愚かにも中国での冬季五輪開催を決定した。我々は心を痛め、再び声を挙げざるを得ない。日本政府も「現在の中国に五輪を開催する資格がない」と声を挙げて欲しい。

日本ウイグル協会 于田ケリム会長

このような(会見の)場は何度もあったが、残念ながらウイグルの状況は変わっていない。今年1月、米国政府はウイグルで行われていることが国際法上のジェノサイドにあたると認定した。続いてカナダ、オランダでも同じ認定がなされた。しかし日本の状況は変わっていない。

世界中の在外ウイグル人は自分の家族と連絡を取ることができず、安否を確認できない状況だ。私たち在日ウイグル人は自分たちの家族や友人のために頑張っている。私の家族も2年前に収容され、安否確認できない状況になっている。

これまでの日本政府による声明は「深刻な懸念を表明する」といった言葉ばかり。これは中国政府が(重く)受け止める表現ではない。中国政府に効くのは圧力と制裁。まずは日本の国会で決議を行い、日本としてジェノサイド認定を実現して欲しい。

スタンド・ウィズ・香港 ウイリアム・リー代表

2019年6月、香港でデモが発生して以来、日本でも多くの報道がなされた。その中で警察による暴力行為、一般市民の権利剥奪、デモ行為の禁止など、人権侵害行為が取り上げられた。

直近では1,700人以上の未成年者がデモに参加したことで、警察に逮捕された。香港では未成年者は起訴せず、更生させるという慣習がある。香港行政長官も「若者は起訴ではなく警告という形で対応したい」と明言していた。しかし1,700名の逮捕者のうち、警告で済んだのは1.2%だけだった。他は起訴、あるいは保釈となっている。これは明らかに、当局による差別だ。

2020年7月1日、香港版国家安全維持法が成立。警察の上位に特別機構を設置し、香港民主化活動家を一斉に逮捕した。

2月28日、立法会選挙予備選に参加あるいは企画したことで、47人が国家転覆罪の罪名で逮捕された。その多くは「違法デモや集会」に参加したことも罪状に加えられている。そのようなことはそれまで殆どなかった。

中国政府に拘留されていた香港民主化活動家・李宇軒(アンディー・リー)氏は3月22日に香港に戻され、2週間ほど音信不通となっていた。家族も彼がどこに拘留されているのか知ることができなかった。家族は弁護士を派遣したが、警察は「本人が拒否している」と弁護士を帰らせた。アンディー氏は裁判において顔色が優れず、傍聴席を一度も見なかった。親は手を振っていたが、一切反応しなかった。おそらく、中国本土で脅迫や拷問を受けたと思われる。香港警察が外部と連絡させないことも疑わしい。法治社会ではありえないことが、アンディー氏の身に起こっている。

中国政府と香港政府による行為は明らかに国際人権条約に違反している。日本は人権を重んじる国として人権条約(の趣旨)に賛同し、行動をとるべきだ。

現在日本はG7の中で唯一、中国に制裁を科していない。マグニツキー法などの法的整備がなされていない日本では、制裁を科すという選択肢すらない。現在、議連などで国会決議が呼び掛けられている。私も人権侵害を止めるために国会決議が必要だと考える。

カナダやEU諸国では、中国に制裁を科す前に国会決議を行うことで、中国政府に問題の深刻さを認識させ、ようやく制裁を決めるという形をとった。日本も直ちに国会決議を採択し、さらなる人権侵害が起こることを止めるべきだ。

現状、国連で制裁が決議される可能性は低い。国連人権理事会は香港国家安全維持法の制定を支持する声明を発表した。参加国のほとんどは発展途上国だった。中国は経済力によって途上国を傀儡にし、自国の政策を無理やり正当化している。

このまま中国の影響力拡大を許せば、いつか日本もターゲットにして人権侵害を行ってくる。速やかに対応せねばならない。

民主中国陣線 王戴副主席

民主中国陣線は64天安門事件発生の直後にフランス・パリで結成された。その目的は中国共産党の独裁政権に反対すること。

中国では漢民族以外の諸民族(いわゆる少数民族)への弾圧が行われている。ウイグル、チベット、南モンゴルなどへの弾圧が世界中に報道されてきた。

実は天安門事件以来、漢民族内部でも弾圧が行われていた。例えば昨年、新型コロナウイルスが発生した際、報道関係者が武漢へ行って真相究明しようとしたところ、自由を奪われ、今も人権弾圧を受けている。

日本ではあまり報道されていないが、習近平の写真に墨をかけたある女性は精神病のレッテルを貼られ、病院送りにされている。そういった弾圧は毎日のように、目に見える形で発生している。

たしかに中国共産党政権下で経済発展したが、それに伴うべき政治改革は全く行われていない。習近平政権になってから、様々な弾圧が激しくなっている。さらに、世界中にある独裁政権を裏で支えているのは中国共産党だ。

日本社会にとっても中国の問題は他人事ではない。皆さんは当事者だ。当事者同士の強い連携が必要だ。中国共産党と戦うために支援して欲しい。

SMGネットワーク 根本敬夫氏

私たちは中国での違法な臓器移植を阻止するためにも、日本の国会で非難決議が行われることに賛成する。

中国における臓器狩りの犠牲者は法輪功学習者やウイグル人、キリスト教関係者、さらには一般人にも及んでいると見られる。例えば武漢の大学生が何十人も行方不明になり、家族が騒いだら警察に抑え込まれてしまった。

中国での臓器狩りについては、欧州議会や米国下院でもその証拠を認め、臓器狩りを止めるように決議している。現在でも中国本土では相当な規模で臓器狩りが行われており、最大規模の被害者は法輪功学習者だ。このことは日本では大きく取り上げられていない。

2020年、国際NGO関係者が臓器移植の希望者を装って中国人軍医とのやりとりを記録したところ、「運が良ければ15歳から20歳の健康な臓器を提供できる」との発言が確認された。「それは法輪功の臓器か」と尋ねたところ、「覚悟があるならドナーを見せる」とまで述べた。

アジア自由民主連帯協議会 西村幸祐副会長

これまでも中国の人権侵害問題について訴えてきたが、メディアの反応は鈍かった。中国共産党が脅威を与える全ての人々の連帯を図る必要がある。

日本にはグローバル人権法がなく、まだ非難決議すら出せていない。さらに日本の代表的経営者が、ウイグルでの虐殺について記者会見で「ノーコメント」と答えた。これは虐殺に加担しているのと同じだ。

そういう日本の状況において、広範囲に訴えて行かねばならない。

石井英俊事務局長

総理訪米前の国会決議は延期になったが、帰国後には一日も早く国会決議を成立させていただきたいという声を、13団体の当事者の声として訴えた。

選報日本/編集部




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