在日外国人を公民館へ!新しい住民自治と共生の試みとは

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みなさんは、どのくらいの頻度で「公民館」に行っているだろうか。

文科省の調査によると、平成26年度間に於ける公民館の利用者数は延べ約2億9百万人であり、一人当たり年間2回弱、利用している計算であった。

公民館については、社会教育法第二十条でその目的が次のように定められている。

「公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、(中略)生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」

公民館では、その地域に根ざしたさまざまな行事が行われている。

主な実施内容等については下表のとおりであるが、項目について、表中いずれの年も「教養の向上」が半数以上の割合を占めており、地域住民の教養に関する関心の高さが見て取れる。

公民館の学習内容別学級・講座数の構成推移
(出典:平成29年10月2日「公民館の現状と課題」文科省社会教育課)

現在、福岡県下には330(社会教育調査 平成27年度 統計表)、福岡市内には146の公民館が設置されている(福岡市ホームページ)。

公民館で在日外国人と交流を

今、私は地域(福岡市南区)の公民館と協力して、在日外国人との「共生」を実践しようとしている。具体的には、地域に住む外国人に、公民館で開催される行事に参加してもらう、というものだ。 

もちろん、果たしてこれだけで「共生」の実践と言えるのだろうか、と思われる方もいらっしゃるだろう。

しかし私は今回の行動を、私が暮らす地域に於ける共生への「第一歩」と位置付けている。なぜなら今まで知りうる限り、公民館で開催される行事に、外国人が参加した事例がなかったからだ。

今回私が企画を構想する契機は、外国人が生活することによって、行政にとって何か「困りごと」が発生したことによる行動ではない。敢えて言うのであれば「対処療法」ではないということだ。

対症療法ではない「共生社会」の推進を

前述資料の出典である「公民館の現状と課題」に於いて、社会教育行政の課題が提起されている。そこでは社会教育行政の変化などの要因を受け、「ネットワーク型行政」としての社会教育行政再構築の必要性が謳われている。

また「地方分権と住民自治」というキーワードも登場する。

少子高齢化、地域防災といった地域の現状、課題に対し、持続的な取り組みの結果、目指すべき姿として、住民を中心とした「住民と行政の協働による課題解決」という命題が提示されている。

そして公民館がそのような街づくりの拠点として位置づけられているのである。同資料が「過疎問題懇談会」における説明資料であることからも、公民館に求められる役割が見てとれるのではないだろうか。

今回、私が取り組もうとしていることは、決して真新しいことではない。他の自治体だけでなく、福岡市内でも先駆的な事例があることも重々承知している。

しかし私は、地域の拠点である公民館を、外国人との方との共生推進における「拠点」と認識し、有効活用していきたい。また、そうすることで、公民館が本来の機能を発揮でき、当該地域活性化が促されるものと確信する。

安部有樹(あべ・ゆうき)昭和53年生まれ。福岡県宗像市出身。学習塾、技能実習生受入団体を経て、現在は民間の人材育成会社に勤務。これまでの経験を活かし、「在日外国人との共生」や「若い世代の教育」について提言を続けている。

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