中国人権侵害非難の国会決議 採択へ王手

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令和3年6月10日、立憲民主党は政調審議会を開催し、中国における人権侵害を非難する国会決議について了承した。同日、国民民主党も了承したことを明らかにしている。

中国非難決議については与野党国対委員長会談で与党側から提案され、野党側の党内手続きが待たれていた。立憲民主党と国民民主党の了承を受け、最終的なバトンは与党側に戻された形となる。

国会決議を推進してきた長尾敬衆院議員(自民)は自身のTwitterで「あとは、自公」(自民党と公明党)と明記し、フォロワーに対して「お住まいの選挙区の国会議員に対して、党派を超えて決議案に賛同し、そのために動いてほしいと要請してください」と呼びかけている。

民間側として今国会での決議採択を強く求めてきたインド太平洋人権問題連絡協議会の石井英俊事務局長は、「祈るような気持ち」で立憲民主党の機関決定を待ったと心情を明かした。

現時点で明らかになっている決議文案は以下の通り(再掲)。

新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案

近年、新疆ウイグル、チベット、南モンゴル、香港、ミャンマー等では、信教の自由への侵害、強制収監をはじめとする深刻な人権侵害が発生している。人権問題は、人権が普遍的価値を有し、国際社会の正当な関心事項であることから、一国の内政問題にとどまるものではない。

この事態に対し、一方的に民主主義を否定されるなど、弾圧を受けている人々からは、国際社会に支援を求める多くの声が上がっており、また、その支援を打ち出す法律を制定する国も出てくるなど、国際社会においてもこれに応えようとする動きが広がっている。そして、過日の日米首脳会談においても、人権状況への深刻な懸念が共有されたところである。

このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメントが求められている。

本院は、深刻な人権侵害に象徴される力による現状の変更を国際社会に対する脅威と認識し、これを強く非難するとともに、深刻な人権侵害行為を国際社会が納得するような形で直ちに中止するよう、強く求める。

さらに、それぞれの民族等の文化・伝統・自治を尊重しつつ、自由・民主主義・法の支配といった基本的価値観を踏まえ、立法府の責任において、深刻な人権侵害を防止し、救済するために必要な法整備の検討に速やかに取り掛かる決意である。

政府においても、このような認識の下に、まず、この深刻な人権侵害の全容を把握するため、事実関係の徹底した調査を行うべきである。それとともに、深刻な人権侵害を防止し、救済するための包括的な施策を実施すべきである。

右決議する。
(引用ここまで)

今国会中に可決か

衆院の会期末は6月16日を予定しているが、野党側は3ヶ月の延長を求めている。野党の延長要求について与党側は14日に菅義偉首相がG7サミットから帰国して判断するとしている。

会期延長がない場合、中国非難決議について16日が最終リミットとなる。

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