対中決議「未採択では国会の存在価値なし」残り時間わずか

人権
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令和3年5月26日、日本ウイグル議員連盟の事務局長を務める長尾敬衆院議員(自民)は、衆参両院への上程が検討されている「深刻な人権侵害に対する非難決議」の文案を公開した。公開された決議文案は以下の通り。

新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案

近年、新疆ウイグル、チベット、南モンゴル、香港、ミャンマー等では、信教の自由への侵害、強制収監をはじめとする深刻な人権侵害が発生している。人権問題は、人権が普遍的価値を有し、国際社会の正当な関心事項であることから、一国の内政問題にとどまるものではない。

この事態に対し、一方的に民主主義を否定されるなど、弾圧を受けている人々からは、国際社会に支援を求める多くの声が上がっており、また、その支援を打ち出す法律を制定する国も出てくるなど、国際社会においてもこれに応えようとする動きが広がっている。そして、過日の日米首脳会談においても、人権状況への深刻な懸念が共有されたところである。

このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメントが求められている。

本院は、深刻な人権侵害に象徴される力による現状の変更を国際社会に対する脅威と認識し、これを強く非難するとともに、深刻な人権侵害行為を国際社会が納得するような形で直ちに中止するよう、強く求める。

さらに、それぞれの民族等の文化・伝統・自治を尊重しつつ、自由・民主主義・法の支配といった基本的価値観を踏まえ、立法府の責任において、深刻な人権侵害を防止し、救済するために必要な法整備の検討に速やかに取り掛かる決意である。

政府においても、このような認識の下に、まず、この深刻な人権侵害の全容を把握するため、事実関係の徹底した調査を行うべきである。それとともに、深刻な人権侵害を防止し、救済するための包括的な施策を実施すべきである。

右決議する。
(引用ここまで)

にじむ危機感

今国会の会期は6月16日までとなっており、会期末が迫る中で長尾議員は「決議採択がまだ未採択。入管法改正、土地利用規制法案やLGBT議論などの影響で与野党幹事長国対委員長会談の手前で止まっている」と危機感をにじませている。

国会決議は慣習として全会一致を原則としているが、今のところ公明党を除く主要政党が賛同している。関係者によると「与野党幹事長国対委員長会談」において自民党の二階幹事長から公明党側への「協力要請」が必要だが、現時点で正式な要請に至っていないという。

公明党内部にも決議案に賛同する声があるが、自民党側から正式な要請がない限り、公明党は旗幟を鮮明にしない戦術をとっているものとみられる。

在日ウイグル人など民族団体などは、連日国会前で「早期決議採択」を求めるアピール活動を行っている。長尾議員は「未採択では国会の存在価値なし!」と断言し、世論の後押しを求めている。

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