第二次世界大戦はスパイ戦争だった!?おそるべき共産主義の陰謀

国際
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20世紀最大の戦争といえば第二次世界大戦。わが国はアメリカ合衆国を中心とする連合国(United Nations、現在の国際連合)と戦い、敗れた。第二次世界大戦の内、支那事変(日中戦争)から対米英戦争を総称して大東亜戦争(Greater East Asia War)と呼ぶ。

ちなみに、今でも報道や公教育において「太平洋戦争(Pacific War)」と呼ばれることが多いが、これは連合国側の呼称であり、占領期間中にGHQが日本側にこの呼称の使用を強制した経緯がある。

大東亜戦争のうち日米戦争は、昭和16年12月8日の「開戦の詔勅」に始まり、昭和20年8月15日の「玉音放送」に終わる。この間、わが軍の戦死者数は約174万人、民間人犠牲者は約40万人に上った。

敗戦により、日本建国から初めて外国軍隊の占領統治下に置かれることになる。ちなみに、わが国の建国は「神武天皇の即位」という神話の時代に遡るくらい遠い昔だ。

なぜ、わが国は国家滅亡の危機を招いた戦争を戦わざるを得なかったのか。戦争の原因について、戦後長らく議論は続いているが、国内で統一された見解は未だにない。占領期間中に、大東亜戦争の原因について日本側に立った論証が禁止され、日本悪玉論が席巻した。その影響が70年以上続いているためだ。

日米戦争で多くの人が思い浮かべるのが、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦、神風特別攻撃隊、東京をはじめとする都市への空襲、そして原爆投下ではないだろうか。それら「目に見える戦争」は多くの映像資料も残っており、しかも民間人が直接被害を受けたため、「とにかく戦争は悲惨」というイメージが強い。

確かに戦争は悲惨だが、そこで思考停止してしまっては戦争の真の原因はわからないし、「次の戦争」を防ぐことはできない。ましてや、「日本の軍部が好戦的で侵略戦争を目指し、それに反対した米英が叩き潰した」という戦勝国側の押し付け史観は何も解決しない。

実はいま、その戦勝国側で歴史の見直しが始まっている。米国などで第二次世界大戦中の公文書(機密文書)が公開され、日米開戦にソ連の工作員(スパイ)が関わっていたことが明らかになっている。

米国は今でも共和党と民主党の二大政党があり政権交代を繰り返しているが、戦前もこの2党は異なる外交方針を持っていた。このうち、共和党は第二次世界大戦への参戦に反対していたが、民主党のフランクリン・ルーズベルト大統領は参戦を望んでいた。そのルーズベルト大統領の周辺でソ連の工作員が暗躍し、日米戦争を誘導した。

そしてソ連の工作員は米国中枢だけでなく、日本国内でも暗躍していた。その象徴的事件は「ゾルゲ事件」として有名だ。ゾルゲはドイツ人を装ったソ連スパイであり、当時著名なジャーナリスト(朝日新聞記者)として人気を博した尾崎秀実を近衛首相の側近に送り込むなどの工作活動を展開していた。

ソ連の戦略は、日本や米国、英国、ドイツなどの非共産主義国家同士を戦わせ、お互いに消耗させて漁夫の利を得る、というものだった。実際、第二次世界大戦で連合国側の多くは植民地を失い、枢軸国側は国家滅亡の危機に瀕することになった。

戦後、世界各地で東側(共産主義国)と西側(資本主義国)が対立し、米ソ2国は長らく冷戦状態に入った。冷戦下、世界の人々は核戦争に怯え、ソ連が世界を支配することも非現実的とは言えないまでになった。

その後、ソ連は経済的に疲弊して自滅したが、今でも中国や北朝鮮などの共産主義国家は存続し、東アジアの平和と安全を脅かしている。これら共産主義国家の工作活動も健在で、北朝鮮による日本人拉致もその一環だ。

今後、わが国を含む東アジアの平和を守るためにも、第二次世界大戦の前後を含む共産主義国家の工作活動の実態を知っておくことは極めて重要だ。この実態を明らかにした書籍が刊行された。評論家の江崎道朗著『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)である。

本書で私が強調したいのは、「日本がコミンテルン(※)の罠にはめられた」ことだけではない。日本の戦争の原因と責任を、すべてコミンテルンに帰そうと考えているわけでもない。/確かに、コミンテルンが日本に対して謀略工作を仕掛けていたことも、そしてその影響もあって日本が戦争に突入した側面も見逃すべきではない。/だが、よく分析していけば、その過程は実際には「日本の自滅」であったことが見えてくるのである。そこにこそ、真の悲劇があるのだ。/どうして日本は、コミンテルンの掌の上で踊る羽目になったのか——。その点を正しく分析してこそ、歴史の教訓が私たちの前に浮かび上がってくるであろう。

(江崎道朗著『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』 第一章 ロシア革命とコミンテルンの謀略 より)

※コミンテルン Comintern 国際共産党。ソ連に本部を置き、世界共産主義革命を目指した。共産主義は私有財産を禁止して、経済的に平等な社会を目指す思想。実際には共産党による一党独裁体制であり、全体主義の一種。(編注)

スパイ戦争としての第二次世界大戦は、歴史観を巡る情報戦として現在も続いている。中国共産党が宣伝する「南京大虐殺」、韓国が宣伝する「従軍慰安婦」「強制連行」も一種の情報戦と言える。

わが国はスパイ戦争、あるいは情報戦争においても、戦後負け続けている。強く逞しい日本が東アジアの平和を守るためにも、まずはわれわれが正しい歴史を知らねばならない。

本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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