抗日戦争勝利70年式典から見えるもの

(執筆者 馬場能久)

1.世界秩序の破壊を決意した中国

中国(中華人民共和国)の建国は昭和24年(1949年)である。戦争が終わったのは昭和20年。中華人民共和国は存在していない。我が国が戦ったのは中華民国である。「抗日戦争勝利70年式典」とは片腹痛いと苦々しく思っていたが、産経新聞の【歴史戦 第13部 戦後70年抗日行事(上)】を読んで、「中華人民共和国の真意はこれか!」とハタと思い当たった。

中華人民共和国は世界秩序の破壊を決意したのである。もう彼らはアメリカとの対決を隠さない。堂々とアメリカ包囲網を敷き始めた。
小国民の日本人の目には想像も出来ない発想である。支邦はやはり大国である。発想の規模が違う。戦略の規模も緻密さも違う。悲しいことに同じ頃に「食うや食わず」の時代を経験しても、3000万の餓死者と300万の同胞を虐殺(粛正)しても、「たとえ百年かかっても、中国は原爆をつくる努力をする。中国はソ連指導者に向かって頭を下げることはしない。アメリカ帝国主義の核恫喝の前で土下座することもない」「たとえズボンをはかなくても、核兵器をつくってみせる」の中国(中華人民共和国)に比べれば、敗戦で己を完全に失い、食えることが先決(経済再建)とばかりに、白人の価値観に飼い慣らされ、社会主義史観・共産主義史観に自国の歴史を売った日本国民は少国民としか見えない。

自分の馬鹿さ加減にも呆れている。アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の時に「支邦は経済的に相当困難な状況にある。世界を巻き込まないと破綻する状況にある。」のだと推察した。その後の上海株の暴落はそれを証明していた。だが、支邦は私の見方の上を行っていた。私はその時に「支邦はアメリカとの対決を決意した」と書いた。経済破綻を回避する為に「世界を巻き込む」つもりだ。それはアメリカへの宣戦布告に等しいとも書いた。常々、「戦争の形態は変わった。『平時』という時代はなくなった。『ドンパチの戦時』か、『ドンパチのない戦時』かだけになった。無理に『平時』と言うならば『ドンパチのない戦時』を『平時』と言うに過ぎない。」のであって純粋な『平和』はとっくの昔に存在していない。」と言ってきた。にも関わらず「抗日戦争勝利70年式典」の意味を私は見間違えていた。

「抗日戦争勝利70年式典」は「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」設立に続く、世界の覇者たらんと仕掛けた「世界新秩序」への第2弾なのだ。『ドンパチのない戦時』の最終決戦の幕が落ちたのである。オバマのアメリカは戦争を決意しないとなめられたのである。「抗日戦争勝利70年式典」も「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」も、中国(中華人民共和国)中心の枠組み作りへの踏み絵である。

日本が何故大東亜戦争に踏み切ったのかを分かる人間には支邦が何を考えているのか分かるだろう。アメリカに追い詰められた日本はアジアの解放平等世界の世界の樹立以外に道はなかった。欧米の支配する世界秩序では中国(中華人民共和国)は近々経済破綻する。そこに到れば共産主義を捨てるか米英に膝を屈するしかないと見たのだ。彼らが求めるのは世界の二分割である。米欧と中露である。一方は自分達が支配するのだ。そこが見えたら、支邦の政策が悉く理解できる。東シナ海のガス田開発は支邦による資源支配の一環で日本には1立方メートルのガスも譲る気はない。それは日本が自らのEEZ(排他的経済水域)にガス田を開発しても戦争になるということである。尖閣諸島の領有権問題は日本はとっくに負けている。支邦は次々に有効な手を打っている。最早日本の領有は足下で揺らいでいる。原因は喧嘩できない日本と喧嘩できる支邦との違いだ。ヤクザ相手に「喧嘩しません。」は「ネギしょった鴨」である。どう料理していつ食べるかは「ハイエナヤクザ」の都合次第なのだ。日本の独立の現状はそんな程度である。

対支邦政策に於いて日本に、「平和」も「自由」もない。支邦は我が国を恐れてなどいない。恐れているのは日本にあるアメリカの基地である。日本は無いに等しい。その基地を銭を出してまでグァムに移そうとしている。これほどの馬鹿はいるものか。自民党と役人の頭はどうなっているのか。日本を売り渡している鳩山と同類ではないか。「戦争をせずして勝つ」これが支邦の対日戦略だ。支邦の日本支店部隊の活動が活発になっている理由はここにある。

2.アメリカ包囲網

先ずは、【歴史戦 第13部 戦後70年抗日行事(上)】「日本の侵略者は極めて残虐」と中国・習近平国家主席 米の難色無視し中韓共闘(2015.9.3 06:00更新)
http://www.sankei.com/world/news/150903/wor1509030004-n1.html
の画像(下に引用している地図)から見てもらいたい。
※産経の画像は中国(中華人民共和国)と日本・米国が同じ白であったので、それでは意味不明だから支邦は赤く、米国は空色に色づけした。
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これは勿論、陣営分けの図ではないが、赤と黄土色は日本とアメリカが反対している中で首脳又は政府代表を送った国々である。支邦(=China)自身の赤を中心に見ると何が見えるだろうか。首脳又は政府代表を送った国々も行かなかった国々も支邦(=China)との関係・思惑は様々だろうが、支邦(=China)の行動とこの地図を並べると、支邦(=China)は明らかに世界の二分割、若しくは世界支配を意図している。
この地図をアメリカを中心に見るとアメリカの権威が如何に衰えているか一目瞭然である。(下の地図・アメリカ中心になるように作り替えている。)
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権威の衰えどころではない。完全に支邦(=China)はアメリカ包囲網を形成しつつある。

日本を落とせばアメリカは完全にアジアの拠点を失い、世界はペリーが日本に来た150年前に後退してしまう。そんなことを予感させるではないか。アメリカは軍事的には未だ強力だが、徳のなさが仇となり世界からそっぽを向かれ、完全に内向きになっている。今後第二のロシアとなる可能性もある。地図の上での感覚であるがそういうことを予感させる。支邦(=China)のGNPは世界2位だが1人当たりの所得はアメリカの7分の1である。これが3分の1とか2分の1になればどうなるか。アメリカは意図しようがしまいが支邦(=China)との提携に走る。その時世界はどうなるか。支邦(=China)の根本は野蛮国である。文明国ではない。世界の近代化や民主主義は全て破壊され人類世界は反動の時代に向かう。もう一度アメリカ中心の地図を見てもらいたい。どこにも文明国は存在しない。そして支邦(=China)が覇権を握れば、人類世界が文明に背を向ける構図が見えてくる。文明は野蛮に滅ぼされる。それが歴史の教えるところだ。油断はならない。

3.日本を叩きつぶせ、アメリカをハワイまで後退させろ

さて、今度は日本を中心に見てみよう。際立っているのは日本の危うさだ。この日本を叩き潰せば米国はアジアから孤立する。アジアも米国一国では心許ない。支邦(=China)とも何らかの関係を持たずには生きられない。それがこの図である。支邦(=China)から領土を守る為に軍人が犠牲になったベトナムが首脳を派遣しているが支邦(=China)が世界を二分割したら我が国もそうなるのだ。

日本・台湾・フィリピンは長く続く薄い線でしかない。いかにも分断しやすい。守るに難く、他が攻めるに易き典型である。この国が専守防衛とは恐れいる。守る気がないこと丸見えである。よーく見てもらいたい。韓国が落ちた今、アメリカの権威が世界から消えた時に日本はハイエナの中に於かれた豚となる。専守防衛など日本を要塞化しても出来る話ではない。

我が国が独立を保全し、人類世界を野蛮の支配から守り文明へと導くには、自衛隊を普通の軍隊にして、尖閣を完全な陸海空の要塞とし、支邦(=China)との戦争を防止できてはじめてその可能性が出てくるのだ。それが出来れば世界が相争う世界に陥ることを防げる道が拓かれるのである。

言っておくが、戦争を仕掛けるのは日本ではない。支邦(=China)である。
日本は世界と共に互敬平等の文明世界を築く以外に生存の道はない。
そのことを念頭に入れて再度この地図を日本を中心に見てもらいたい。
日本が生き残り世界が野蛮に支配されることを防ぐには、尖閣を要塞化し時間を稼ぎ、アメリカと提携して、東南アジア、印度、オーストラリア、イスラム、アフリカとの経済圏を作る以外にない。支邦(=China)がAIIB(アジアインフラ投資銀行)を作った以上、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は最早単なる経済圏構想ではなく、日米を中心に印度東南アジアを加えた政治的意味合いの強い経済連合体に変質せねばならない。

夢物語?そうでしょうか。今から僅か40年前に支邦(=China)がこの地図にあるような世界を構築しようとする国になると誰が思ったでしょうか。日本と支邦(=China)の差は国家に誇り無き者と誇りある者の違いです。占領憲法に振り回されず、「国家とは何か」「日本とは何か」「日本国民たる吾とは何か」という基本中の基本からやり直せば善いことです。ただ時間はない。

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