令和3年9月15日、行橋市(福岡県)は同市すべての市立小中学校に北朝鮮拉致問題啓発ポスターを掲示した他、全児童生徒にアニメ「めぐみ」を視聴させるカリキュラムを実施していることを明らかにした。小坪慎也市議の質問に回答した。
アニメ「めぐみ」は、拉致被害者の一人である横田めぐみさんが13歳で拉致された事件をモデルに、国民への啓発を目的として政府拉致対策本部が制作し、無償で配布している。
同作品を小中学生に視聴させることについて、これまで文部科学大臣などから全学校長に対して繰り返し要請が行われてきたが、教育現場での普及は進んでいない。
そのような中、同市の長尾明美教育長は「平成30年度から市立小中学校の最終学年全員に同作品を視聴させるカリキュラムを実施しており、今後も上映率100%を目指していく」と明言した。
また、昨年12月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間中は、同市幹部職員全員がブルーリボンバッジを着用しており、本年以降も「アニメ上映」「ポスター掲示」「ブルーリボンバッジ着用」の3つについて「100%を目指していく」としている。
田中純市長もブルーリボンバッジを着用した上で議会に臨み、「先進国の国民が他国に拉致されているということは情けなく、憤りを感じる。バッジをつけたからといって拉致被害者が帰ってくるわけではないが、北朝鮮への怒りを忘れないようにすることも日本人としての責務だ」と述べた。
北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会(救う会福岡)の藤井守人代表は、行橋市が「3つの100%」を公表したことについて、「拉致問題は最も基本的な人権を侵害するものであり、国家主権の侵害である、という認識を地方自治体に共有してもらうきっかけになるのでは」と期待感を示した。
行橋市では今年12月4日に、福岡県との共催で「拉致問題を考えるみんなの集い」が開催される予定。
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