日本初「チベット難民向けODA」実現へ綱渡り

令和3年2月4日、日本初の実質的チベット人支援ODA(政府開発援助)を外務省が拠出していたことについて、日本の超党派からなる日本チベット国会議員連盟(下村博文会長)の役員会において自民党の長尾敬衆院議員(同議連事務局長)が明かした。

長尾議員は自身のツイッターで産経新聞の該当記事をリツイートし、「平成最後の年から進めていた(中略)結果としてチベット支援になると言う事は画期的」等とコメントしている。

▽亡命チベット人を実質支援 外務省ODA、インドで(産経新聞)
www.sankei.com

日本のチベット議連は国会議員によるチベット人支援組織としては世界最大(ダライ・ラマ法王日本代表部)とされるが、これまで日本政府によるチベット人支援策を引き出すことはできていなかった。

現在インド北部に存在するチベット亡命政府に対し、これまで先進国の多くが人道上の理由により莫大な資金援助を行ってきたが、中国北京政府との関係を重視する日本は一切支援を行って来なかった。

今回のODAは「日本NGO連携無償資金協力(N連)」の予算枠(令和元年度)で実施された。N連とは、「日本の国際協力NGOが開発途上国・地域で実施する経済・社会開発事業に外務省が資金協力を行う」もの。NGO側が事業内容を申請し、認められれば拠出される。

外務省のウェブサイトによると、チベット人向けODA事業を実施したのは、熊本県に本部を置く認定NPO法人れんげ国際ボランティア会(川原英照会長/略称ARTIC)で、締結額は2,959万円。事業内容は「(インド)ヒマチャル・プラデシュ州及びウッタラカンド州における上下水道施設及び公衆トイレ建設事業」となっている。

ARTIC公式サイトには「チベット難民の限界集落ともいうべきサトゥン難民キャンプ」において「ディーゼルポンプとプラスティックの大型タンクを購入し、新たに給水塔を作って全家庭にパイプを引き、水道設備を完備」したと報告されている。それまで住民は毎日離れた給水所まで水を汲みに行かねばならず、重労働となっていた。

亡命チベット人に対し、N連の枠組みを利用したODA拠出を実現するにあたっては、中国政府による外交圧力や妨害を懸念した関係者によって慎重かつ秘密裏に手続きが進められた。

チベット亡命政府とも交流があり、ARTICによる事業申請を後押しした石井英俊氏(自由インド太平洋連盟副会長)は、「これまで日本政府は亡命チベット人に1円の支援もしていなかった。今回のODAは歴史的快挙」とコメントしている。

中国からの圧力に弱いとされる日本政府・外務省から、対インドODAの名目で「実質的チベット人支援」を引き出すため、国会議員・人権活動家・NGO団体等の連携による綱渡りのような調整が行われ、実を結んだ。今後の支援拡大が期待される。

「選報日本」編集主幹 本山貴春

▽認定NPO法人れんげ国際ボランティア会(ARTIC)
renge.lolipop.jp/artic/



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