人気Youtuberランダム・ヨーコさんと、そのご主人・石井英俊さん(国際戦略家)がお送りする人気番組「夫婦時事解説」の一部をテキスト化してお送りします!ぜひ動画もご覧ください。
香港抗議デモに関して、逃亡犯条例の「撤回」が日本でも大きなニュースになってますね。みんな「撤回だー!わーい」ってなってますけど、デジャブでした。前回も行政長官が「撤回する」と言ってヌカ喜びさせられたことが…
「逃亡犯条例を撤回する」って言ったけど実際には「来年の夏に自然消滅します」っていうことだったよね。
逃亡犯条例「改正案は死んだ」=反対派は抗議継続
逃亡犯条例改正について、政府トップの林鄭月娥行政長官は9日、記者団に「改正案は既に死んでおり、完全な失敗だった」と語り、審議再開の見通しがないことを改めて強調した。ただ、「完全な撤回」への言及はなく、反対派は抗議を継続する方針だ。【2019年07月09日:時事通信】
あの時(7月)も「勝ったー」って(日本で)盛り上がってたけど(結果は)違いました。今回も行政長官が(撤回案を)「議会にかけます」って言っただけで、事実上の撤回ではないんですよ。現地の香港人によると、親中派の最大政党が「俺らが(撤回に)反対したらどうなるかわかっているだろうな」みたいな話を出しているみたい。
「撤回する」という提案を、香港政府が議会にするんだよね。それも10月の半ばくらいに。いま香港の立法会は休会中で、10月に開かれます。ということは10月1日の「国慶節」のお祝いが無事に終わった後なんだよ。とりあえず10月1日をどう乗り切るか一生懸命なんだけど、その後に(議会が)開かれます、と。
中華人民共和国では10月1日を国慶節と定めている。1949年10月1日に天安門広場にて中華人民共和国の建国式典が行われ、毛沢東により中華人民共和国の成立が宣言されたことにちなむ。(wikipedia)
香港政府が撤回を提案したとしても、親中派が議会の多数派を握っています。なぜ親中派が多数派なのかというと、そういう(民主派が立候補できない)選挙制度になっているからで、別に親中派が(香港市民に)支持されているわけじゃない。親中派が撤回に反対することで(結果的に)撤回できなかったらどうなるの、と。
「反対の反対は賛成です」みたいな話なんだけど(笑)要するに「逃亡犯条例は元の(案の)通りやります」っていうことになる。(行政長官が)撤回するって言ったのは、本当の撤回かどうか実はわからない、ていうのがいま起きている状況なんですよ。だから「勝った勝った」と喜ぶ状況ではないということなんです。香港人たちはもちろんそう思っているんだけど…
日本では「撤回だ」「これで(抗議デモは)終わったんでしょ」みたいな感じになっちゃったけど、違います。何も終わっていない。
しかも香港政府が本当に撤回したかったら(議会にかけずに)直接撤回できるらしいんですよ。
(わざわざ)立法会に提案とかしなくて良いんだよね。
(撤回発言は)完全にパフォーマンス。結局それでメディアを騙して、メディアを通じて情報操作している状況です。
メディアと、アメリカを(操作しようとしている)っていうことかな。
そう。「アメリカさん介入しないで」っていうことなんだろうね。
海外の圧力を逸らすためにっていうこと。実はいまアメリカの議会で香港支援の法案を審議すると報じられています。これは2016年の段階でマルコ・ルビオ(共和党所属の上院議員)とかが「香港人権民主法案」を提案しているんです。それはそのまま眠っていたんだけど、この機会に「もう一回審議するよ」って言っているわけ。
米議会、香港の民主化勢力支援法案で習体制に圧力
法案は、一国二制度を前提に香港を中国と区別し、関税や査証などで優遇措置を適用してきた「米・香港政策法」(1992年制定)を含めた、香港への優遇措置を毎年見直すことを明記した。/香港の自治権や人権が守られていないと判断すれば優遇措置を撤廃するとしており、中国経済の維持・成長に香港を必要とする習体制にとっては痛手となる可能性が高い。【2019年9月6日:産経新聞】
結局アメリカっていうのは議会がすごく大事で、パワーを持ってる。日本と違って、議会が(単独で)法律を作れるから強いんですよね。トランプ大統領は現時点で「デモ隊を支持する」という発言は一回もしていないんですよ。「平和的な解決を望む」とか「対話をするべきだ」ということは言っているけど。ところがアメリカ議会では、明確にデモ隊を支持する動きを示そうとしているんですね。これがやっぱりアメリカの強さだよね。
議会は議会で独自の予算を持っているから、これで動く。アメリカはそういう形でうまく使い分けながらやろうとしている。中国側はその圧力をかわしたいから「撤回」とか言って誤魔化す。いまはそういうせめぎ合いが行われているということ。とにかく終わってません。
現地の香港人たちは一生懸命英語を使って発信もしてるんで、本当に国際社会に聞いて欲しいと思っている。日本人はなぜか「香港人になりきる」人が多いけど、日本には日本の役割があるわけで、例えば(香港独立派の)アンディ・チャンこと陳浩天氏は「(香港に)制裁をかけてくれ」とか「あなたの国への香港警察の入国を禁止してくれ」とか、具体的な政策を提案しているのに、われわれ日本人はそれには応えず「香港人と一緒に戦いたい」みたいな。そこにズレがあって…
まずは日本の政治家が香港のデモを明確に支持するような発言を、特に与党側から出して欲しいなと思いますね。ポロポロと、何人かの心ある方が出してくれているけど。和田政宗先生とかね。
その辺がちょっと残念で物足りないなあ、という感じはしているんですよね。だから「もっともっと発信して欲しい」っていうことを、お互い知ってる政治家たちに「先生も香港のことで発言してくださいよ」って(働きかけるべき)。気持ちの上では応援してると思うんだよね。日本の保守政治家は。だからもっと発信して欲しいなぁと思います。
個別でも良いと思います。ツイッターでもフェイスブックでも。とにかく日本の国会議員が。われわれ一般市民は数がいないと力にならないけど、国会議員は一人でも発信すれば大きいので。皆さんもそういう働きかけを、ネットを通じてやってください。
先日はアンディ・チャンこと陳浩天氏が来日直前に逮捕されて、まさにリアルタイムで本人と連絡を取り合うという、なかなかない体験をしたんだけど、救出劇も含めて裏話を「
秘密サロン」でしたいと思います。
(逮捕直前の)アンディの動画メッセージがWEB正論に載って、英語版がジャパンフォワード(産経新聞の英語版)に出て、それをブライトバートニュース(アメリカの保守系ニュースサイト)が引用したりして、良い感じの連携が生まれています。
「
秘密サロン」は月1,000円ですけど、他ではない情報を語るのでぜひご覧ください!
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石井英俊(いしい・ひでとし)国際戦略家。自由インド太平洋連盟副会長。九州大学卒業後、塾講師、経済団体職員、選挙出馬を経て、現在、アジア問題専門家として情報発信している。平成29年10月、月刊「正論」に『香港にも慰安婦像が建っている理由』発表。
randomyoko(ランダム・ヨーコ)/日米戦略アドバイザー。YouTube NextUp賞受賞。トランプ大統領の当選を予測したことで一躍有名になり、メディアにも取り上げられた。「正論」「JAPANISM」などの言論誌にも論文が掲載されている。公式ファンクラブ(camp-fire.jp)では毎月限定動画を視聴できる。
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