香港独立派、米国大統領に書簡「中国のWTO加盟取り消しを求める」

香港の独立を訴える「香港民族党」に対する香港当局による弾圧の動きと、それに対する香港民族党の反撃は香港内外に大きな波紋を広げている。

香港民族党の代表である陳浩天氏は2018年8月14日に香港外国特派員協会にて講演を行なったが、同協会の公式サイトが外部からの攻撃を受け、一時的に閲覧できない状態となった。

香港の日本語新聞「香港ポスト」などによると、香港の3つの政党(社民連・工党・香港衆志)のメンバー約50人が陳浩天氏の講演に先立つ7月18日に警察本部前で抗議行動を行った他、60余りの民間団体が7月19日に記者会見を開いて香港当局を批判した。

また、7月21日には香港の民主派団体が当局に対する抗議デモを実施し、主催者発表で1200人が参加したという。

親中派の香港メディア「大公網」は8月7日、香港当局が中止させようとしたことについて、英国のパッテン元香港総督が「間違っている」と述べたとし、日本の石井英俊氏(NPO法人夢・大アジア理事長)と並べて「国際社会にも香港独立派擁護の動きがある」と報じている。

▽香港民族党を活動禁止へ 独立派取り締まり(香港ポスト)
http://biz.searchina.net

香港民族党が米国大統領に公開書簡

そんな中、香港民族党は8月18日に米国トランプ大統領向けに公開書簡を送付したと発表した。

この公開書簡の中で同党は、米国の国内法である「米国−香港政策法」に基づき、中国及び香港のWTO(世界貿易機構)加盟を取り消すよう働きかけることを求めた。

その理由として、中国が「一国二制度」の国際公約を反故にし、香港における民主主義、言論の自由、人権などを抑圧しており、中国政府の影響下にある香港政府は、国際的な自主性を喪失していることなどを挙げている。

今年、トランプ政権は中国に対して1000品目を超える制裁関税を課すなど、経済制裁の動きを強めているが、香港民族党はこの動きを支持するとともに、「中国が香港を経由することで制裁を回避する」ことを防ぐため、同様に香港に対しても制裁を課すよう求めている。

さらに同党は書簡の中で、

中国による知的財産権の侵害は、米国の企業や市民の利益を著しく損なっており、犯罪的である。中国のWTO加盟取り消しは、米国と文明社会の利益に叶うものだ。

と指摘している。

香港民族党が米国大統領に送付した書簡(PDF)

香港とマカオは中国の傀儡政権

また、香港民族党は米国大統領への公開書簡の中で、2019年に台湾で開催が予定されていた「第1回東アジア・ユース大会」(東アジアオリンピック委員会)が中止に追い込まれた経緯について、開催中止に香港とマカオが賛成したことは「1つの主権国家が3票を投じた」と指摘している。

この事実は、WTOなどの国際機関においても同様に、中国が事実上の支配権を行使して多数派工作を行うことについて警鐘を鳴らすものでもある。ちなみに、「第1回東アジア・ユース大会」の中止について台湾政府は「中国が妨害した」と批判している。

▽台湾・台中での「東アジアユース競技大会」中止 中国が圧力か(産経新聞)
https://www.sankei.com

WTO(世界貿易機関)とは

WTO(世界貿易機関)は関税障壁の撤廃など、国際的な自由貿易を促進するために1995年に設立された国際機関で、スイスに事務局が設置されている。

自由貿易促進のため、WTOでは国際貿易におけるルール策定の協議や、紛争処理制度が設けられている。

WTO発足時の加盟国は日本や米国を含む77カ国で、香港とマカオも当初から加盟していた。6年遅れで2001年に中国が加盟、台湾も2002年に加盟している。現在の構成員は164の国と地域(外務省)だ。

WTO加盟にあたっては、「WTOルールと整合的な国内法整備及び貿易政策を実施することを既加盟国と約束」(経済産業省)せねばならない。香港民族党の陳浩天氏は14日の講演で「北京政府はWTO加盟時の約束を破った」と批判していた。



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