【7月豪雨災害】自衛隊「泥水洗顔写真」が削除された理由とは

気象庁が「平成30年7月豪雨」と命名した大災害の死者数は200名を越え、今も十数名の行方がわかっていない。被災地にはボランティアも入り、炎天下で復旧活動に従事している。

そんな中、ある一枚の写真がネット上で話題になった。自衛官が泥水で顔を洗っている写真だ。

この写真をツイッターに投稿したのは倉敷市在住で被災地ボランティア活動にも従事している千田まさひろ氏。

写真に、

「被災された方々に綺麗な水を提供、自衛官自身は泥水で顔を洗う。申し訳ない気持ちでいっぱいです。特に政治家は平気ですか?自衛官は誰もが平気って仰いますが、私はこんな現状を、この国を変えたい。自衛官は我が国の宝、我が国の最も誇るべき方々です。」

というコメントを添えた。

この投稿は大きな衝撃と共感を呼び、たちまち数万件のリツイート(拡散)が起きた。リツイートはいまも続いており、複数のネットメディアでも取り上げられている。

陸上自衛隊「誤解を与えるので削除した」

この写真の出所について千田氏に取材したところ、陸上自衛隊第8師団の公式サイトであることがわかった。同じ写真は同師団の公式facebookページにも投稿されていた。

大量にある広報写真の中から、千田氏がピックアップして紹介したというわけだ。ところが、千田氏の投稿がネットで拡散し始めるや、陸上自衛隊はこの写真を削除。

そこで「選報日本」を名乗って陸上自衛隊広報センターに問い合わせたところ、この写真は今回の豪雨災害支援活動のもので間違いない、という確認が取れた。

陸上自衛隊によると、

「被災者に綺麗な水を提供するために自衛官が泥水で顔を洗うことはない。この写真はたまたま隊員が涼をとるために水をつけている場面。誤解を与えるといけないので公式サイトから削除した」

とのことだった。

この写真を見た自衛官の家族からは、心配の声も上がっている。もちろん、自衛戦争を本来任務とする自衛隊は、訓練でも過酷な環境におかれる。常に衛生的な職場とは言えない。

自衛隊のロジスティクスは大丈夫か?

しかしこの写真は別の問題の存在を示唆している。軍事組織としての自衛隊のロジスティクス(兵站・補給)である。

実は東日本大震災においても、自衛隊が自分たちの食糧を被災者に配布し、自分たちは食事内容や回数を制限していたという「美談」があった。確かに一面、現場の自衛官による自己犠牲精神は美しい。極限状況では必要な対応だったのかもしれない。

これが戦争だったらどうだろうか?もちろん住民に与えるのが悪いわけではない。しかし、充分な食糧や水を充分持たずに前線に行くことはあってはならないし、補給が途絶えてはならない。

ロジスティクスを無視した作戦を立てて前線部隊が悲惨な負け方をした作戦が、帝国陸軍には何度もあった。自衛隊は先人の失敗に学ぶべきだ。

そもそも、先進国としては低すぎる水準の「防衛予算」が現場の自衛官を苦しめている。例えば、陸上自衛隊駐屯地では予算不足のためトイレにトイレットペーパーが設置されておらず、隊員は自腹で購入しなければならない、というのも今や有名な話。

冒頭の写真を広めた千田まさひろ氏はそのような背景を踏まえて問題提起したというわけだ。千田氏は、現在も倉敷市内で災害ボランティア活動を行いながらSNSで発信を続け、「自衛官の皆様、本日もありがとうございます!!」と必ず付け加えている。

▽陸上自衛隊第8師団公式サイト
http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/8d/

▽千田まさひろ氏ツイッター
https://twitter.com/Masahiro_Senda

本山貴春(もとやま・たかはる)/昭和57年生まれ。独立社PR,LLC代表。戦略PRプランナー。『選報日本』編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

関連記事

  1. 広報担当者が知っておくべき集客手法「コンテンツマーケティング」とは

  2. 博多祇園山笠を現在の姿に変えたのは、意外なアレだった!?

  3. 日本独立運動(1)戦後日本は奴隷社会だ

  4. 日本が世界に果たすべき使命とは?

  5. #もともと残酷で有名だった 小坪慎也市議が戦い続ける理由(2)

  6. 米国保守メディアが告発する、異様な「言葉狩り」の実態とは

  7. 外国人と交渉する前に押さえておきたい、神話にみる「契約」の違いとは

  8. 英国人記者「日本軍はこの世の現実とは思えないほど強かった」

  9. 今さら聞けない!「Eコマース」と「WEBマーケティング」の違いとは?

タイアップ記事

PAGE TOP