一気に台風の目に 小池都知事の「希望の党」は何を目指すのか?

平成29年9月27日、国会議員14名からなる新党「希望の党」が産声をあげた。内8名は民進党系、2名が自民党系、3名は無所属系、1名が日本のこころ系だ。そして代表には自民党前衆議院議員で東京都知事の小池百合子氏が就任した。

28日午前8時現在、希望の党の衆院選公認候補リストは明らかにされていない。

小池氏が創設した政治塾「希望の塾」出身者、細野氏が集める民進党出身者、日本のこころ出身者などが候補になると見られていたが、危機感を抱いた民進党が事実上の合流を申し出たことで情勢が一変した。

毎日新聞が26日と27日に行った世論調査では、希望の党の支持率は18%と、民進党の8%を大きく上回っている。このような調査は各政党も自前で行なっている。壊滅的結果に危機感を抱いた民進党が希望の党に擦り寄る形で生き残りを図っているというわけだ。

小池都知事が率いる新党は、かつての「みんなの党」や「日本維新の会」タイプの政党になると見られていた。いわゆる、都市型のソフト保守政党だ。この支持層は民進党とも一部重なるが、民進党が共産党との連携を進めることで都市部の支持率を落としてきた。

みんなの党や維新はかつて「第三極」と呼ばれた。自民でも民進(民主)でもない、第三の選択肢を国民に提示するというものだ。しかし、みんなの党はスキャンダルで消滅し、維新は橋下徹氏の政界引退で求心力を失った。

小池氏はこれら第三極の成功と挫折を入念に研究したことだろう。その失敗の轍を踏まないために、都知事就任から短期間で(ボロが出ないうちに)勝負に出た、と言える。

さらにいえば、小池氏は日本新党の出身だ。

平成5年(1993年)、自民党分裂と小党乱立の影響で自民党が「下野」し、細川連立政権が誕生した。日本新党は少数政党だったが、議会が自民と非自民に二分されたことでキャスティングボードを握り、駆け引きの結果首相に指名される。

ところが細川政権は基盤が脆弱であったこともあり、スキャンダルにまみれて短期間で退陣。これを継承した羽田内閣も短命に終わり、自民党が政敵である日本社会党を取り込むことで政権に復帰している。

細川政権の挫折が、小池氏の政治家人生のスタート地点だった。

また、小池氏は小泉政権で環境大臣などを務め、郵政解散で「抵抗勢力」への「刺客」の役割を果たしている。小泉純一郎一流のメディア戦術を身近な場所で学んだことだろう。

時系列で言えば、細川連立政権、小泉政権、第三極を研究し、成功パターンと失敗要因を分析した上で勝負に出ているとみるべきだ。ここ数日の動きを見るだけでも、小池都知事には緻密で大胆な戦略があることがわかる。

今回の衆院戦で小池氏がどこまでの勝利を目指すのか。具体的な目標議席数はどれくらいなのか、現時点ではわからない。しかし選挙前に野党第1党を自滅に追い込んだ手腕には恐るべきものがある。

日本憲政史上前代未聞の国政選挙が、幕を開けた。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

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