AV第三者機関が弁護士発言に抗議「職業差別」

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令和4年12月26日、AV業界の第三者機関であるAV人権倫理機構(志田陽子代表理事)は、11月29日に一般社団法人Colaboが行った記者会見の中で、角田由紀子弁護士が「アダルトビデオっていうのは女性を性的に虐待して娯楽にしてるたぐいのもの」などと発言したことについて「適正AV事業者に対する偏見と職業差別」とする抗議声明を発表した。

機構はさらに抗議声明の中で、以下のように指摘している。

その発言は、適正AVに自らの意思で出演しているAV女優さんについてまで、エンターテインメントのプロフェッショナルとしての矜持きょうじを否定し、その自主性、主体性を無視して、性的虐待を受けているものと決めつけている点で、事実に反する劣位化を社会に印象付け、結果的にスティグマを負わせるものとなっています。

AV 人権倫理機構による抗議声明

スティグマ(stigma)とは、ギリシャ語で奴隷や犯罪者の肉体に刻印された烙印を意味し、近年では「何らかの社会的属性を持つことから差別や偏見の対象として扱われてしまうようになること」として使用されてる。

一般社団法人Colabo(仁藤夢乃代表)は、夜間巡回などの活動を通じて「家出少女」を保護し、食事・風呂・衣類の提供などを行っている非営利団体だが、ネットを通じて「デマや誹謗中傷などの嫌がらせの投稿が膨大」になっているとして、投稿者を提訴することとし、角田由紀子弁護士らと記者会見を開いていた。

角田由紀子弁護士は平成元年に福岡地裁に提訴された日本初のセクハラ裁判を担当して以降、多数のセクハラ裁判を手掛けてきた。

機構はその点を踏まえ、「女性の人権のために戦ってきたことによって多くの尊敬を集め、社会的影響力を有している法律家の発言として、看過できない」としている。

角田由紀子弁護士の発言に対しては、AV女優を支援する一般社団法人siente(中山美里代表理事)も、12月21日に「角田氏の発言は、適正AV業界で働くことを選択した女性の意思決定を踏みにじるものであり、厳重に抗議する」との声明を発表している。

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