いよいよ希望の党が分裂!「改革保守」の党が生き残る道とは?

小池百合子東京都知事が旗揚げし、民進党との合併騒動で失速した希望の党。現在の執行部は参議院に残存する民進党や、野党第一党に躍り出た立憲民主党との統一会派、そして将来の再合流を目指している。

しかしそのような玉木執行部の動きを容認できないのが、民進党合流以前に党の旗揚げに参加した「結党メンバー」だ。特に希望の党が衆院選における公認の「踏み絵」にした憲法改正や安保法制(平和安全法制)を巡る立ち位置について、玉木執行部は民進党に擦り寄る姿勢を見せていることが「有権者への裏切り」であるとして、結党メンバーは激しく反発している。

いったい何故このような事態になったのか。「民進党出身の議員はもともとそういう人達であり、国民を騙しても平気なのだ」と断ずることは簡単だ。しかしもう少し構造的に考えてみる必要があるのではないだろうか。

そもそも、小池百合子氏が衆院選に当たって民進党を呑み込もうとした背景を見なくてはならない。当時の民進党は、衰えたりといえども野党第一党であり、全国の党組織と地方議員、そして支持基盤としての連合(日本労働組合総連合会=日本最大の労働組合全国組織)の存在があった。

国政選挙、特に衆院選小選挙区では有権者の「風」で当落が左右されるようになったが、それは確固とした組織と支持基盤があり、ある程度接戦となった上での「風」効果がある。

当初の希望の党には支持基盤もなく、党本部事務局すら存在しない、完全風頼みの政党だった。もちろん安倍首相は、「小池新党」に準備ができていないことを見透かして解散を打ったのだ。

従って、希望の党が民進党を呑み込むことは全国の党組織を利用でき、あわよくば連合という支持基盤を囲い込むことができるウルトラCだった。ところが、「排除」を恐れた候補者が立憲民主党を結党することで、連合の選挙支援が分裂することになる。

連合は民間労組と公務員労組の連合体なのだが、中でも力を持っているのが最大の公務員労組「自治労」だ。自治労は民間労組に比べ左派色が強く、憲法改正や安保法制にも反対している。従って自治労が希望の党ではなく立憲民主党支持に傾くのは自然な流れだった。

「代議士は落選すればただの人」(大野伴睦)という言葉もある。選挙中に、希望の党の公認を受けながら憲法改正に反対する候補者も現れるなど、なりふり構わぬ「連合への媚売り」が見られた。希望の党執行部が選挙後「先祖返り」を図っているのは、次の選挙で連合の支援を確保するために他ならない。

希望の党、立憲民主党、そして民進党の再合流を求めているのは、他ならぬ自治労に主導された連合なのだ。今回、民進党との統一会派に反発して分党を求めている議員が5人に止まっているのは、連合の支援を得なければ当選できない議員が多いためである。

必ずしも、連合に属する労働組合の全てが自治労のように左翼色が強いわけではない。しかし連合を自治労が主導する限り、希望の党のような改革保守の政党が連合を支持基盤とすることは難しいだろう。

もっとも理想的な流れは、連合が民間労組と公務員労組(自治労)で分裂することである。もともと連合は日本社会党支持の「総評(日本労働組合総評議会)」と民社党支持の「同盟(全日本労働総同盟)」などが合併して形成された。政策的には呉越同舟なのだ。

今後、改革保守の政党が生き残るには、憲法改正や安全保障政策よりも、むしろ民間労組に支持される政策を掲げ、それら民間労組との交流を深めていく必要がある。さらに、既存の労組がカバーできていない新興産業の労働者を組織化していくなど、地道な努力も欠かせない。

公務員を中心とする既得権層の利益を代弁する左派政党。そして官僚支配に依存する与党。これらに対抗し、打ち勝つことのできる改革保守の政党が確固たる支持基盤を得られる日はいつになるのか。まだまだ道のりは長い。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

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