【衆院選の最大争点】いま消費税増税してはならない7つの理由

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今回の衆院選は「増税する自民公明」vs「増税しない希望の党」という構図になった。以下に、いま増税すべきでない理由を7つ列挙してみた。

(1)消費増税すると、景気が悪化する

わが国が消費税を導入したのは1989年の3%が最初だ。

当時、新聞の1面に1円玉3枚が並んだ写真が掲載されていたのを覚えている。消費税が3円というのは価格が100円の商品だけで、1万円の商品なら300円だから、1円玉3枚というのはおかしな報道だった。

わが国の高度経済成長とバブル景気が終焉し、「失われた20年」という長期デフレ不況が始まったのが1991年頃と言われており、消費税の導入の直後だ。

2011年頃にはアベノミクスの金融緩和政策でインフレ誘導し、「失われた20年」が終焉した筈だが、その直後の2014年に第2次安倍政権は消費税を5%から8%にアップしてしまった。

東日本大震災の傷跡が消えない間の消費増税は、日本経済に大きなダメージを与えた。この上、消費税を10%=1割にしてしまえば、確実に消費行動を抑制し、日本経済はどん底に落ち込むだろう。

(2)消費増税すると、自殺者が増える

わが国の自殺者数が急激に増えて3万人台を超えたのは1998年頃で、97年に消費税を3%から5%にアップしたのと比例している。

増えた自殺者の多くは現役世代の男性であることから、経営悪化・倒産などで経営者が自殺し、失業などで労働者が自殺したことがわかる。景気悪化の原因は消費税増税だ。

消費税の問題は人の命に関わっている。

(3)消費増税しても、税収は増えない

財務省公式サイトより、税収推移

消費税増税の目的は、当然ながら日本国政府の税収を増やすことだと考えられている。しかし、消費税創設後、税収は下がり続けた。

わが国の税収最高額は1990年の約60兆円。そこから波はあるものの、全体トレンドとしては減収の一途を辿り、2009年の約38.7兆円で底を打つ。

2012年からアベノミクス(金融緩和政策)によって景気に改善が見られたものの、14年に8%増税したことで経済成長は鈍化した。

増税分で税収は一時的に増えているものの、増税しなかった方が経済成長によって税収は増えていたと予想できる。

(4)消費増税と、財政再建は関係ない

消費増税の目的としてよく言われるのが財政再建だ。人口が減少し、高齢者が増えることで社会保障費が増大し、国の借金が増えているという。

財務省は1千兆円以上の借金というが、借金がいくら大きくても資産が大きければバランスするので問題ない。政府の資産を相殺すると借金は正味400兆円未満で、諸外国と比べても決して大きい比率ではない。

資産については、「政府資産は売却できないので、借金を相殺できない」と財務官僚は説明している。しかし売却できないものはない。例えば高速道路にしても、民営化している国は実在するのだ。

世界的に経済トレンドで悪いことが起きると、真っ先に買われるのが日本国債だ。このこと一つ取っても、日本の財政バランスが世界で最も「優良」であることの証拠となる。日本の政府財政はすでに再建できている。

(5)消費増税と、社会保障費は関係ない

消費増税しても税収は増えないので、増大する社会保障費に補填することはできない。だから、高齢化問題、年金問題、生活保護、子育て支援、ベーシックインカムなどの議論において「財源は?」という問いは無意味。

むしろ減税して景気回復した方が、税収が増え、社会保障費も増やすことができるだろう。

しかも消費税は社会保障「目的税」ではない。お金に色はついていないので、消費増税で税収が増えても、社会保障制度の安定化には寄与しない。

(6)消費増税したいのは、権力強化したい財務省

消費増税しても税収は増えず、国民の自殺が増える。何も良いことはないのに、なぜ財務省は増税をしたがるのか。

役所という機関は、昔から自己の権限拡大を目指す性向がある。大日本帝国でも陸軍と海軍が予算争いを行い、大東亜戦争になだれ込んで国家を破滅させたという側面があった。

財務省も自己の権限を拡大するため、消費税に限らずあらゆる分野で増税を目指してきた。財政再建とか社会保障費というのは名目に過ぎない。

財務省は省益のために、日本を滅ぼしかねない。

(7)消費増税後の軽減税率適用は百害あって一利なし

消費増税に合わせて議論されているのが「軽減税率」だ。

軽減税率とは、食料品の一部などの、特定の生活必需品だけ、消費税の税率を下げるという政策だ。

これを行うと、小売の現場では対象商品とそうでないものの選別を行う必要があり、利益は増えないのに手間だけが増大する。

また、軽減税率の品目適用を巡って巨大な「権限」が生まれ、業界団体の利益を代表する「族議員」の権力が増すことになる。これは政治腐敗の温床となる。

例えば公明党はかつて軽減税率を公約に掲げたし、マスコミは新聞への軽減税率を勝ち取るために消費増税批判を封印した過去がある。

まとめ

「増税すれば景気悪化」「増税凍結すれば景気回復」。国民の選択はどちらになるだろうか。

自民党の候補者の中には、民主党・野田政権末期の「三党合意」があるから消費増税せねばならないと言っている者がいるが、その民主党(=民進党)は消滅し、希望の党だけでなく立憲民主党までもが「消費増税凍結」を掲げている。

もはや効力の無い「三党合意」にこだわる理由は何なのだろうか。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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