令和5年2月9日、東北大学の東北アジア研究センターと東北大学大学院環境科学研究科は在日外国人と日本人の新型コロナワクチン接種状況や意向を調査し、それぞれの心理的要因を比較した研究結果を発表した。
在日外国人1,986 名および日本人1,704 名を対象としたオンライン調査の結果、在日外国人(外国籍住民)は日本人と比べて新型コロナワクチンを接種しようという意向が高いにも関わらず、実際の接種率は低い傾向にあることがわかった。
海外生まれの在日外国人は88.4%がワクチンを接種する意向を示し、実際に2回以上接種したのは66.3%だった。日本生まれの在日外国人は82%が接種の意向を示し、接種したのは57.3%に留まった。ちなみに日本人は84.7%が接種の意向を示し、接種したのは70.6%だった。
上記の傾向について東北大の研究者は「(在日外国人の)社会経済的に不利な状況がワクチン接種の遅れをもたらしている」と分析している。
また、研究ではワクチンを接種する意向の心理的要因について、「信頼」「無頓着」「障壁」「打算」「集団責任」「社会規範の支持」「陰謀論的思考」の7要素で比較調査した。
その結果、日本人が最も「陰謀的思考(ワクチン接種に関する陰謀論的思考とフェイクニュースへの確信)」の影響を受けており、外国生まれの外国人が比較的「集団責任(他人を守り、感染症をなくそうとする意志)」意識が低い傾向にあることがわかった。
研究者は調査結果について、「外国籍住民の日本社会での社会ネットワークを拡大させることで、集団責任と接種意向との関連性を高め、ワクチン接種意向を高められる可能性を示唆しています」とコメントしている。
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