山口大学医学生が「リンパ転移」の新たな治療法に繋がる新発見

健康
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令和5年1月13日、山口大学は医学生が癌の一種である「リンパ節転移」の新たな治療法に繋がる新発見を行ったと発表した。この発見により、患者の負担を軽減する治療法を実用化できる可能性がある。

山口大学大学院の中村教泰教授を中心とする研究室で研究に従事する医学生・黒田千佳さんは実験により、がん細胞が留まるリンパ節の特定部位に集まる「有機シリカ粒子」というナノ粒子(極微細な粒子)の大きさを割り出すことに成功した。

リンパ節は、体全体にある免疫器官の一つ。全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の途中にあり、免疫細胞が待機している。ある種類の癌は、癌細胞がリンパ管からリンパ節に入り込み、「リンパ節転移」を起こすことが知られている。

現在、リンパ節転移した癌に対する治療は、癌転移のあるリンパ節を手術で除去したり、抗癌剤を用いたりするが、リンパ節を取り除く手術は患者への負担が大きく、抗癌剤により全身に副作用が生じる場合がある。リンパ節に転移した癌細胞のみを攻撃する方法は未だ存在しない。

近年、米国などではナノ粒子の一種であるシリカ粒子を用いた癌治療薬の開発が進められている。山口大の研究によって、粒子に結合させた薬剤により癌細胞を殺傷する治療法や、マクロファージを活性化し、免疫システムで癌細胞を攻撃する治療法に応用できると見られる。

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