既報の通り、2月から3月にかけて北九州市で「人民の敵・外山恒一展」が開催された。
私が外山恒一氏と出会ってから15年以上になる。氏が開設していたウェブサイトをたまたま見つけ、興味をもったのがきっかけだった。
初めて落ち合ったのは福岡市内のバーだったと記憶するが、そのとき外山氏は「東京都知事選に出るつもりだ」と語った。その際、奇抜な政見放送を行う構想もすでにもっていた。
外山氏は当時から「ファシスト」を自称していた。氏がいうファシズムは、ナチズムや共産主義のような全体主義ではなく、「団結主義」のことだった。
氏は極左活動家としての経験を持ちながら、右翼にも理解があった。例えば「天皇制は無いよりあったほうが良い」という考えだった。政治思想や歴史全般に造詣が深く、非常に博識な人という印象が強い。
付き合いは長いが、外山氏と会うのは年に一回あるかないかだ。外山氏じしん、活動範囲が非常に広く、拠点である福岡にいないことも多い。
たまに「左右混交飲み会」のようなイベントを開催することがあり、私は一時期「右派」の一人としてよく参加していた。そこで左派の人々と激論を交すのが楽しかった。
今回の「外山恒一展」に行って驚いたことは、外山氏が過去の政治運動に関する夥しい資料を保管していたことだ。その中には私が知らない、「極左活動家時代」のものも豊富にあった。
「けっきょく外山恒一は右翼なのか左翼なのか」と問われれば、「わからない」としか答えようがない。本当の意味で左右を超越している稀有な人間なのかも知れない。
そんな外山氏が新著『政治活動入門』を出した。早速入手したので、後日レビューを書きたい。
本山貴春(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。独立社PR,LLC代表。サムライ☆ユニオン準備委員長。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』、『恋闕のシンギュラリティ』、『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。
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