映画『シン・ウルトラマン』は「初夏」公開できるか

文化
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令和3年初夏に映画『シン・ウルトラマン』が公開される。企画・脚本は庵野秀明、監督は樋口真嗣というゴールデン・コンビだ。

庵野秀明氏は、いまや日本を代表するアニメーターであり映画監督。アニメシリーズとしては『トップをねらえ!』『ふしぎの海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』などが代表作であり、実写映画では平成28年に大ヒットした『シン・ゴジラ』(総監督)があまりにも有名である。

樋口真嗣氏は特撮映画の名手としてのイメージが強い。『ローレライ』『日本沈没(平成18年版)』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』などで監督を務め、『シン・ゴジラ』でも監督・特技監督として庵野氏を支えている。そんな両氏の盟友関係は30年以上にわたる。

『シン・ウルトラマン』は『シン・ゴジラ』を超えるか?

庵野&樋口コンビで制作された『シン・ゴジラ』はそれまでの「ゴジラ・シリーズ」を覆す画期的な作品だった。それまで「子供向け特撮映画」だったものを一気に現実感のある重厚な作品に一変させたのである。

『シン・ゴジラ』では「巨大不明生物」であるゴジラの出現に政府や自治体が右往左往し、自衛隊や米軍が果敢に立ち向かう。人類の側に架空の兵器や軍事組織は一切登場せず、戦いの裏側で繰り広げられる政治的な駆け引きが濃密に描かれていた。

『シン・ウルトラマン』に登場する警察

『シン・ウルトラマン』に登場する自衛隊

先般公開された予告映像を見る限り、『シン・ウルトラマン』ではそのような『シン・ゴジラ』の方針が受け継がれる可能性が高そうだ。

ウルトラマンに「カラータイマー」が無い?!

「ウルトラマン・シリーズ」は昭和41年にテレビ放映(TBS系列)が開始された特撮ドラマ。銀河系から300光年離れたM78星雲からやってきた宇宙人であるウルトラマンが、地球人である早田進を事故で死なせてしまい、彼と一体化して地球を守るために戦う。

宇宙から襲来する怪獣と戦う際、架空の組織・科学特捜隊(国際科学警察機構の下部組織とされる)に所属する早田進がウルトラマンに変身・巨大化し、「スペシウム光線」などの必殺技を駆使して敵を撃滅する。

『シン・ウルトラマン』の主演・斎藤工(シン・ゴジラにも出演)

長澤まさみ等『シン・ウルトラマン』出演者

そのウルトラマンの胸には「カラータイマー」があり、それが点灯し警告音が鳴ると残り僅かな時間しか変身を維持することができない、というのが往年の「ウルトラマン・シリーズ」で継承されたお決まりの設定だった。

『シン・ウルトラマン』のウルトラマン登場シーン

ところが、『シン・ウルトラマン』にはそのシンボルともいうべき「カラータイマー」が存在しない。最初のウルトラマンをデザインした故・成田亨氏(画家・彫刻家)がそれを嫌っていたためだという。

そのことを庵野氏は「オリジナルへの回帰」(公式サイト)だとしている。

『シン・エヴァンゲリオン』と『シン・ウルトラマン』

『新世紀エヴァンゲリオン』のリメイクとして平成19年から公開されている『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の最終作『シン・エヴァンゲリオン』は新型コロナ・パンデミックの影響で二度(令和2年4月、令和3年1月)、公開延期されている。

『シン・エヴァ』の公開日は決まっていないが、今年の初夏に公開が決まった『シン・ウルトラマン』よりは先に公開されると思いたい。

『シン・ゴジラ』は作中で次々にその姿を変えるのだが、ある場面では『エヴァ』に登場する「使徒」と呼ばれる外敵に似ていると指摘されていた。『シン・ウルトラマン』の予告動画に出てくる宇宙怪獣も、「使徒」に見えなくもない。

『シン・ウルトラマン』の怪獣

パンデミックによって東京五輪中止も取り沙汰される中、『シン・エヴァンゲリオン』『シン・ウルトラマン』が無事に公開されるのかはわからない。多くのファンからは、「やきもきさせられる要素が増えた」と嬉しい悲鳴が聞こえてきそうだ。

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