トランプ大統領も指弾した「一国一制度」 中共の植民地化から香港を守る方法とは

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日米戦略アドバイザーで人気ユーチューバーのランダム・ヨーコ氏が、香港に対する「国家安全法」制定に関して、英語動画での問題提起を行った。特別に許可を得て、以下に和訳を一部掲載する。(編集部)

皆さんご存知の通り、今現在、中国は、これまで以上に拡張主義をエスカレートさせています。例えば、南シナ海で拡張しています。日本の尖閣諸島周辺の領海などにも毎日入って来ています。一隻は、機関砲搭載です。

私の見方では、中国は今という時を拡張するグッド・タイミングだと見ているように思います。自国の広めたCOVID-19によって、世界が苦しんでいるわけですから。それで、中国は、自分達のやることに世界から口出しされないより良い機会を得ているわけです。

私は、中国共産党が行おうとしていることを知っています。悪の欲望によって、悪の帝国を作り上げることです。

同時に、中国は急いでいるように思います。まず、香港の立法会選挙が9月に迫っています。中国は、何が何でもそれまでに香港を統制しようとするはずです。

次に、中国建国から100周年が2049年です。それまでの長いTo-Doリストを中国は持っているので、急ぎたいのではと思います。

何が言いたいのかというと、私達は今香港に焦点を当てていますが、それは世界における中国の拡張主義の一部分でしかないということです。上手くはいっていないと思いますが、一帯一路などの問題もあります。

香港を直接支配する中国

香港に関してですが、まず、中国について、学んだことがあります。

自由主義陣営が団結して、歴史的な勢いで中国の振る舞いを攻撃的に批判しているというのに、中国共産党は、まるで一切気にしていません。

それどころか、中国は前より酷くなって、手に負えない状況です。これによって思い起こすのは、堂々とクリミア半島を乗っ取ったロシアの態度です。中国やロシアの陣営は、自由主義陣営からどんなに非難されようとも、そういったことを堂々とやってのけるのです。

とにかく、香港についてですが、国家安全法が意味するのは、中国がこれから香港を直接支配するということです。

でも、それはどういう意味でしょうか。直接支配の内容とは何でしょうか。

直接支配とは、つまり、中国共産党による独裁です。従って、今言われているのは、香港が、チベットやウイグル、南モンゴルのような状態に入ってしまうということです。

つまり、中国の「解放軍」がうろつき、監視し、捕まえたい時に捕まえて、投獄して、ということになるというのです。

なので、香港が中国になってしまう、というわけです。今、歴史的に見て、中国は香港におけるスタンスを切り替える転換点にあります。直接独裁をし、中国にしようとしているわけですから。

「一国二制度」から「一国一制度」へ

しかしながら、よく言われる通り、悪いことの半面には必ず良いことがあります。この状況が同時に示しているのは、中国が「一国二制度」を破棄したということです。

「え?それが悪い知らせなんじゃないの?」

と言われそうですが、そうです。

悪い知らせであり、良い知らせなのです。

一国二制度(One Country, Two Systems)のはずですが、今中国がやると決めたことは一国一制度(One Country, One System)なんです。

そうでしょう?

一国一制度は何に基づいているのですか?何にも基づいていません。中英共同宣言を無視して、一方的に中国が決めただけです。明らかに中英共同宣言が一国二制度の根拠であったのに、中国は自らそれを捨てているのです。

ランダムヨーコ氏の英語動画が公開された後、トランプ大統領も「一国一制度」という言葉を使用した。

ですから、それが意味し得るのは、香港人がそれに縛られなくて良いということです。

香港人はどういう位置にあるのか? 香港は今日どういう位置にあるのか? そういう質問を今こそ投げかけないといけません。

中国による植民地支配からの独立

中国は言い訳をしていますよね。一国二制度をしたいのに、「過激な」香港の抗議者達がこんなことをやっていただの、何だの、と。その言い分が、どうやったら中国が今香港に対して行っていることの正当性を示すのでしょうか。

中国は論理的にしているつもりですが、論理的ではありません。中国には、香港に対して、一国一制度を行なう根拠がありません。中国には、香港を独裁する権利も何もないのです。中国は、根拠のない植民地支配をしているのです。

自由主義陣営は、それに対し、絶対に抵抗しなければなりません。その上で、自由主義陣営の私達が考えなければならないことは何でしょうか。

香港の独立です。

政治的に言えば、先に述べた通り、香港を縛っているものはもうありません。なので、香港は今置かれている状況は、白黒ハッキリしていない、グレーな状態だと言えると思います。

一方で、白黒ハッキリしているのは、対香港の中国のスタンスです。独裁をするというものです。

私達は、自由主義陣営として、どう動くべきでしょうか。私達は、香港独立を達成すると決心しなければなりません。

「香港独立は現実的ではない」のか?

そんなことを言うと、現実的じゃないとか、軍事的にどうやって戦うんだとか言い始める人が出て来ると思います。あの、私、馬鹿じゃありませんから。制限などは理解しています。しかし! 軍事的である必要はないですよね。

自分の向かいたいところを、現実的か否かで判断していたら、何も達成しません。アメリカが独立するのは現実的だったのでしょうか。第二次世界大戦後、アジア諸国が独立するのは現実的だったのでしょうか。

あなたが達成したいことは、あなたが決めるのです。あなたの宿命は、あなたが決めるのです。

私が言いたいのは、中国共産党にあなたの運命を決めさせるなということです。どうして、そんなに受け身になる必要があるのでしょうか。

世界中でそれこそ病気ですよね。自分達には力がないと教育されます。私はそれに怒りを覚えます。あなたは、自分で思っている以上に強いです。あなたは無力と教育されることで、自国のリーダーの言うことを聞くようになっているのです。

自由主義諸国から「香港独立」の声を!

でも、世界は今、移行中なのです。

中国に、あなたの国や国民の運命を決めさせないで下さい。どうして、あなたが中国に合わせてあげないといけないのですか?

私達は、香港人達が何を求めるか自決出来るようにしないといけません。

この件以前には、香港独立とは、私達がその夢を抱きながらも、論理的に主張出来る話ではありませんでした。しかし、今や中国側がひっくり返したので、私達は、堂々と自信を持って、香港独立を主張することが出来ます。

香港内から主張すれば、犯罪としてみなされるでしょう。「国家安全法」という「中共安全法」のせいで。中共の国、中国という意味での国家です。私達、香港外の人達は、今や、香港独立を訴える根拠を得ました。

複雑な話を上手に説明出来たかわかりませんが、私の言いたかったことが伝わっていれば嬉しいです。共感して下さった方は、私の発信を応援して下さい。

randomyoko(ランダム・ヨーコ)/日米戦略アドバイザー。YouTube NextUp賞受賞。トランプ大統領の当選を予測したことで一躍有名になり、メディアにも取り上げられた。「正論」「JAPANISM」などの言論誌にも論文が掲載されている。公式ファンクラブ(camp-fire.jp)では毎月限定動画を視聴できる。

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