仕事をする上で役に立ちそうな、今シーズンTVドラマ3選

ドラマ
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最近のテレビは面白くなくなったというのは良く聞くが(そして概ね同意するが)、中には面白い番組もある。

特にテレビドラマというのは基本的に娯楽でしかないのだが、より面白い作品というのは生きる上で様々な気づきを与えられることがあるものだ。

という訳で、平成30年5月現在放映中のドラマのうち、仕事に役立ちそうな(?)作品を3つピックアップしてみた。

(1)『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日テレ)

大手保険会社に入社した新卒社員の斉藤が人事部内の新セクション「人材活用ラボ」に配属され、社内の各部署に研修名目で派遣されてリストラ対象者を選ばされる、というストーリー。

その上司が菜々緒演じる椿眞子であり、彼女は米国企業勤務時代にリストラによって会社を立て直し、「ミス・デビル」という異名で恐れられている。

ドラマの冒頭、椿眞子は新入社員研修を任され、50人いた新卒者に苛烈な試練を課し、内40名を退職に追い込む。「この会社の業績からすると新入社員は10名が限度」というロジックで、会社に必要ないと思われる新卒者を果断に排除してしまうのだ。

実際には、企業の採用活動には莫大なコストがかかっているので、あえて入社後に選別するということは考えにくい。選別するなら入社試験の段階でやるはずだ。

しかし大企業の場合は急に新卒募集枠を減らすと業績悪化が疑われ、株価に影響することもある。そのため、採用する気がないのに大量に内定を出すということも起こりうるのだ。

また、劇中でリストラ対象者を選別するにあたり、椿眞子は社員の家族構成や詳細な経歴、貯蓄額まで調べ上げ、「本人にとって退職した方が良い社員」を掘り起こす。

必ずしも無能(と見られる)者をリストラする訳ではない。この辺りの展開も、企業人事や働き方のあるべき姿を考えさせられる内容となっている。

(2)『崖っぷちホテル!』(日テレ)

戸田恵梨香演じる主人公・桜井佐那が総支配人を務める老舗ホテル「ホテル・グランデ・インヴルサ」は、主人公の兄(先代支配人)が作った莫大な負債を抱え、従業員のモチベーションも下がりサービスの質が低下して客足が遠のき、売却も噂されている。

そんな時、有名ホテルの副支配人である宇海がやってきてホテルの問題点を指摘する。新任の総支配人として経営に悩んでいた桜井は思わず宇海をヘッドハンティングする。グランデ・インヴルサの副支配人になった宇海は次々に改革を行い、ホテルの経営再建に乗り出す、というストーリー。

社会問題化しつつある事業承継問題を背景にしつつ、企業の使命として顧客満足度をどう高めるのか、優れた顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)とは何なのかを考えさせられる内容となっている。

古参の従業員が自分の立場を守ろうと、桜井と宇海による改革の足を引っ張ろうと画策するあたりも、面白おかしく描きつつ、「よくある日本的風景」を風刺している。

(3)『半分、青い。』(NHK)

NHKの朝の連続テレビ小説。今回はモデルの存在しないオリジナルストーリーである。

主人公・楡野鈴愛(すずめ)は昭和46年、岐阜県に生まれる。食堂の娘として自由奔放に育てられるが、小学生の時に病気で片耳の聴力を失ってしまう。

高校卒業時に就職活動するのだが、履歴書に片耳が聴こえないことを正直に書いたためか内定が取れない。

そこで祖父の口利きで地元の農協に就職が決まるのだが、人気漫画家に出会うことで突如として漫画家を目指すことを決意する。

片田舎で家族や友人に愛され、恵まれた環境で育った娘が漫画家という厳しい競争社会に出ていくにあたり、両親は強く反対する。

鈴愛をアシスタントにスカウトした漫画家から自宅に電話がかかり、鈴愛の父親は勝手に断ってしまうのだが、それを知った鈴愛は父親に泣きながら食ってかかる。「娘の夢を潰すのが親のすることか!」と。

就職活動に際して、「本当にこれが自分のやりたいこと」と明確化できる者は少ない。何となく、自分の能力や、与えられた機会の範囲内で選び、受動的に社会人になる。

心から「これが自分の挑戦したいこと」と思い定め、リスクを恐れず飛び込めるというのは稀有なことで、しかし誰もが心の奥底で望んでいることだ。躊躇なく未知の世界に飛び込もうとする主人公の姿に、誰もが心打たれることだろう。

まとめ

たかがドラマ、されどドラマ。作品の完成度については評価のわかれるところかもしれないが、「働くことの本質」について考えさせられる作品だ。いずれもまだ始まったばかりで、今後の展開が楽しみである。

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本山貴春(もとやま・たかはる)/昭和57年生まれ。独立社PR,LLC代表。戦略PRプランナー。『選報日本』編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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