在アフガン邦人救出、元自衛官が重大問題を指摘

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米軍撤退後、タリバンがアフガニスタン全土を制圧したことによって、日本政府は邦人等を救出すべく自衛隊を派遣している。

元航空自衛隊パイロットで、在外邦人救出訓練に参加した経験を持つ大山たかお那覇市議は自身のブログを更新し、自衛隊が同様の作戦を行うにあたっての課題を指摘している。

以下、大山たかお市議のブログから一部抜粋しつつ、要旨を紹介したい。

在外邦人救出とは…外国での災害、騒乱、その他の緊急事態に際し、外務大臣から在外邦人等の警護、救出など、又は輸送の依頼があった場合、外務大臣と協議をしたうえで、自衛隊法(中略)に基づき、当該在外邦人等の保護措置又は輸送を行うことです。
(大山市議)

自衛隊が外国で邦人救出を行うには、法律で厳しい条件が定められている。

「当該国当局によって秩序があり、戦闘発生の可能性がない」「武器使用を含む自衛隊の行動に、当該国の同意がある」「当該国との連携や協力が見込まれる」という3つの条件を全て満たさなければならない。

日本による救出作戦は、外務省と自衛隊が連携して行うのだという。

在外邦人がイミグレーション(編注:出国審査)を行い、出国をするまでは「外務省」管轄で、それ以降が自衛隊の管轄(中略)そのような法的整備の中で、街中に迎えに行くことはできなかったような記憶です。
(大山市議)

つまり、自衛隊が行けるのは当該国の空港内だけということで、アフガニスタンでの自衛隊に関する報道と一致する。

そもそも、航空機による邦人輸送には「速度が速い」というメリットがある一方で、「搭乗させれる人数が少ない」というデメリットもあるという。

また、今回自衛隊は「C-2輸送機」と「C-130H輸送機」という2種類の航空機を邦人輸送に使用しているが、前者は国産であるため部品が日本国内にしかない可能性があり、故障した場合のリスクが高い。

さらに空港内で輸送機が待機する際、「エンジンをカットするかどうか」が問題になると指摘する。

エンジンを止めるということは、エンジン始動のために機器を使用することとなり、エンジンをカットしないほうが良いという考え方もあります。しかし、前述した多くの人員を空輸するのであれば燃料を減らして機体重量を調整する必要もあり、そうなるとエンジンを常に回し続けるのが良いことか判断が必要になるかもしれません。
(大山市議)

大山市議は以上のように解説した上で、アフガニスタンでの任務遂行にあたる現役自衛官らに感謝を述べつつ、重大な問題提起を行っている。

自衛隊による在外邦人の救出任務は近年追加されたものだが、法整備がまだ不十分だというのだ。

自衛隊が海外を含め、行動派遣される際に必要な装備品などを政治家や防衛官僚が考えることも異様であり、任務達成のためにどの装備品が必要なのかの見積もりを自衛隊が行い、それらを適切に輸送できる体制ができなければならないと思います。
(大山市議)

まだまだ制約の多い自衛隊。国際情勢が緊迫する中で、今後も自衛隊による邦人救出作戦が増加する可能性があり、現実に即した運用が求められる。

以下、抜粋元のブログ記事には「現役政治家ならでは」の詳細な資料が掲載されている。是非ご一読いただきたい。

自衛隊が在外邦人空輸を行う(那覇市市議会議員 大山たかお)
ooyaman.jp

(本記事は大山市議に抜粋の許可をいただき作成しました)

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