幸福の科学「霊言」に周庭氏が削除と訂正を要求 守護霊が自衛隊派兵要請!?

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西暦2019年9月5日、香港民主化リーダーの一人として著名な周庭(アグネス・チョウ)氏が「ある日本の政党が私の名を騙って香港への自衛隊派兵を求めている」「私はこのような主張をしておらず、訂正を求める」との声明を日本語で発表し、話題になっている。

周庭氏が非難しているのは宗教法人「幸福の科学」を母体とする宗教政党「幸福実現党」のことだ。その問題の出版物とは、9月3日に収録された『自由のために、戦うべきは今 習近平vs.アグネス・チョウ 守護霊霊言』(大川隆法著・幸福の科学出版刊)であると見られる。

幸福実現党は大川隆法氏の著書を引用する形で、周庭氏の「守護霊」が次のように語ったとの記事を党公式サイトに掲載している。

「日本は、われわれの屍を乗り越えて国是を変えて、正しいものとは何かをはっきりと言える国になってください。できたら、自衛隊を送っていただきたい。邦人保護の名目で、自衛隊を送ってください。そしたらアメリカも動きますから」(幸福実現NEWS号外より)

「守護霊の霊言」は幸福の科学にとって教義の中核を担うものだ。

その多くは同教団の総裁・大川隆法氏が著名人などの守護霊を自身に降ろし、自らの口を通じて語らせるという形式をとっており、既に500冊以上が公刊(教団公式サイト)されている。

その中には存命の人物の守護霊に語らせたとするものも多く、書籍の表紙には「本人」の写真が掲載され、書名には「本人の氏名」も明記されるため、あたかも「本人」がそう述べたと誤解されるような体裁をとっていることが多い。

教団は守護霊について「人間の潜在意識のことで、あの世から地上にいる人を守る過去世の魂」「タテマエではない本音を語る性質がある」と主張している。

大川隆法氏の長男でYoutuberの宏洋氏は周庭氏の声明を受けて、「アグネス・チョウさんの人気に便乗しようとした隆法の浅はかな考え」「霊言は本人に無視されることが多いが、明確に拒絶された場合は撤回・謝罪すべき」「そもそも霊言は隆法の妄想であり嘘」と厳しく非難している。

また宏洋氏によると、平成28年に『緊急メッセージ DAIGO守護霊の告白』が、DAIGO氏(テレビタレント)の所属事務所より出版差し止め請求を受け、現在絶版になっている例があるという。

そもそも周庭(アグネス・チョウ)氏は民主派とはいえ香港独立派とは一線を画しており、帰属意識は香港より中国にあることで知られている。来日した際も専ら日本の左翼政治家や極左活動家と交流しており、間違っても「香港への自衛隊派兵」を求める筈がない。

宗教行為の中とはいえ、中途半端な知識に基づいて論理的に破綻した「霊言」を公開し、それを政党の名において拡散したことで、幸福の科学と幸福実現党は「浅はかな考え」(宏洋氏)を露呈してしまったと言えるだろう。

【追記】幸福実現党が周庭氏に謝罪声明

令和元年9月6日、幸福実現党は党公式サイトに「誤解に基づくとはいえ、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます」とする謝罪文を掲載した。

また霊言について「周庭氏の守護霊の発言を紹介したものであり、地上の御本人の発言ではありません」との声明を日本語の他、中国語と英語で発表したとしている。

ただしあくまで「霊言」は撤回しておらず、幸福の科学本部は沈黙したままだ。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。新著『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』(Amazon kindle)。月刊国体文化に未来小説『恋闕のシンギュラリティ』を連載中。

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本山貴春

(もとやま・たかはる)選報日本編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会事務局長。福岡大法学部卒(法学士)。CATV会社員を経て、平成23年に福岡市議選へ無所属で立候補するも落選(1,901票)。その際、日本初のネット選挙運動を展開して書類送検され、不起訴=無罪となった。平成29年、PR会社を起業設立。著作『日本独立論:われらはいかにして戦うべきか?』『恋闕のシンギュラリティ』『水戸黄門時空漫遊記』(いずれもAmazon kindle)。

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