日本共産党系「原水協」へ自治体が公金支出(京都)

京都府内で少なくとも7市町が日本共産党系団体に公金を支出していることがわかった。支出先は原水爆禁止国民協議会。原水協の略称で知られる。

共産党の原水協

原水協は昭和30年に結成された「反核団体」である。もともとは保守と革新が混在する広範な国民運動団体であったが、昭和35年に自民党系・旧民社党系が離脱。

昭和40年には旧社会党系も離脱、別団体として原水爆禁止日本国民会議(通称:原水禁)が結成された。この一連の分裂により原水協は共産党系団体となった。

旧社会党系が離脱したのは原水協がソ連・中国の核武装を擁護したことにある。現在の日本共産党は「ソ連は社会主義国ではなかった」としているが、この当時はソ連を先頭とする社会主義国は「平和勢力」、一方で資本主義国は「戦争勢力」という単純な善悪二元論の立場にあった。

公安調査庁のウェブサイトで公開されている「内外情勢の回顧と展望」(平成20年1月)を見ると「共産党系原水協は、核兵器廃絶を掲げて海外団体と活発に交流」などと書かれている。公安調査庁、つまり政府機関からも原水協は共産党系団体だと認定されているのである。

「共産党系原水協」と明記(公安調査庁HP)

日本共産党は、1950年代に徳田球一ら主流派が武装闘争をおこなった「前科」があるため、現在も公安調査庁の調査対象団体となっている。

「内外情勢の回顧と展望」では平成20年を最後に原水協の名前は登場しないが、現在も公安調査庁の調査対象団体と思われる。

この原水協は毎年、「国民平和大行進」という行事を開催している。保守勢力から見れば「空想的平和主義」にもとづいた運動である。政治色が強いことも指摘されている。

「国民平和大行進」コース(原水協HPより)

昨年の「2020年国民平和大行進」では5月10日に北海道礼文島を出発地として全都道府県を行進し、8月4日に被爆地の広島県で終結する日程となっている。

自治体「交際費」から公金支出

この「国民平和大行進」に全国各地の自治体は市町村長と議会議長の交際費から激励金・協賛金・協力金といった名目で公金を支出しているのである。

私が居住する京都府には26市町村があり、大半はウェブサイトで首町と議会議長の交際費を公開している。その公開情報をもとに令和元年度の交際費を調査した。

原水協への支出が確認できた自治体、およびウェブサイトでは交際費が公開されていない自治体は下記の表のとおりである。

首長交際費 議長交際費
宮津市 5,000円 5,000円
城陽市 5,000円 5,000円
長岡京市 5,000円 0円
大山崎町 5,000円 0円
久御山町 5,000円 0円
井手町 0円 HP非掲載
宇治田原町 HP非掲載 0円
笠置町 0円 HP非掲載
和束町 0円 HP非掲載
京丹波町 0円 HP非掲載
伊根町 5,000円 0円
与謝野町 5,000円 HP非掲載
南山城村 HP非掲載 HP非掲載
合計 35,000円 10,000円

※上の表に表示のない京都市・福知山市・舞鶴市・綾部市・宇治市・亀岡市・向日市・八幡市・京田辺市・京丹後市・南丹市・木津川市・精華町は首町および議会議長の交際費からの公金支出はなかった。(筆者調べ)

京都府内だけでも少なくとも首町と議会議長の交際費を合わせて4万5000円の公金支出を確認することができた。こうした支出は京都府内に限ったことではない。「国民平和大行進 交際費」でネット検索すると全国各地の自治体で交際費から原水協への支出が確認できる。

全国で毎年200万円超か

さすがに全国1718市町村の交際費をすべて調査するのは途方もない作業となるので断念するが、1自治体の支出金額は少額であったとしても「塵も積もれば山となる」という言葉がある。

1府で4万5,000円なので、単純計算で47(都道府県の数)をかけると、原水協は全国の自治体から年間200万円以上の公金を受け取っている可能性がある。

いうまでもなく原水協が「国民平和大行進」という運動をおこなうことは、言論の自由である。それを政府や自治体が規制することは許されない。しかしながら、共産党系の団体に公金から活動資金を提供する必要性があるのか。

私が議員を務める久御山町でも町長交際費から「激励金」と称して5,000円が支出されている。下記は情報公開請求によって入手した支出伝票である。

原水協への支出を証明する久御山町の公文書

久御山町長の信貴康孝氏は、1期目は政党推薦なし、2期目は自民党推薦・旧民主党支持、3期は自民党・公明党・旧国民民主党推薦で当選している。誰が見ても共産党寄りの政治家ではないはずだが、なぜか毎年、原水協への公金支出を続けている。

私は昨年、町議会の決算審査において原水協への公金支出をやめるべきと訴えた。訴えが届いて、来年度以降は支出されないことを願っている。他の自治体においても原水協への公金支出はやめるべきである。



芦田祐介(あしだ・ゆうすけ) 昭和58年生まれ。久御山町議会議員(1期目)。平成23年行政書士試験合格。平成31年4月初当選。

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