令和2年2月11日、福岡国際会議場(福岡市)で日本の建国をお祝いする集い(主催・日本会議福岡)が開催され、市民ら約650人が集まった。
開会の辞を述べた塚田征二副理事長は、「わが国は万世一系の皇室を戴く、世界に類例のない国だが、GHQの占領政策によって建国を祝うことを否定された。戦後、祝日法改正によって『建国記念の日』が制定されたが、いまだに国民こぞってお祝いする状況に至っていない。今日集まった方々は貴重な存在だ。安倍内閣によって憲法改正は指呼の間にある。憲法改正によって戦後の長い呪縛から解き放たれ、この日が国民こぞってお祝いする日になるよう願う」と訴えた。
松尾新吾会長は、「今日はもともと『紀元節』として神武天皇即位の日を祝うものだった。戦後、『建国記念の日』制定にあたっては9回法案が提出され、成立するまで終戦から20年を待たねばならなかった。その際、反対派の主張によって『建国記念日』ではなく『建国記念の日』とされたことが不満。私はすっきり『建国記念日』と呼びたい」と述べた。
来賓の小川洋福岡県知事は、「わが国は長い歴史の中でたびたび困難に直面してきたが、先人たちのたゆまぬ努力によって新しい時代を切り拓いてきた。昨年5月、天皇陛下が皇位を継承され、太宰府ゆかりの元号『令和』に変わった。天皇陛下は、皇太子時代12回にわたり御来県いただき、県民はそのお優しい人柄に触れてきた。県民とともに皇室を敬愛し、希望に満ちた令和の時代をつくりたい」と挨拶した。
その他、原田義昭前環境相(衆院議員)、福岡市副市長が来賓として挨拶した。
小川榮太郎氏「改憲国民投票で国民の立憲主義が目覚める」
記念公演を行った文藝評論家の小川榮太郎氏は、「日本は天皇と共にこんにちに至った。日本は革命を経験していない。どんな政治変動があっても、皇室を戴くという姿勢は、いかなる権力者も守らざるを得なかった。上皇陛下と今上陛下はそのような歴史をよく学んでおられる。かつて江戸幕府に圧迫された『後水尾天皇』に言及された上皇陛下には、戦後体制への含意があったのではないか」と指摘した。
さらに皇位の安定継承を巡る議論について「皇位の継承原理はその国の根本をなす。米国大統領は公正な選挙がその正当性を担保し、英国王室は血筋が継承原理となっている。現行の日本国憲法でさえ、天皇が三権の長を任命するように、天皇伝統が国法の基盤になっている。日本は国難のたびに天皇の下に国民がまとまり、革命や内乱を防いで平和国家を作ってきた。男系が尊いのではなく、固有の継承原理を守ることに意味がある」と強調した。
また、憲法改正について「なんとしても今年軌道に乗せなければならない。自民党改憲案では現状の追認にしかならないという声は根強いが、加憲だけであっても想像を絶する地殻変動が日本に起きる。安倍政権下で憲法改正に国民が直接参与すれば、日本の歴史上初めてのこと。改憲国民投票は国民が主権を直接行使できる唯一至高の機会。国民投票で万が一改正が否決されても、国民の立憲主義を目覚めさせるきっかけになる」とし、早期の国民投票実施を訴えた。
講演後は地元の合唱団「アルモニー博多」とともに来場者が唱歌を歌った。