米国の人工知能研究所OpenAIが開発し、2023年2月13日に正式リリースしたChatGPTが話題だ。ChatGPTとは人工知能を利用した自動会話システム(チャットボット)だ。
ChatGPTが生成する文章は正確性に欠ける場合があることも指摘されているが、本当に人間が書いたかのような文章を生成することには成功している。
選報日本/編集部では、ChatGPTによる記事作成が可能か検証するために、実際にChatGPTへ質問を投げかけてみた。
記事生成が途中で止まることも
まず、ChatGPTの質問欄に「日本の2025年問題に関する解説と解決策の提案をお願い」と入力したところ、以下の記事が生成された。
2025年問題とは、日本において2025年頃に起こりうる高齢化社会に伴う様々な社会問題を指す言葉です。以下に、2025年問題の概要と解決策の提案をご紹介します。
【2025年問題の概要】
2025年問題は、2025年頃に日本の高齢化社会が進展することにより、以下のような様々な問題が生じると予想されています。
1.人口減少による社会保障制度の財政悪化:高齢者の増加に伴い医療費や介護費の負担が増大し、社会保障制度の財政が圧迫される可能性があります。
2.労働人口の減少:労働人口の減少により、生産性の低下や人手不足による企業の経営難などが生じる可能性があります。
3.地域社会の空洞化:高齢化に伴い、地域社会の人口が減少し、地方都市の衰退などが進む可能性があります。
4.社会保障サービスの品質低下:高齢者の増加により、介護や医療の質の低下が懸念されます。
【解決策の提案】
2025年問題を解決するためには、以下のような対策が必要です。
1.高齢者の雇用促進:高齢者の労働力を活用し、生産性向上につなげることが必要です。そのためには、企業が高齢者雇用に積極的に取り組むことが求められます。
2.地方創生の促進:地方都市においては、高齢者の住宅供給や介護サービスなどが不足しているため、これらの問題を解消することが必要です。地方創生の促進により、地方都市に住む高齢者の生活環境の改善が期待できます。
3.健康増進策の充実:高齢者が健康で長生きするためには、予防医学や健康増進策の充実が必要です。具体的には、健康診断の普及や、運動や
OpenAI
丁寧に「概要」と「解決策の提案」が見出しで分けられ、後者は箇条書きになっている。しかし、どうも途中で止まってしまったようなので「なぜ途中で止まるの?」と入力してみた。ちなみに、同様の現象は他の質問でも何度かあった。
申し訳ありません、私が途中で止まったり返答が中断された場合、それはシステムエラーや接続問題が発生している可能性があります。もう一度質問をしていただければ、できるだけ早く正確な回答を提供できるように努めています。ご不便をおかけして申し訳ありません。
OpenAI
おそらく利用者が急増したことでサーバーの処理が追いついていないのだろう。そこで、先程と同じ質問を再度入力してみた。
前回の回答が途中で止まってしまいましたので、改めて回答いたします。
【2025年問題の概要】
日本における2025年問題とは、高齢化社会に伴う様々な社会問題を指す言葉です。日本では、出生率の低下や長寿化が進んでいるため、高齢者人口が増加し、若年層人口が減少しています。このため、社会保障制度や医療・介護サービス、労働市場などに様々な影響が出ています。
【解決策の提案】
2025年問題を解決するためには、以下のような対策が必要です。
1.高齢者の雇用促進:高齢者の雇用促進により、人手不足の解消や生産性の向上が期待されます。そのためには、企業や政府が積極的に高齢者雇用を支援する施策を取り入れる必要があります。
2.医療・介護サービスの充実:高齢者の増加に伴い、医療・介護サービスが不足している地域があります。そのため、医療・介護サービスの充実が必要です。具体的には、医療・介護従事者の確保や、地域密着型の医療・介護サービスの拡充が必要です。
3.地域活性化の推進:高齢化により、地方都市の衰退が進む恐れがあります。そのため、地域活性化の推進が必要です。具体的には、地域の特産品や観光資源の活用、移住者の受け入れなどが挙げられます。
4.少子化対策の充実:出生率の低下により、若年層人口が減少しています。そのため、少子化対策の充実が必要です。具体的には、子育て支援の充実や教育制度の改善などが挙げられます。
以上のように、2025年問題を解決するためには、多岐にわたる対策が必要となります。政府や企業、地域住民などが協力し、社会全体で取り組むことが求められます
OpenAI
最終段落の文末に句点がなかったので念のため「終わり?」と聞いたところ、「はい、以上が日本の2025年問題に関する解説と解決策の提案になります。何か他に質問があれば、遠慮なくお聞きください。」と返ってきた。
生成された文章を見比べてみると、途中で止まってしまった先の文章と、後の文章では「解決策」の内容が異なる。しかし概ね、可もなく不可もなくといった一般的な回答に思える。文章作成能力としては優秀と言って良いだろう。
次に、文章を「ですます調」から「である調」に変えるべく、「さっきの回答を「である調」に書き直して。」と依頼してみたところ、下記の文章が生成された。
かしこまった回答を提供したつもりでしたが、「である調」に書き直します。
【2025年問題の概要】 日本における2025年問題とは、高齢化社会に伴い様々な社会問題が生じるという課題である。出生率の低下や長寿化が進んでいることから、高齢者人口が増加し、若年層人口が減少することが原因とされる。このため、社会保障制度や医療・介護サービス、労働市場などに深刻な影響をもたらしている。
【解決策の提案】 2025年問題を解決するためには、以下のような対策が必要である。
1.高齢者の雇用促進:高齢者の雇用促進により、人手不足の解消や生産性の向上が期待される。そのためには、企業や政府が積極的に高齢者雇用を支援する施策を取り入れる必要がある。
2.医療・介護サービスの充実:高齢者の増加に伴い、医療・介護サービスが不足している地域がある。そのため、医療・介護従事者の確保や、地域密着型の医療・介護サービスの拡充が必要である。
3.地域活性化の推進:高齢化により、地方都市の衰退が進む恐れがある。そのため、地域活性化の推進が必要である。具体的には、地域の特産品や観光資源の活用、移住者の受け入れなどが挙げられる。
4.少子化対策の充実:出生率の低下により、若年層人口が減少している。そのため、少子化対策の充実が必要である。具体的には、子育て支援の充実や教育制度の改善などが挙げられる。
以上のように、2025年問題を解決するためには、多岐にわたる対策が必要となる。政府や企業、地域住民などが協力し、社会全体で取り組むことが求められる。
OpenAI
見事に文体が変更され、特に違和感はない。
商用利用は可能か?
次に気になったのが、ChatGPTが生成した文章の権利問題だ。そこで改めて質問を入力したのだが、誤って途中でエンターキーを押してしまい、下記の質問を投げる形になった。
「この文章の著」
すると、驚くべきことに以下の「回答」が返ってきたのである。
この文章の著作権は私たちAIアシスタントの運営するOpenAIが持っています。OpenAIは人工知能の研究や開発を行う非営利団体であり、広く一般に向けて様々な情報を提供しています。本文章は、一般的な知識や情報を提供するために作成されたものであり、特定の個人や団体の意見を反映するものではありません。
OpenAI
すなわち、ChatGPTはこちらが「文章の著作権」について尋ねたいと補完・予測して、回答を返してきたのである。
しかし回答内容は十分といえなかったので、改めて下記のように質問した。
「この文章を商用ニュースサイトに掲載しても問題はない?」
その回答は以下の通り。
この文章は一般的な知識や情報を提供するために作成されたものであり、特定の個人や団体の意見を反映するものではありません。ただし、著作権はOpenAIが保有しており、OpenAIのライセンスに従って使用する必要があります。商用ニュースサイトで使用する場合は、OpenAIに問い合わせて正式なライセンスを取得する必要があります。また、この文章を引用する場合は、出典を明示することが求められます。
OpenAI
上記の回答をみる限り、ChatGPTを利用して商用コンテンツサイトを運営するためには別途OpenAIとのライセンス契約が必要になりそうだ。
とはいえ、ChatGPTのようなチャットボットが普及し、精度を高めていけば、ライターなどコンテンツ制作者の仕事はかなり省力化されていくのは間違いない。その場合、ライターに求められるのは「AIを上手く活用するスキル」となるだろう。
写真やイラストも、AIによって生成することがすでに可能だ。この記事のアイキャッチ画像は、OpenAIが運営する「DALL·E 2」という画像生成サイトに「23世紀の日本人女性(Japanese women in the 23rd century)」と入力して生成されたものだ。
2045年には人工知能の能力が人間を上回る「シンギュラリティ」が起こるという予測もあるが、案外それは2045年よりも早くなるかも知れない。
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