織田信長はキャプテン翼だった!? 涙ぐましい努力家に学ぶべき事とは

皆さんは戦国武将「織田信長」にどのようなイメージをお持ちだろうか?カリスマ性のある指導者、様々な改革を推し進めた革新者、あるいは残虐で冷酷な魔王・・・。映画やドラマ、漫画で描かれる織田信長はまさに「超人」である。

しかし近年の研究で、そのような織田信長像が崩れつつある。実際の織田信長はどのような人物だったのか?その核心に迫った書籍を、憲政史家の倉山満氏が著した。『大間違いの織田信長』(KKベストセラーズ刊)である。

倉山氏は同書の中で、リーダーのタイプとして「カリスマ」と「キャプテンシー」を例示する。

カリスマとは、どこぞの宗教団体の教祖のように、「どんな無茶苦茶でも信者が付いてくる」という感じの人です。極端に言えば、無能でも横暴でも「俺は独裁者だ、従え!」と言えば付いてく信者に囲まれているのがカリスマです。(『大間違いの織田信長』78頁)

まさに、これまでの織田信長のイメージだ。「第六天魔王」のあだ名にふさわしい。しかし実際の信長は、「キャプテンシー」だった。

むしろ、信長は自分が働くことによって現場を維持、事業を回していくタイプです。これまたぶった切って言うと、「あの人は優秀で正しい。だから付いていく」と思わせるタイプです。これをキャプテンシーと言います。(同頁)

そして倉山氏がキャプテンシーの典型例として挙げるのが、漫画『キャプテン翼』の主人公、「大空翼」と言うわけだ。

キャプテンシー(captaincy)は適当な邦訳がないようで、実際にサッカー解説の場面などで使われることもあるようだ。直訳すると「船長・主将(captain)」の「職(-cy)」となる。キャプテンシーはリーダーシップと比較されることが、前者の方が立場上の責任を果たすニュアンスが強い。

織田信長は桶狭間の戦いに象徴されるように、率先して戦場に赴いた。戦に限らず、領国経営を軌道に乗せ、部下を養うために「寝ないで働く(倉山氏)」信長像は急成長する企業経営者を思わせる。

誰よりも率先して働き、最前線で戦い続けた織田信長は名だたる戦国大名の中で必ずしも傑出していたわけではなかった。ただ、信長は誰よりも努力家であり、失敗しても粘り強く再起し、好機を逃さなかった。

だからこそ、現代に生きるわれわれも真実の織田信長に学ぶものが多いにある。『大間違いの織田信長』には現代日本人が生きる上で必要な教訓が溢れている。信長が完璧な人物でなかったからこそ、魅力があると倉山氏は言う。

織田信長は卓越した才能があったわけでもなく、生まれが高貴で恵まれていたわけでもない。最終的に暗殺されるくらいだから、詰めが甘い部分もあった。しかしそんな人物が、世の中の不条理を正すべく大望を抱いて努力を重ね、全国制覇の目前まで行った。

翻って、現代日本に生きるわれわれはどうだろうか?世間を覆う閉塞感に喘ぎながら、諦めの風潮に浸り、天下国家を論ずること、国家の行く末に責任を持つことを忌避していないだろうか?

戦国時代の日本は、現代よりも遥かに絶望的な状況だったが、信長だけが突破口を開くことができた。信長が教えてくれるのは、才能でもなく、環境でもなく、自身の志と努力だけが不可能を可能にすると言う人生訓だ。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

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